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U&Iー友愛ー

202002270227

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合コンの話。

<登場人物>
女1(ユウ):ドリアン。運動音痴。
女2(アイ):相撲。ツッコミ?
男(アンドゥ):エセ外国人。時々謎に流暢。


合コン会場。椅子がハの字に6つ並んでいる。
二人の女が座っている。

1「あの、他の人みんな帰っちゃったね...。」
2「そうだね...。」
1「何が悪かったのかな?」
2「やっぱりドリアンを持ち込んだ事じゃない?」

1「いや、あれはセーフだったよ。セーフセーフ。男性側の幹事の人、顔は引きつってたけど笑い堪えてたじゃん。」
2「あれは吐き気を堪えてたんだよ。」
1「でも他の人達は密閉パック開けた瞬間に逃げたのに、幹事の人は残ってたし。」
2「他の人全員逃げてる時点でアウトだって。」
1「そっか...。」
2「ていうか店の人も逃げたよね。」
1「そうだね...。」

1「でもその時点まではまだこの合コンは成立してたんだよ。男と女が、いた!恋愛の余地があった!」
2「それは...そうだった。」
1「やっぱり、リアル紙相撲をやったのが悪かったんじゃない?」

2「そんな事ないでしょ。合コンではスイーツとか好きな大和撫子が人気なんだよね?」
1「まあ、そう考えてたよね。」
2「だから私達、まず、ドリアンで最先端のスイーツ女子を演出したじゃん?」
1「うん。」
2「取り分けも頑張った...取り分け終える頃にはみんな居なくなってたけど。」
1「そうだったね。」
2「だから今度は、大和撫子アピールをする為にリアル紙相撲をさ...。」

1「待った待った待った。」
2「何よ。」
1「今違和感に気付いた。リアル紙相撲っていうか、相撲だったよね?」
2「それは...うん。」
1「紙相撲リアルにしたら相撲じゃん。」
2「まあ、そうとも言うよね。」
1「そうとしか言わないよ。相撲って大和撫子か?」
2「国技名乗ってるじゃん?JAPANじゃん?」

間。(真顔で顔を見合わす)

1「そもそも相撲ってさ、女人禁制だよね。」
2「...!」
1「(頷く)」
2「そっか...!常識のない人だって思われちゃったんだね...!」
1「いや、それはあんたが私を投げて幹事を吹っ飛ばしたからだよ。」
2「あんなに飛ぶと思わなかったんだもん。」
1「私運動苦手なんだってば。受け身は取れないって言ったじゃん。」
2「言ってないよ〜〜。」
1「言った!」
2「言ってない!」
1「言った!」
2「言ってない!」
1「言った!...痛った。」(思い切り椅子にぶつかる)

「言ってないよ〜」「言った!」「言ってない!」の掛け合いは、お互いに並んでいる椅子に押し合いながら言う。相撲のイメージ。
徐々に速く、力が強くなる。
最後は1が思い切り押したせいで体勢を崩し、椅子にぶつかる。
(難しかったら座ったまま押し合うのでもいい)

2「大丈夫!?」
1「うん...。」
2「...。」
1「...。」
1「誰も、居ないね...。」

そこに駆け込んでくる男。

男「スイマセン、遅刻しまシタ〜」
12「男だ!!?」ガタタッ

男「スイマセンスイマセン、りんごを落としたお婆さんの横を素通りして、川で溺れてる猫を放置して来たら遅れました〜〜(マイムでやる)」
2「いや無視したんかい!」
1「助けてやれよ!」
男「だって...猫アレルギーだから...」
2「お婆さんは!?」
男「婆アレルギーなんデ...」
2「そんなものはない!」
1「それでも猫は助けてやれよ!」
2「急にどうした!?」
1「だって猫が溺れてるとか、もう、想像するだけでつら...猫飼いたい」
2「ただの猫好きかよ」

男「ところでYOU〜、どこかでお会いした事有りマスカ?」
2「お、ナンパか??」
1「えっ...///」
2「え?」
1「そんな...覚えてて下さったなんて...」(急にそれっぽい雰囲気を出す)
2「え?え?」(全くついていけない)
男「やっぱり、前の合コンで会ったネ〜」
1「でも私...地味で全然目立たなくて、あの日も隅っこで三点倒立してたのに...」
2「いやめっちゃ目立ってる!!」
男「分かりマスヨ...///」
1「ほんとに...?///」
2「いやその前に何で隅っこで三点倒立...」
1「もう!そんなの決まってるでしょ!///」
1「壁ナシじゃ出来ないからよ」(真顔)
2「そういう問題!?」
1「でも、どうしてそんな私の事を...?///」
2(本当だよ...)(呆れ)
男「そ、それハ...///」
男「僕もその壁を殴ってましたカラ...」
2「いや何で!?」
男「そこに壁が有ったからデスよ」
2「山みたいに言うな」
1「そんな...私達あの壁で繋がってたなんて...」
2「どの壁だよ」
男「おーYOUとは運命を感じマスね」
2「この合コンろくな奴居ないな!?」

