傷跡が美しさ。"金継ぎ"の奥深さにふれる
先日、大学の友人にお誘いしてもらって、"金継ぎ"のワークショップに参加してきました。
場所は、都立大学駅近くのMakers' Base。
Makers' Baseのワークショップ自体、初めての参加だったのですが、いろんな種類のワークショップがあって、「これもやってみたい!」が尽きない充実ぶり。
👇見始めると止まらないワークショップ一覧
"金継ぎ"とはなんぞや
"金継ぎ"って聞いてことはあるし、なんとなく存在はわかるけど、今まで接する機会がなかったので、「そもそもなんだ?」と思い、調べてみました。
【金継ぎ - きんつぎ】
「漆うるし(の木の樹液)」を使って壊れた器を修理する日本独自の古来からの伝統技法です。
表面塗装に「金粉(または他の金属粉)」を使った装飾をおこないます。
引用:https://hatoya-f.com/real-kintsugi/for-kintsugi-beginner/
漆…。
お椀とかのイメージだけどなぁなんて漠然したイメージを持っていた漆。
実は、「強力な接着剤」にもなるらしいのです。
しかも、漆を使って修復した縄文土器が発見されているようです!縄文時代から漆の接着剤としての性質を活用していたなんて、すごいですよね。
傷跡を"あえて"美しく目立たせる日本の美的センス
「漆を使った修理」自体は、縄文時代からあったらしいことが確認されているのですが、「漆を使い、金で装飾して仕上げる修理」が確立されたのは室町時代のことのようです。
それまで実用的な修復技法だったものが室町時代にはいり、芸術的な価値が見いだされた、という点はすごく面白いところですよね。
破損してしまった器を直そうと思ったら、できるだけ破損したことがわからないように直したいと思いませんか?
その傷跡をなかったことにしたい…と思うことが多いような気がするのですが、そこを"あえて"金で装飾して目立たせて美しく仕上げるという美的センスを確立した日本文化。すばらしいですよね〜。
もう少し、金継ぎが生まれた背景について調べてみたところ、諸説あるらしいのですが、千利休が大成した「茶の湯」と深く関わっているようです。
千利休が大成した「茶の湯」は、当時の大名や大商人など富をもった権力者たちの高尚な文化。「茶道具」は富と権力の象徴でもあるわけです。
時には、褒賞としてもらう茶道具もあったということなので、その茶道具は破損しても使い続けたい…という思いは強くあったことでしょう。
とはいえ、破損したまま使うのも危ないし、そもそも真っ二つに割れちゃったりなんかしたら、もう使えないですよね。
そこで、ただ修復で終わるのではなく、そこに価値を足す。
"美しさ"を追加する遊び心
今回、初めて金継ぎを体験してみて、そして金継ぎについて調べてみて、
"傷跡"という消したいものを、あえて目立たせて、それを美しいとみなす、という日本独特の文化について学ぶことができました。
"直す"という最短のゴール設定ではなく、"美しさ"を追加する遊び心。
それが"豊かさ"をはぐくんでくれるのかもしれないですね。
また機会があれば、金継ぎいってみようと思います。
調べたら、ハンズとかに自宅で体験するキットなんかも売っているみたいなので、今度はそれ使ってみるのもアリかもしれないですね。
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