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マスクを着用すると感染リスクが増えるという話その1

Twitterで多数紹介してきたが、マスクを着用することで感染リスクが増大するという理論をここでまとめてみようと思う。

1.マスクを着用すると呼吸が「深く」なり、呼吸回数が増える。これはマスクをすると息苦しくなり、酸素を確保しようとする無意識で行われる自然の動作なので当然だ。呼吸が深くなるとウィルスは肺の奥に到達しやすくなる。

(1)イタリアの医師Alberto Donzelli氏によると、マスクを着用すると、再吸入されたウィルスが肺の奥に押し込まれてしまう。大量のウィルスが肺胞に達すると、高炎症を発生させ、病症を悪化させ、結果としてウィルスに感染しやすくなる。

(2)医学雑誌BMJの記事によると、

マスクを着用すると呼吸しにくくなるだけでなく、呼吸する度に吐いた二酸化炭素が部分的に再吸入される。

これにより、呼吸回数が増加し、「深い」呼吸になるため、ウイルスが肺の内部に押し込まれ、感染者の病症が悪化する可能性がある。

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なお、このBMJの記事では、

・マスクをすると吐いた息が目に入って、汚染された手で目を触るようになり、感染しやすくなる
・息で湿ったマスクによりウィルスの活動が長期化し、ウィルスの再吸入により、感染しやすくなる
等のリスクも指摘されている。

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2.マスクはエアロゾルの発生源となる。マスクを着用すると、マスクが湿る。人間の吐く息には湿気が含まれ、その湿気でマスクが湿るのは当然のことだ。問題はその後、マスクがエアロゾルを発生させるということ。この原理は、研究者Kevin McKernanさんがまとめてくれている。

Kevin McKernan さんは、"Nebulization"という技術に精通した専門家だ。そこで、まずは "Nebulization"という技術用語の理解だ。 "Nebulization"は大きな粒径の飛沫を小さな粒径の飛沫(エアロゾル)に変化させることである。日本語に適切な用語があるか分からないのだが、「噴霧現象」と自分は理解している。

この"Nebulization"技術は、ウィルスの感染性を高めるために使用されている。

例えば、この技術は、緑膿菌感染症を患った人工呼吸器を利用している患者さんに使われている。バクテリオファージをネブライザーで肺の奥まで入れて、細菌を殺すのだ。

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小さな粒径のエアロゾルが肺の奥(肺胞)に到達すれば感染性が飛躍的に高まることはこの分野では常識らしい。

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投薬を行うときも、肺の奥にエアロゾルを送り込むことによって効果的に身体への取り込みが行われる。


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Kevin McKernan さんによると、"Nebulization"の現象はマスクによっても発生する。マスクを着用することにより、大きな飛沫の粒子が小さな粒子にエアロゾル化してしまうのだ。

エアロゾルを発生させるのに最適な方法は、微細な孔部を有する膜の一方の側から他方の側に通過させることなのだ。マスクがこの膜の役割を果たすことは言うまでもない。

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この原理は仮説でもなんでもなく、研究によって証明されている。




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残念ながらマスクはエアロゾルの発生装置としての役割を果たしてしまうようだね。

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また、Kevin McKernan さんによると、たとえマスクによって勢いのある飛沫を90%防いだとしても、その飛沫がマスクを湿らせて、10%でも5µm未満の粒径のエアロゾル粒子となってしまえば、感染性は10倍高まるとのことだ。

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またドイツの研究者の分析によると、米国のカンザス州において、マスク着用を義務化した郡では、対照群であるマスク着用を義務化していない郡と比較して、死亡リスク(CFR致死率)が11倍と、大幅に増加し、また感染率が約1.1倍と、若干増加していることが判明した。研究者は、その理由を

風や咳で運ばれる飛沫中のウィルス粒子がマスク内に滞留

飛沫が(急速に)蒸発すると、息を吸い込んだ際に至近距離から高純度のウィルス粒子が再吸入される現象(foegen効果)が発生

と説明している。

当然のことながら、ウィルス量が多いと感染した場合の症状は重くなる。マスクを着用していると、純度の高いウィルスの小さな粒子が発生し、肺の奥に到達してしまうということのようだ。


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https://docs.google.com/viewerng/viewer?url=https://reitschuster.de/wp-content/uploads/2020/12/Facemasks-and-SARS-CoV-2-case-fatality-rate.pdf&hl=en

