棋士採用試験の闇

棋士採用試験が、
平成31年度(令和元年度)より、
だいぶおかしなことになっちゃってます。


端的に言うと、緩めすぎというか、

これ、リーグ戦をやる意味あるのかな?というか。


どういうことか、
見ていきましょう。


まずは、平成31年度。

入段が13人で、

リーグ戦で、優秀な成績を収めての入段が6人。

それに対して、女流特別採用推薦棋士が6人。

で、英才特別採用推薦棋士が1人。

の計13名が棋士となりました。


この、女流特別採用推薦棋士の成績を見ていきたいと思います。

・辻華初段

外来予選を8勝3敗の好成績で4位につけています。

なぜか、合同予選と本戦をすっ飛ばして、
プロ入り。

なぜ?

・五藤眞奈初段、森智咲初段

このお2人は、この年の8月まで、
院生のAクラスに名前があります。

9月に名前が消えて、

そして、予選も本戦も出ることなく
いきなりプロ入り。

・大森らん初段

この方は、11月まで、院生に名前があり、
翌月12月にプロ入り。

・高雄茉莉初段、羽根彩夏初段

このお2人は、この年の
中部総本部の棋士採用試験に出ています。

リーグ戦6人出場で、
高尾初段は3勝7敗で5位
羽根初段は2勝8敗で6位、となっています。


で、このお2人ともプロ入り。


プロ試験の意味なくないですか?



令和二年度にうつります。

この年は、12人のプロ棋士が誕生しました。


この年はバラエティに富んでいます。

まずは試験の勝ち上がりが5名。
院生成績による、が2名。
外国籍特別採用、が2名。
女流特別採用、が1名。
女流特別採用推薦、が2名。

大須賀聖良初段と、横田日菜乃初段が
院生成績による、という理由での入段に
なるようです。
両者ともに、入段直前まで
Aクラスに在籍されていました。


法則が少しずつわかってきました。

「院生のAクラスに女子が入れば、
本戦すっ飛ばしてプロ入り」

これは、今後の推移を見守りたいところです。

この仮説が正しいかどうか。


・外国籍特別採用 2名

冬季採用試験の本戦に2人とも出場しています。
全員で15人出場で、
上位2名がプロ棋士になります。

お2人は4位と5位。

かなりの好成績ですが、
涙を飲んだところながら、
この制度により、復活当選。

・塚田千春初段、本田真理子初段

このお2人は女流特別採用推薦で
プロ棋士になりました。


関西総本部の採用試験の本戦は、
全部で8名の参加で、

本田初段は2勝12敗で7位
塚田初段は1勝13敗で8位。


で、お二人ともプロ棋士になりました。

プロ試験の意味なくないですか?



棋士の個人名を出してしまって、
不快に思われる方がいましたら
大変申し訳ありません。

ご本人とご家族、そのファンの方々からしたら
さぞ気分を害することかと思います。

重ねてお詫び申し訳あげます。


もちろん
棋士の方々に何の非もありません。
存在する制度を利用して、
正当に棋士になったので、
もちろん何の非もあるはずがないです。

問題なのは、これらの不平等な制度です。

制度への問題提起をしたかったために
こんな話をさせてもらいました。




リーグ戦で最下位やブービーに沈みながら
プロ棋士として採用される人がいる一方で、

好成績をおさめながらも、プロ棋士になれない
外来の強豪が、現実に存在するんです。

人生の大半を囲碁に費やして、

人が遊んでるときも、人が寝てるときも、
一生懸命囲碁の努力している方がいて、
でもその方はプロになれないんです。

その方の気持ちを思うと、

涙がこぼれてしまいます。


そして、


人によっては、予選本戦と戦い抜いて
勝ち上がらないとプロになれない方がいる一方で、

予選本戦すっ飛ばして
プロ入りできる人もいるんです。


この、あまりにも不平等な
採用方法はどうなんだろう、
と思わずにはいられないのです。




若い女子が増えて、
華やかになっていいじゃないか!

こういう意見、
こういう制度ができた3年前の当初から、
今に至るまで、
よく耳にしてきました。

たしかに一理あります。

もちろんそれはわかります。

華があるほうが良いですよね。


ただ、それだからといって、

プロセスは特別扱い、
結果も度外視、


これはいかがなものでしょうか。


もし、読んでくださった方が、

プロ棋士の入段制度などを
考えるきっかけになりましたら
こんな嬉しいことはありません。

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