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【日記】あしさき

寒すぎて心が折れそうだ。
昔から寒いのは大の苦手であったけど、ここまでやられるのは年のせいだろうか。
暖房なんか効きゃしない。
電気毛布にくるまって、ひざ掛けも足して、耐えるようにしてその日その日を過ごす。

同じ部屋にいるのに子供は元気だ。
せっかく着せたチョッキも脱いで、一心不乱に遊んでいる。
寒くないのかと尋ねると何がだと答える。
手もキンキンに冷たいじゃないか。
どうして風邪をひかないのか不思議でならない。

「子供は風の子、元気な子」と呪文のように唱えられながら
どんなに寒くても家から追い出されていた子供の頃を思い出した。
恨めしく思いながらも遊び出したらそんなこと忘れて暗くなるまで遊んだ。

嘘じゃなかったんだな。
息子が同じ部屋に裸足でいるところをびっくり人間を見るような思いで見ているけど、振り返れば自分もそうだった。

どこで、どのタイミングでこっち側へ来たのだろうか。

靴下をもう一枚重ねばきしながら、息子を眺める。


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