29歳の冬、ユースキンに感謝する

この冬、私はユースキンのクリームを愛用している。

私は今までハンドクリームジプシーで、正直どれを塗ってもピンとこないというか、100点満点とはいかないような気がしていた。ユースキンを選んだのはミッフィーがプリントされたパッケージがなんとも言えずレトロ可愛くて好きなこと。あの独特な匂いから<効く>ような気がすること。なにより値段がお手頃なこと。とはいえ、このユースキンに対しても他のハンドクリーム同様にお気に入りとまではいかず、取り敢えず塗っておくかくらいの感覚で、毎日寝る前と思い出した時に塗り続けていた。

そんなある日、自分の手を眺めていてふと気づいた。いつの間にか、長年悩まされていた手の甲の小指の付け根のガサガサが消えていた。
このガサガサは、皮膚科の先生に相談し、一時期ステロイドを塗ってみても治らなかった箇所だ。私にはアトピーがある。このガサガサはもう直らない、慢性的なものだと正直諦めていた。だから、ガサガサが消えていることに気づいた時、とても嬉しかった。

なにより、最近いたるところが不調で、「今年で30ともなるとやはり…」とここ3ヶ月ほど気持ちが沈んでいたこともあったので、自分の身体の中でひとつでも良い変化が起きている部分があったことが希望の光のように思えた。(ちなみに身体の不調に関しては年齢というより厳冬の影響が大きいと思っている。)

それにしても人間とは、なかなか難儀な生き物だなと思う。
良い状態が当たり前で、少しでも悪い部分があるとそこにばかり注目してしまう。その間に、別の不調が解決していても、そんなことには目もくれない。目の前にある不調ばかりをみて「私は年を取った」と悲観する生き方、それこそが老いのように思う。

些細なことでも、自分の良い変化をきちんと拾いあげて、きちんと認められる心持ちで生きていきたいと思った出来事であった。

気づかせてくれてありがとう、ユースキン。
そしていつも認めてあげられなくてごめんね、ありがとう、私の身体。

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