勇気を振り絞り「嫌われる勇気」を読んで

「嫌われる勇気」を読みました。自己啓発本です。いわゆる、意識高い系の本。…と私が勝手に捉えていました。

大元を要約すると、ー他人の評価に捉われず生きていく。嫌われるのは相手の問題だから、気にせず生きていけーという内容でもあり、私の偏見はそう間違ってはいませんでした。

本記事で伝えたいのは意識が高くなった!という感想ではありません。子どもと関わる上で使えそうな考えがあったので、それを紹介したいのです。

①目的論
=例えば、不登校の子どもがいたとします。子どもは出来れば不登校はやめたいのですが、外に出ると急激な不安感に襲われてどうしても不登校から脱却出来ないケースがあるとします。
今まで私が学んだ保育観では、子どもの不安感の理由を考え、どう解消出来るかを考えていく。それが問題解決につながると思っていました。イジメがあるのではないか。家族の育て方に問題があるのではないか。などなどです。しかし、この本では「不安だから外に出ない」ではなく「外に出たくないから不安になる(感情を作る)」という目的論という視点が主張されています。つまり、不安になる原因を突き詰めるのではなく、外に出ないという目的を見つめるということです。

この目的論という視点を持てば
子どもが何かに怒っている時、「怒り」という感情を用いて「養育者を屈服させ思い通りにしている」という捉え方が出来るようになります。要は、子どもの本心を考えるということですね。もちろん、特性や生い立ちによっては怒ることでしか本心を伝えられない場合もあるので、本心の答えは1つではないのが注意です。

②ほめる行為の危険性
=褒めて伸ばす。殴って言う事聞かせるよりは、子どもの身体的な面を考えると断然良い関わり方なのは当然です。しかし、精神的にはどうなのか。本書では、褒めることを否定しています。理由は、褒めることは元来、上の者が下の者にかける言葉だからです。つまり、上から目線。褒めることで子どもは常に褒められることを目的とし行動するから適切ではないというのが本書の主張です。褒めるのではなく、感謝することで、その子どもの所属感を高めていく。ということです。確かに尤もだと思います。一方、私の勤め先では自己肯定感が低い子どもが対象なので、使い分けのバランスが大事だとも思います。

思ってもいない本から新たな視点を取り入れられる。これが醍醐味だと読書の有用性を実感しました。保育や福祉関係ばかりではなく、たまには違ったものを経験することで、偏った頭になることも阻止出来るのだと思います。

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