1「もう、さっきから茶々ばっかり入れて!私達が運命なのが羨ましいんでしょ」
2「全然。全然羨ましくない。本当に」(真顔で早口)
男「素直じゃないね〜」(急にめっちゃ流暢)
1「ほんとほんと」
2「待って今めっちゃこの男流暢だった。待って。」
1「え?もーそんな訳ないでしょ。」
男「うんうん。そうそう」
1「ねー」
男「ねー」
2「騙されてる...あんた騙されてるよ...」
1「何でそんな事言うの〜!ドリアン食べさすよ!?」
2「それは別にいいけど...」
1「いいんだ...!?」
2「私ドリアン好きだし...」
1「えっ...嬉しい」

1が金庫からドリアン(容器)を取り出す。
1が2にドリアン(容器)を差し出そうとする、と。
男がもがき苦しんでいる。

男「ウワーーーーッ!?」(何かこう...太陽にほえろの如く叫んで)
1「えっ!?どうしたの!?」
男「早く...早くそれをしまって...」
1「え!?何!?」
男「早くそのドリアンをしまえーーー!!」
2「うわっ」

男、急に立ち上がり2からドリアン(容器)を奪う。金庫にもっかい突っ込んで金庫を閉じる。

男「(ゼーハー)」
1「そんな...ドリアン、嫌いなの...?!」

BGMが有ったら、めっちゃ切ない音楽が流れる。

男「...ごめん...!」
1「嘘...!」
2「え?何これ何これ」(全くついていけない)
男「実は僕...ドリアンに親を...」
1「えっ..!」
2「どういう事だよ...」
男「僕の親、まだ僕が幼い頃にドリアンで背後から殴られて...!」
2「めっちゃ物理!」
1「そんな事が...!」
2「臭いで気づけよ...。」
男「それ以来僕、ドリアンを見るとつらくて...!」
1「...ッ!そんな!」
男「親は全然元気で生きてるしドリアンバリバリ食べてるんだけど...」
2「超元気じゃん...。」
男「あれ以来親はドリアンにどハマりしてしまって、家がドリアン臭でエグくて...」
1「つらかったね...」
男「...ッ、僕は、僕はドリアンに親と家を奪われたんだ〜!」
1「(慰める)」
2「ええ〜〜...」

男「グスッ、お別れだよ、YOU...」
1「そんな、私達...もう無理なの...!?」
男「ドリアンだけは...ドリアンだけはダメだ...。」
1「そう...本当に無理なのね...」
男「グッバイ、YOU...またどこかの壁で会おう...。」
1「さようなら...さようならー!!」

男、めっちゃ(ウザい)キメポーズで去る。
BGM終わる。

1「さようなら、私の恋愛...。」

1、座る。

1「...また二人になっちゃったね...。」
2「そうだね...。」
1「何が悪かったのかな?」
2「分からない...。」
1「うん...。」
2「いや、きっと誰も悪くなかった...。そう思おう。」
1「えっ?」
2「悪かった事を探すなんてナンセンスだよ。それよりも私達には、得たものがあるはずだ。何だと思う?」
1「えっ...?」
2「ヒントは、君と私...」
1「えっ...!?」
2「そう、U&Iー友愛ー...!」(互いを指差しながらめっちゃ流暢に『U』『I』って言う)
1「あっ...!」
2「冷静に考えてみて。ドリアンは好き?」
1「好き...!」
2「うん、私も好きだ。相撲は?」
1「好きだね...!」
2「そんな変人は?」
1「YOUとIしか居ない...!?」
2「さあ、旅に出よう。マレーシアのドリアンを食い尽くすんだ!」
1「うん!カンボジアで相撲も満喫してこよう!」

店の人、戻ってくる。
(男が幕裏でエプロン付けて早変わり)

店の人「いい加減にしろ!いつまでいる気だ!帰れー!!」
12「うわ、ヤバイ!!店の人戻ってきた!!」
店の人「待て!ドリアン持ってけ!うわ臭ッ!!」
12「逃げろ〜〜!!!」
店の人「待て!ドリアン!!」

店の人12、台上をドタバタしてストップ。

ちゃんちゃんこ鍋。(口で言う)

めでたしめでたし(?)

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