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「ハラータウ」を遊んでみた感想(ソロ)

ウヴェ・ローゼンベルクの新作、「ハラータウ」をルール確認がてら、1人で遊んでみた感想。

システム
 形式としては「アグリコラ」に近い、個人ボードを開発していくらタイプのワーカープレイスメント。4種類の作物を畑に植え、牧場で羊を飼う。羊は肉や毛皮、毛糸やミルクを生み出す。これら9種類の素材を使い、村を発展させていく。
 独自性としては、ワーカープレイスメントの縛りが緩くなっている。どのマスも最初は1ワーカーでアクションできるが、2回目は2ワーカー、3回目は3ワーカー必要になる。また、ラウンド毎にそれぞれのマスで、最も多い駒が除かれる(3回目までアクションしていたら、3個のみ)ので、人気のあるアクションが早い者勝ちなのは変わらない。
 また村の発展も独特で、5つの施設に素材を投じて伸ばしていくのだが、5つの中の最低値が村の発展レベル(ワーカーの数や得点になる)になるため、全ての施設を均等に伸ばす必要がある。イコール、全ての素材が必要になるわけだ。このシステムだと、プレイヤーの目的は皆同じになる。得意分野に特化して得点を稼ぐといったプレイが難しいので、複数プレイでは素材の奪い合いが大変になるだろう。
 
カード
 しかし、それでゲームが単調になるわけではない。ローゼンベルク氏お得意の特殊カードの山が4種類、計330枚も登場する。このカードが様々な効果を持って、プレイヤーの個性化やゲームの山を作ってくれる。
 ゲートウェイカードは4種類のデッキがあり、プレイヤーのレベルに合わせて使い分けができる。これはゲーム開始時に手札として引き、序盤の目標と成長方針を決める役割がある。
 農場カードは毎ラウンド毎に1枚手元に来て、その後の展開を助けてくれる。こちらも4種類のデッキがあり、特定の素材の重要度を高める効果がある。これによって羊重視や畑重視など展開が変わってくる。
 ボーナスカードは全ゲーム共通のカード山となる。特定の素材を支払うと、以後毎ラウンド収入をもたらし、最後には得点も得られる。早いうちに多数置いておきたいカード。
 得点カードも全ゲーム共通。文字通り大きな得点が得られるカードで、ゲームの最後までに素材を支払えれば得点を獲得できる。ゲーム開始時に1枚手札に入るが、後から引いても有効だ。
 これらのカードは、ほとんどが「いつプレイしても良い(他プレイヤーの手番含む)」のが面白い。手番の途中でプレイして素材を得たり、他プレイヤーのアクションで生じた変化に割り込んで(妨害効果ではないが)プレイしたり。ゲートウェイや農場カードの多くにはボーナスカードを引ける効果もあるので、何枚ものカードを連鎖的に使うこともある。このカードの運用がこのゲームの一番の魅力だと思う。

感想

 ゲームバランスはいつものように厳しい。序盤は生産能力が足りず、しかし必要な素材はラウンド毎に増えていくのでバランスを取りながら成長していくのがなかなか難しい。しかし一定の素材を貯めないとマイナス点を受ける(ワーカー分の食糧供給のような)要素は無く、プラス方向へ成長していくのでプレイの「苦しさ」はあまり感じなかった。もちろん毎ラウンド一定以上は成長させないとその後も苦しくなるのだが、その辺りはうまく調整されていると感じた。
 とりあえず、ソロで遊んだ限りでは面白かった。手番順の駆け引きは無いが、それ以外は複数プレイと全く同じルールで遊べるので、複数人プレイでも同様に楽しめると思う。かなりシステマチックなルール部分が人を選ぶところはあるが、カードの部分でそれをマイルドにしている感じ。自分だけの特殊カードとか、素材カードのコンボとか、アクションの隙間のタイミングでカードを差し込むとか、そんな要素がお好きな人にお勧めしたいゲームでした。

追記
 収納に関しては、箱が大きいこともあって容積的には充分。ただし多くのコマが袋に入っているので、(おなじみ)某百均の4トレイケースが4つ、2トレイケースが1つできれいに収納できた。カードをスリーブに入れてデッキ毎に分類して、となるとやや手狭かも知れない。

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