本レビュー)ケーキの切れない非行少年たち

学校で友達とよく喧嘩する。ストレス発散に万引き等違法行為をする。いわゆる問題行動を起こす子どもは、実は認知機能が歪んでいるのではないかと捉えたのが本書の特徴です。

認知機能とは、見る・聞く・想像する力などです。この機能が歪んでいることで、他者から暴言を吐かれたと被害妄想をしたり、適切なコミュニケーションが難しくなり、結果的に人と話すことが苦手、勉強が苦手という困難を抱えることになる。つまり、本書のタイトルの通り、ケーキを3等分、4等分に切れない子どもが出てくるのです。

本書で興味深いのは、学校で先生や友達に暴言や暴力を振るう子どもがいた際「良いところを褒める」「話を聞いてあげる」といった一般的な関わり方に疑問を呈していることです。

一見、この2つの関わり方は子どもの心に寄り添った方法に見える(私自身も、本書を手に取るまで素晴らしい方法だと信じて止みませんでした)のですが、長期的に見ると根本的な解決にはならないと書かれていました。

もちろん、寄り添う支援も必要ですが
困り感を解消するための具体的な支援を考え実践していくことが大切だと感じました。

また、認知機能が歪んでいる=知能が低い可能性(知的障害)がある記述も興味深いです。基準となるWISC検査は所詮10項目のみの検査からなる判断であり、境界知能の子どもの苦手を適切に判断するには不十分であるとも書かれていました。

人には苦手なことが必ずあるので
それを悪いとせず、なるべく苦手でなくなるように支援しようと思いました❗️

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