これらの理論は、オーストリアの研究者も認めているよ。世界各国の研究者の知見が積み重なりマスク着用で死亡リスクが11倍にまで上昇する原因が解明されてきた

・マスクに付着した多量の飛沫が蒸発してエアロゾル化すると高純度のウィルスの小さな粒子となる
・飛沫であれば上気道までしか到達しないが、小さな粒子は肺の奥、肺胞まで到達可能なのだ


3.マスクによってエアロゾルが発生することが分かったのだが、エアロゾルによって感染した患者は、飛沫によって感染した患者よりもコロナの症状が重いということが重要だ。

米国のAli Nouri博士がこの点をまとめた。

エアロゾル中のウィルスを吸入して感染した場合、汚染物からの感染よりも重症になる可能性がある。

これを検証するために、ハムスターを使った実験では、ハムスターを別々の経路で感染させた。
赤:経鼻投与
紫:汚染物
青:エアロゾル

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実験によると、経鼻投与、エアロゾルで感染したハムスターの方が汚染物によって感染したハムスターよりも病症が重く、ハムスターの体重の低下が観察された。汚染物からの感染は軽症となった。

黒線は、対照群を示す。

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また、経鼻投与でウィルスに曝露にされたハムスターよりもエアロゾルを介してウィルスに曝露されたハムスターの方が気管・肺に堆積したウィルス量が多かった。

要するにエアロゾルを介して感染した方が肺の奥にウィルスが到達しやすく、病症が悪化しやすいということだね

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これは人間でも同じ。大きな粒子サイズのエアロゾルは上咽頭、鼻、および肺の気管気管支領域に沈着し、中程度の粒子サイズのエアロゾルは、小さな気道にさらに沈着する。小さな粒子サイズになったエアロゾルは、肺胞にまで到達する

飛沫の粒子サイズを小さく変化させる役目をマスクは果たしてしまう

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飛沫のようにウイルスが鼻腔に当たってから、肺に侵入する感染の態様とは異なり、エアロゾルは肺胞領域に直接到達し、肺胞が潰れることを防ぐための肺サーファクタントを産生する肺胞細胞を攻撃する。

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肺胞細胞が喪失すると、肺胞が不安定になり、肺内での液貯留や呼吸不全、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を引き起こす。 ARDSは、好中球とサイトカインの過剰な免疫反応を通じて、肺胞をさらに損傷させ、病症を悪化させてしまう。

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英国のRobin Monottiさんもこの点を指摘している。

マスクを通じて呼吸すると、"nebulization effect(噴霧効果)"が高まる

マスクを通じて呼吸すると、大きな粒子サイズのエアロゾルは小さな粒子サイズのエアロゾルになる。小さな粒子サイズのエアロゾルは、粘膜免疫をバイパスしてより深く、肺の肺胞に到達する。

研究によると、

「マスクを通して話をすると、マスクによっては大きな飛沫を多数の小さな飛沫にしてしまうものがある。小さな飛沫は大きな飛沫よりも長時間空気中に滞留するため、マスクは逆効果となる」

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4.マスク上でのウィルスの残存期間は「7日間」もある。つまり、マスクを長時間使っていれば、その日はずっとその湿ったマスクの中にウィルスが生き残ってしまうということだね。空気中だと3時間でウィルスが死滅してしまうのに、わざわざウィルスを延命させているようなものだ。

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・「マスクはウィルスを殺さない」

湿ったマスクの中で死滅することがないウィルスはエアロゾルの小さな粒子に沢山含まれている。そのウィルスの小さな粒子は、肺の奥(肺胞)に到達するので感染性が飛躍的に高まってしまうのだ。


5.総括

マスクの着用を義務化した国、地域では、マスクの着用を義務化していない場合と比べて、明らかに感染者が多いことが判明している。例えば、米国のフロリダでは、マスクの着用の義務化を続けている郡の方が明確に感染者が多くなっている。

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なぜマスクの着用率が高い州では感染者が多くなっているのか?このことは単なる偶然でななく、理論上でも説明がつき、研究でも分かっていることなんだ。

Ben Smithさんがこのことをまとめてくれた。

「マスクは飛沫を捕集するが、飛沫を空気中に長時間滞留可能なエアロゾルに変化させる。

エアロゾルは空気中に長時間滞留し、その粒子を吸い込むと肺に到達しやすくなる。

マスクを義務化した国よりも義務化していない国の方が感染者が少ない。我々は正しいことをするべきだ。」


































いつも読んでいただき、ありがとうございます。なんとか続けていければと思っています。