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PolkadotのParachain、Acalaについて知ろう

【2021/11/3】クラウドローンの情報追記

こんにちは、you425です。

今回からはPolkadotのPLOにそなえてParachainの紹介シリーズをしばらくやりたいと思います。

Polkadotって何?という方はこちらお読みください。

Parachain達は基本スペックは同じで、各プロジェクトがやりたいことに合わせてカスタマイズされているところがポイントです。
なのでこのシリーズでは共通の部分はスルーし、各プロジェクトの特徴について触れていきたいと思います。

今のところはKusamaでのオークションで勝利した順に記事にしていく予定です。

※個人の解釈や感想が強めに出ますのでお気をつけください。


1.Acalaとはどんなプロジェクトか?

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まず基本情報です。

Polkadotでの名称:Acala($ACA)
Kusamaでの名称:Karura($KAR)

KusamaはPolkadotのカナリアチェーンとして作られているため、Polkadotに実装前の機能を先行して実装していきます。
その為、各Parachainもそれに対応したり自分たちも実験的な機能を実装するためにKusama用にParachainを用意することが多いです。

これからPolakdotのPLOに参加するという方は、Kusama用のチェーンがどのようになっているかをチェックするといいでしょう。

AcalaはPolkadotにスマートコントラクト(EVM)を実装するプロジェクトです。

その中でもDeFiに特に焦点を当てていて、自身でもdAppを提供しておりPolkadotエコシステム内でのDeFiハブになることを目指しています。

キャプチャ

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画像の通り、著名なVCからの出資や他の主要なParachainプロジェクトとの協業も多く、Polkadotエコシステム内での重要プロジェクトの一つとなっています。
W3Fからは3回Grantを受け取っています。

また、Parachainプロジェクトで合成資産やデリバティブを扱うLaminar(W3FのGrantを2回受領)やウォレットアプリのPolkawallet(W3FのGrantを1回受領)とメンバーが掛け持ちしているのも面白い点です。


2.アメリカの金融会社との提携

Acalaのポイントとしては、Currentというアメリカのフィンテック会社と提携していることです。

Currentはa16z等、大手のVCから出資を受けて運営されており、カードやアプリを利用した金融システムを提供しています。

Acalaはフィンテック会社と協力することにより、DeFiとCeFiを合わせたHyFi(CeDeFiやDeCeFiと言うこともある)を確立しようとしています。

現実的に考えるとDeFiだけでは入口も出口もないので、適切な規制を受けたCeFiと協力するのは今後必須です。

その点で、Acalaの存在によりPolkadotはCeFiと繋がることが出来るのでユーザビリティが増すことになります。


3.提供プロダクト

先ほど書いた通り、Acalaはスマートコントラクトプラットフォームだけではなく自身でdAppも開発しています。

既にKaruraでは起動しているので、そちらを見てみるといいでしょう。

現段階で提供している機能は以下の通りです。

1.ポートフォリオ
2.ステーブルコインkUSD(Acalaの場合はaUSD)の発行
3.AMM
4.LBP(流動性ブートストラッププール)
5.リキッドステーキング

流動性ブートストラッププール
流動性提供開始時に大体のプロジェクトはユーザーからLPの提供を求めると思います。
その際にスタート段階では流動性が低いためボラティリティが多くなりがちでILが発生しやすくなりますが、その前にプレセール等の購入者からLPを組まずに流動性を提供してもらうことができます。

例えば、1枚100ドルのAトークンを100枚とkUSDを10000枚のプールを作りたいとします。
その時流動性提供者はAだけでもいいしkUSDだけでもいいので提供することが出来ます。
各プールの条件(時間や上限)が満たされた後、提供した流動性のシェアに応じてLPトークンが渡され、AMMでの流動性提供が始まります。
リキッドステーキング
PoS系のブロックチェーンでは、ステーキングしてもらうことでチェーンのセキュリティを担保することが出来ます。
これは、各バリデーターのステーキング量=ブロックへの合意投票力になるためです。(PolkadotのNPoSは少し違いますが今回は割愛)

しかし、多くの場合バリデーターにステーキングするよりDeFi等で運用した方が利率がいいためステーキング量が減りセキュリティ能力が落ちやすいという問題を抱えています。

