おばあちゃん

今日、会社から帰る時、安全帽を被った小学生の女の子とそのおばあちゃんらしき人が一緒に歩いているのを通りすがりに見かけた。
そうしたら、もう自分のおばあちゃんはこの世に居なくて、もう会うことも話すこともできないんだなぁと実感して、歩けなくなりそうだった。

自分のおばあちゃんは約一か月前に亡くなったんだけど、それまでに何度も何度もおばあちゃんのいる施設に足を運んだから、亡くなった時もそんなに悔いはなかった。
けれど、うちのおばあちゃんは認知症でここ数年は意味のある会話もできなかったし、最期のほうは自分の声も聞こえているのか分からないくらい寝たきりだった。

私はとてもおばあちゃん子だった。
実家の近くに祖父母の家があって、よく遊びに行っていた。
食後に薬を飲んでいるおばあちゃんに早く遊ぼうってせがんだし、おばあちゃんは私の大好きなチョコレートを買っていつも戸棚に用意してくれていたし、人を驚かせるのが好きな私はよく家具などの陰に隠れてはおばあちゃんを驚かせた。

……なんて、すぐに出てくる思い出はもう何十年も前のものばかりだなぁと気づいた。
おばあちゃんと並んで帰っている女の子が少し羨ましくなった。
もっともっと、大人になってからもたくさん話せばよかったなぁって結局後悔している。
そんな六月初日でした。

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