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「誠実なクズ」としてのポリアモリー

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お互い合意の上で複数の人と同時に恋人的な関係を持つ「ポリアモリー」をパワポを使って紐解いています。
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#マーケティング

関係性の名前を重視すると、自分の感情を押し殺すことになる。

社会には関係性の名前が沢山ある。 「関係性の名前を5つ挙げてください」 と言われたら、思い浮かぶのはこの辺りだろうか。 ・家族 ・恋人 ・友達 ・同僚 ・仲間 などを連想するのが一般的だろう。 「名前がある」ということは、それぞれ「意味がある」ということだ。 では、以下の①〜⑥を全て違う言葉で書き分けることができるだろうか。 1つ1つを埋めることはできても、全てを書き分けるとなると意外と難しいのではないだろうか。 では、逆に全てに共通する言葉だったらどうだろう

婚活に合コンはもういらないけど、結婚後に合コン経験は役に立つと思う。

結婚のきっかけとして「マッチングアプリ」が1位に躍り出た。 とある調査によると、結婚相手と出会ったきっかけのランキングは以下の通り。 同調査によると、2016年に結婚した夫婦では「マッチングアプリがきっかけだった」との回答は0%だったようで、この数年で劇的な変化だ。 マッチングアプリのことを「出会い系サイト」と呼ぶ人はもう見かけない。 では反対に、この数年間で減っていった結婚のきっかけ。 それが「合コン」であることは想像に容易い。 事実、検索ワードのボリュームで比較

ポリアモリーをやってみたら、自分のロジックが壮大に崩壊した話。

あなたはポリアモリーという概念を知っているだろうか。 1990代のアメリカで広まった概念で、それを牽引したデポラ・アナポールという学者が書いた「ポリアモリー -恋愛革命-」は、2004年に日本語版が発売されるも即完売。現在は中古でもかなりの高額で取引されている。 そんなポリアモリーとは、 ・複数の人と ・同時に ・性愛関係を築く ・ライフスタイル のこと。 前述の書籍には「出版社からのコメント」として、こんな文章が添えられている。 昨今ビジネスの世界で頻繁に叫ばれ

これからの人間関係は「目的ありき」になっていく。

かれこれ15年、本業は若者研究をしている。 別に今流行りのZ世代にだけ注目しているわけではなく、その前のミレニアル世代だったり、ゆとり世代も研究していた。 若者を定点観測していると「少し先の未来」が見えてくる。それが研究の目的だ。 いわゆる定量調査(アンケート)や定性調査(インタビュー)もするが、ちょっとユニークな研究手法の1つに未来予測レポートというものがある。 このレポートはツギクルレポートと呼ばれ、 ・自分の身の回りで起こっている事象から ・少し先の未来では

不動産契約のダイバーシティ。

友人が珍しく悩んでいた。 原因はシェアハウスだ。 と言っても、友人はシェアハウスに住んでいるわけではない。 シェアハウスの経営をはじめたのだ。 悩みの種は、とある契約書だった。 友人はシェアハウスの入居者を募集するため、募集サービスや、他のシェアハウスグループとの提携を模索していた。 しかし、その一企業から提示された契約書にある「とある項目」が引っかかった。 その内容とは というものだ。 一見すると「何が引っかかるんだろう」と思ってしまうこの項目。 僕も最初は

婚前契約とは、「2人だけの結婚」で結ばれること。

「そろそろ結婚しようかなぁ」 そうつぶやく友人に必ず勧めていることがある。 それが「婚前契約」だ。 婚前契約とは、結婚前の2人が結婚後の生活や、離婚の条件などを事前に決めておく契約のこと。 欧米では浸透しているこの習慣だが、日本で婚前契約を結ぶカップルはまだ5%に満たないと言われている。 結婚も離婚も経験した僕は、この婚前契約こそ ・結婚を増やして ・離婚を減らす その突破口になると考えているので、その理由を例によってパワポで解説してみる。 今日はそんな話。

ポリアモリーを知らない人は多いけど、ポリアモリーに関係がない人はいないと思う。

あなたは「ポリアモリー」という言葉を知っているだろうか。 とある調査では、その認知率は5%程度。 ほとんどの人が知らないこの言葉は「合意を得た上で、複数の人と同時に恋人関係を持つライフスタイル」のこと。1990年代のアメリカで生まれ、日本ではこの数年で徐々に拡がりを見せている。 そんなポリアモリーや日本の恋愛観・結婚観について、今一度考え直してみよう。という「ポリアモリーウィーク」なるイベントが先日、日本で初開催され、僕はオープニングアクトを担当した。 今日はその内容

もしも結婚が3パターンから選べたら。

昨年の暮れ、選択的夫婦別姓の議論に急ブレーキがかかった。 これまでの夫婦のかたちを変えることに対する抵抗は、依然として根強い。 結婚とはこうあるべき。 夫婦とはこうあるべき。 私たちはいつも、1つの理想を基準に考えようとする。そして理想から外れたかたちを「どこまで許容するか」と議論をする。 じゃあもし、理想の形が3つあったらどうだろう。結婚の形が、3つあったらどうだろう。 そんな妄想をしながら、これからの夫婦やパートナーシップについて考えてみた。 今日はそんな話。

今のビジネスは男性的で艶がない。

あなたはこの業績を見て、どちらの会社に魅力を感じるだろうか? A社は常に前年の売り上げを超え、順調に成長し続けている企業。B社は調子が良かったり悪かったり、揺らぎがある企業。 いい企業とは、安定して成長し続ける企業。 企業なら、前年超えを目指すのは当たり前。 そんなビジネスの常識からすれば「魅力的な企業」は圧倒的にA社ということになる。 そんな常識に、小さなスーパーマーケットが挑んだことを、覚えているだろうか。 常に前年超えを求められ、大量廃棄もやむなしとされていた

おじさんと、おばさんを悩ませる「セルフスティグマ」とは?

「僕なんか、もうおじさんだから」 そんな前置きをして、話し出すことが増えた。 若者研究を仕事にしている関係で、20代と話すことが多い。 研究を始めたのは10年前。僕は27歳だった。今は37歳。研究対象は変わらず20代だが、僕は歳をとっていく。 若者からしたら、37歳はさすがに「おじさん」だろう。 いつしか若者と話す時は、いささか自分を卑下して「おじさんの意見なんだけど」と、前置きをするのが癖になっていた。 そして最近、今の自分にぴったりの言葉を知った。 「セルフ

「肩書きなんかクソだ!」という肩書きに支配されたクソみたいな話。

僕が連載する日経COMEMOの紹介文には、こんなことが書いてある。 様々な分野から厳選した新しい時代のリーダーたちが、社会に思うこと、専門領域の知見などを投稿するサービスです。 僕はそんな日経COMEMOのキーオピニオンリーダーという偉そうな立場でブログを書かせてもらっている。 この立場に就くきっかけは、それまでnoteでポリアモリーに関する発信を続けてきたことだった。 ポリアモリーとは、合意を得た上で複数の人と同時に、恋人的な関係を持つ恋愛スタイル。僕がこれまでポ