これを解決するための手段がリキッドステーキングです。

リキッドステーキングではdApp越しにバリデーターにステーキングすることにより、合成資産(Karuraの場合はKSMをステーキングしてLKSM)を受け取ることが出来ます。

LKSMはAMMでKSMにスワップすることが出来るので、ステーキングしている間もDeFi運用がすることが出来るため金利の2重取りが出来るようになります。


4.Liquid Crowdloan

更にAcalaのクラウドローンではLiquid Crowdloan機能が追加されます。

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クラウドローン参加中、提供した$DOTは96週間ロックされてしまいます。

ところがLiquid Crowdloanを使うことにより$lcDOTという合成資産を受け取れます。

ユーザーはこのトークンを担保として$aUSDをミントしたり、$DOTとスワップして他に利用したりできるためロックした資金の流動性を開放することが出来ます。

実際何かに運用すると$DOTにレバレッジかけてることと同じになりますが、$lcDOTと$DOTの流動性マイニングがほぼ確実にくるのでそこにぶち込んでおけば特にリスクなく金利を受け取れるでしょう。

また、この機能は今後他のパートナープロジェクトがPLOに参加する際に解放する予定です。

あくまでパートナーだけなので全てをサポートするわけではありませんが、参加しようと思っているプロジェクトがLiquid Crowdloanのサポートを受ける場合は利用するのも手だと思います。


5.クラウドローンの情報

基本情報はこちら。

キャプチャ

クラウドローンでの配布分がLiquidity Programと一緒になっているので具体的な数字は不明です。
まだ詳細は出ていないので待ちの状態です。

ちなみにKaruraの時は1KSMで最低22KARだったので、似たような利率になると予測されます。(なりませんでした、後述)

Acalaでは条件を満たすことでボーナスを受け取れます。

事前登録で7%ボーナス。
Earn More With Questsで1と2をクリアでクラウドローン開始時にリファラーコードを取得。
自身で踏むことで10%、踏んでもらうことで5%ボーナス。
Earn More With Questsで1~5全て完了で2%ボーナスとNFT取得。
・そのほか追加の可能性有

リファラーのボーナスがあるので、拡散力に自信がある方は腕の見せ所です。

注意事項としては、Acalaはプリセールで一般ユーザーに6100万ドル分の$ACAを販売しています

5月と9月にセールが行われたのですが、5月分はプロジェクト起動後アンロック(つまりロック無し)、9月分は起動後3か月後に全ロック解除です。

クラウドローン参加者が受け取る報酬は、Karuraの場合は起動時に30%解除、残りは48週間かけて配布だったため、おそらく似たような感じになると思います。
Acalaの場合は96週間かけてロック解除の可能性もあります。

つまり、全量ロック解除までに大きな売り圧が発生する可能性があることは留意する必要があります。

とはいえロックした$DOTは返ってきますし、$DOTの暴落がなければマイナスになることはないでしょう。

【追記】詳細でました。

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15%+ボーナス2%がクラウドローンのトークンアロケーションです。

・1億7千万枚がクラウドローンで配布
・リース期間は96週間
・ネットワークの起動時に100%配布、そのうち80%はロックで96週間かけてロック解除
・報酬の量は山分け形式
(Your DOT Contribution / Total DOT Contributed to Acala) * 170,000,000 ACA
・VIPボーナス追加 貢献量TOP100にしか適応されないので割愛…
・lcDOTで参加時はParachain起動後全量配布

6.まとめ

ということで今回はAcalaの紹介でした。

Kusama用ネットワークであるKaruraは50万KSMを集めてぶっちぎりで勝利しているため、おそらくPolkadotでも同様に1番に勝利すると予想しています。

事前にかなり資金を集めているため、その分クラウドローンへの一般の参加者は減ってそうなので、それはそれでチャンスかもしれません(報酬は参加者で分け合う)。

プリセールでのトークンに関してこそ懸念がある物の、プロジェクトとしては重要なのでクラウドローンに参加しないにしろ抑えておいた方が良いプロジェクトです。

Kusamaを見る限りではEVMのプラットフォームとして使われているのはほぼMoonriverですが、ParachainレベルでdAppを開発しているので高機能かつ柔軟に開発されているのは強みです。

次回はMoonbeamの紹介をしたいと思います。
それではお付き合い頂きありがとうございました。

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