本レビュー)自分でできる子に育つほめ方・叱り方

モンテッソーリ教育・レッジョエミリア教育を知り尽くしたオックスフォード児童発達学博士が語る自分でできる子に育つほめ方・叱り方(島村華子著、ディスカバートゥエンティワン出版)を読みました。

この本は子どもの自主性を尊重した褒め方と叱り方について書かれています。以下、心に残ったこと3点を紹介します。

①褒めることは、やり方によって子どもの自主性を低下させる原因になる。
=「すごい!上手!!」と具体性がない褒め言葉は、子どもの頑張ったプロセスを無視し、結果のみに焦点を当てた言葉になる。この上辺の褒めが続くと、褒められるために頑張るということになったり、上手く出来なかったとき、子どもが自信を無くしたりするそうです。また、「偉い」「優しい」と大人の「こうなってほしい」ことからくるラベル付けの声掛けは、子どもにとって「こうあらねばならない」というプレッシャーにもなるそうです。

②自主性を尊重すること=放任して良いわけではない。いわゆる放置型(消極・受身型)の接し方をしてしまうと子どもが悪い行為をした際、なぜダメなのか。その行動でどういった影響が出るかと他者への思いやりを考える機会を奪うことになり、行動が悪化する危険性もあるそうです。

③叱り方について「ダメ」をなるべく使わない。悪い行為をした際「ダメでしょ」という否定から入ると、子どもにとっては攻撃されていると感じ防衛反応で心が閉ざされるそうです。つまり、言葉が全く入らない状態です。まずは行動の経緯を傾聴し、そうなった感情を受け入れる。その上でアイメッセージ(大人の悲しい感情、相手の気持ちの代弁)をし、なぜダメなのか理由を説明する。そして、どのようにしたら望ましくない行動をしたことを尻拭いできるか一緒に考えることが大切だそうです。

①〜③まで、心に刺さる言葉です。特に②について、本書を読むまで放置型は良いものだとばかり思っていました。子どもにとっての良いロールモデル・良きリーダーでいるために褒め方叱り方のバランスを取る必要があります。大人側の感情ではなく、子どもが自身で気付き、動けるような接し方を心掛けたいものです。

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