浮腫について(血管透過性、膠質浸透圧ver)
浮腫についての理解を深めるために、まずは基本的な概念から説明します。浮腫は、体内の組織に過剰な液体が溜まる現象です。これが起こる主な原因として、血管透過性や膠質浸透圧の変化があります。
血管透過性とは
血管透過性は、血管の壁を液体がどれだけ通過できるかを示します。血管の壁には細かい穴があり、通常は必要な栄養素や酸素などが通過しやすい一方、不要なものや大きな分子は通過しにくくなっています。
血管透過性が亢進する場合
血管透過性が亢進(増加)すると、血管の壁がより透過しやすくなり、液体が血管外に漏れ出しやすくなります。これが浮腫の原因の一つです。例えば、炎症が起こると、炎症を引き起こす物質(サイトカインなど)が血管透過性を亢進させ、浮腫が生じやすくなります。
膠質浸透圧とは
膠質浸透圧は、血液中のタンパク質(特にアルブミン)が水を引き寄せる力のことです。血管内の膠質浸透圧が高いと、水分が血管内に引き寄せられ、血管外への水分の移動が抑えられます。
膠質浸透圧が低下する場合
膠質浸透圧が低下すると、血管内に水分を引き寄せる力が弱くなり、血管外に水分が移動しやすくなります。これが浮腫のもう一つの原因です。例えば、肝臓の病気でアルブミンの産生が低下すると、膠質浸透圧が低下し、浮腫が生じやすくなります。
具体例
血管透過性の亢進(増加):アレルギー反応や炎症性疾患(例:虫刺され、関節リウマチ)などで、血管が広がり液体が漏れやすくなることで浮腫が生じます。
膠質浸透圧の低下:肝硬変や栄養不良でアルブミンが減少し、血液が水分を引き寄せる力が弱まり、浮腫が生じます。
まとめ
血管透過性:血管壁を液体が通過する能力。亢進すると浮腫が生じやすい。
膠質浸透圧:血液中のタンパク質が水を引き寄せる力。低下すると浮腫が生じやすい。
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