PolkadotのParachain、Manta Networkについて知ろう
こんにちは、you425です。
今回はParachain紹介シリーズ第七回、Manta Networkについて書きたいと思います。
Polkadotって何?という方はこちらをどうぞ。
※個人の解釈や感想が強めに出ますのでお気をつけください。
1.Manta Networkとはどんなプロジェクトか?
まず基本情報です。
Polkadotでの名称:Manta Network($MANTA)
Kusamaでの名称:Kalamari($KMA)
KusamaはPolkadotのカナリアチェーンとして作られているため、Polkadotに実装前の機能を先行して実装していきます。
その為、各Parachainもそれに対応したり自分たちも実験的な機能を実装するためにKusama用にParachainを用意することが多いです。
これからPolakdotのPLOに参加するという方は、Kusama用のチェーンがどのようになっているかをチェックするといいでしょう。
Manta NetworkはDeFi特化型プライバシー保護プロトコルです。
イメージとしてはZcashやMoneroの様に、匿名で送金や決済を行うことが出来るようになります。
Mantaではzk-SNARKというゼロ知識証明を採用しています。
ゼロ知識証明(ZKP:Zero Knowledge Proof)
ざっくり言うと、内容を明かさずにその内容を知っていることを証明することが出来る技術です。
例えばHPでログインする時にパスワードの入力を求められた場合に、パスワードは入力せずともパスワードを知っていることを証明することでログインできます。
遠回りに見えますが、こうすることでパスワードを入力しないため情報が漏れることはありません。
情報を秘匿しながらもスマートコントラクトやトランザクションに応用できるため、活発に研究されています。
詳しくは以下を参考にどうぞ
https://baasinfo.net/?p=3673
他のParachainがMantaの機能を利用してプライバシーを保護したままに経済活動を行えますし、Manta上でもDEX等用意されています。
また、後々WASMやZKVMなどスマートコントラクトプラットフォームの構築を予定しています。
有望なParachainはどれもそうですが、Mantaも同様に著名なVCから出資を受けています。
W3Fからも1度Grantを受け取り済みです。
Partnerは実際には上記の画像よりもっと多くのプロジェクトと組んでいます。
DeFiに特化したプライバシーParachainは技術的に難しいからか今のところ他にないため、有力Parachainの一角です。
創設チーム(ハーバード大学・MIT・Algoland等の教授や学者、開発者)の開発力が高いために成せるプロジェクトだと思います。
アドバイザーとしてHyperspere・Polychain・元W3F・Consensys等のメンバーも入っています。
2.DeFiが抱えるプライバシーに関する問題
Mantaについて理解するには、まずはDeFiが抱えるプライバシーに関する問題を把握する必要がります。
簡単な例でいえば、Etherscan等のエクスプローラーでトランザクション履歴を調べることで簡単にどのウォレットがどのような活動をしているかがわかってしまいます。
これが特定の個人と結びついていない状態ならまだいいのですが、知人と送金等でやり取りをした場合、ウォレットアドレスから全ての情報を見られてしまうので困りものです。
アナログマネーで銀行から送金したとして誰から送金されたかはわかってもそこまでは分かりませんね?
通常DeFiで用いられるアカウントタイプのウォレット(Ethereum等)ではこれが問題となっています。
しかもブロックチェーンに記録されてしまうので永遠に情報は漏洩しっぱなしです、怖い…。
トランザクションの透明性・検証性とプライバシーは切り離して考える必要があります。
買い物した時のレシートの様に、決済の内容は検証可能であるものの個人の情報までは結びつかないというのが理想の形の一つでしょうか。
Zcashの様に、匿名性を保った取引ができるコインはありますが、DeFiや多様化したトークンに対応することはできません。
MantaではこのようなDeFiにおけるプライバシーの問題を解決するプロダクト・プロトコルを提供します。
3.DAP(Decentralized Anonymous Payment:分散型匿名決済)
DAPはプロトコルとしての名前で、Manta上ではMantaPayとしてDAppがリリースされます。
DAPでは通常のトークンをロックしてプライベートトークンをミントすることが出来ます。
例えば、DOTをDAPを利用することでpDOTという別のトークンに一度変換します。
これはManta上で利用できる特殊なトークンで、このトークンを使った取引内容の詳細が外部から分からないようになっています。
そして取引後、pDOTをDOTに戻せば通常通り使えるようになります。
ホワイトペーパーでは「プライベートコインとベースコインの間で双方向の送金が可能である」と書いているので、ミント→送金→償還を一度に行うことが出来るかもしれませんが、DAppのドキュメントがまだないので実際にどのように使えるかは不明です。
4.DAX(Decentralized Anonymous Exchange:分散型匿名取引所)
DAXはプロトコルとしての名前で、Manta上ではMantaSwapとしてDAppがリリースされます。
DAPを拡張し、ミントしたプライベートトークンをAMM方式のDEXでスワップできるようにします。
副次的な効果として、トランザクションの詳細がわからないようにスワップするためフロントランニングを防止することも出来ます。
簡単そうに見えますが、DAPでミントされたプライベートトークンはUTXO方式で管理されているため通常のAMMは使えません。
その為に専用のプロトコルとしてDAXが使われます。
この他にもDAP・DAXの他にもレンディングやステーブルコインのプロダクトもリリースすることが計画されています。
5.クラウドローンの情報
$MANTAは総供給量が10億枚で、今回のクラウドローンには15.6%が割り当てられています。
そのうちの0.6%はBinanceでの早期ボーナスに割り当てられているので、公式から得られる分は15%です。
全体では38%が3回分のクラウドローン用に確保されているので、割合としてはかなり多い方です。
またKaramariのクラウドローン参加者向けにトークンセールが行われ、そちらでは8000万枚と今回のクラウドローン用の確保された量の半数に当たる量が販売されていて、その分は40日で全量ロック解除なので注意が必要です。
クラウドローン初期の段階では獲得量は固定でしたが、分配型に変更となりました。
リファーラルボーナスが得られる公式クラウドローンページが後から実装されたこともあり、かなり後手に回っている印象です。
Karamariがオークション勝ったばかりな上にMantaのトークンセールとPLOのスケジュールが被ってしまったのもあり大変だったんでしょうね…。
先にPolkadot.js等から参加していてもリファーラルが発行できるのは救いです。
ボーナスは以下です。
・MantaPay流動性イベント参加で、アロケーションの3%を分配した量のトークンを配布
・Manta NFT配布
・Early Bird Bonus +~10%(11/11/21時までの参加で10%、11/11/21時~12/2/21時までの参加で5%)
・リファーラル 紹介者と被紹介者で2.5%ずつ分割(自己リファ不可)・専用NFT配布
※上のリンクにリファーラルは付いてないので周りに発行している方がいらっしゃれば踏むことをおすすめします
6.まとめ
今回はManta Networkの紹介でした。
まだ一般的にはプライバシー系の銘柄はあまり注目されていませんが、今後必ず必要になってくる領域です。
Mantaに限らず、いくつかマークしておくと良いかと思います。
Polakdotエコシステムにおいては、DeFiに特化したプライバシー銘柄で注目を浴びているのは多分Mantaだけなので、特に存在感を持っていると思います。
クラウドローンに参加する、しないに関係なく動向は把握しておく後々役に立つかもしれませんね。
次回はHydraDXについて記事にする予定です。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
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