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#2 コンドームクリーム入りカルボナーラ

この前、無性にカルボナーラが作りたくなって、近所の食品スーパーに生クリームと厚切りベーコンを買いに行きました。スーパーに入って、生クリームを探していると、それらしいものを3つ発見したのですが、カゴに入れることができない。

3つとも「生クリーム」ではなく「ホイップ」とかいてあるんです。
しかも、そのうちの1つは「ホイップ(生クリーム入り)」とかかれている。

え、生クリーム入りと書いてあるということは、ホイップってのは生クリームじゃないの。
そもそもホイップとは、何者なの。

料理が得意な主婦は、ぼくと同じ疑問をもったとしても、何者かもわからない「ホイップ」をひょいっとカゴに入れて、さっさとお肉コーナーに行くのでしょう。

でもね、料理が得意でない主夫は、レシピに生クリームと書かれていたら、生クリームを入れないといけないんです(共感してくれた主夫のみなさん、ありがとうございます)。

ぼくは、生クリームらしいものが入ったパックを持って、上から、下から、右からとジロジロ観察をしました。まるで小さな妖精を捕まえた人のように、ジロジロと。
料理が得意そうが主婦は、ホイップをぐるぐる回して見ているぼくを一瞥して、去っていく。

このままではいけないと思い、近くで同僚とおしゃべりをしていた店員のおばさんを捕まえ、生クリームの場所を尋ねると、やはり、さきほどの「ホイップ」のところへ案内されました。

スーパーの店員さんがこれを生クリームと言うんじゃしょうがない。一つ買いましょう。ということでそのままレジをすませ、家に帰ってせっせとカルボナーラを作りました。もちろん、「ホイップ」とかかれたクリームを入れてね。


気になったので、ネットで「生クリーム ホイップ 違い」と調べてみたところ、正体がわかりました。

一般的に生クリームとは、動物性脂肪のみを原料としたクリームを指す。ほかのものが入っていると(何だ、ほかのものって)、生クリームとは呼べない。一方で、ホイップとかかれたものは、植物性脂肪が少しでも入っているクリームを指す。

これ、シャンパンとスパークリングワインの違いと似てますね。シャンパンもシャンパン地方で作られたものしかシャンパンと認めず、他の地方で作られたものはスパークリングワインと呼ぶ。ようやくお酒が登場するエッセイになりました。

いや、それでは納得できない。

もともと裸眼なんて言葉はなかったのに、メガネができたことで裸眼という言葉が生まれた。
もともと全身浴なんて言葉はなかったのに、半身浴ができたことで全身浴なんて言葉が生まれた。(このネタ、昨年のMー1から拝借してます)

これと同じように、もともと動物性脂肪の「生クリーム」しか売っていなかったけれど、あるときから植物性脂肪でも作れることになり、差別化をはかるために「ホイップ」なんて名前で呼んだ。

リスナーのみなさんは、納得できましたか?


ぼくは納得できません。


それなら、ホイップクリームは生クリームを使わず、植物性脂肪の「ホイップ」を使わないといけないのに、そこは生クリームでも許されている。

だからホイップなんて呼び方をやめればいいんです。

裸眼や全身浴みたいに、対になる言葉を商品名に使えばいい。


生(ナマ)の対になる言葉。


そう。


コンドームしかありません。


コンドームクリームという商品名にすれば、「あぁこれは生クリームじゃないんだな。じゃあ、1個買ってくか」なんてことになるんです。


だから、この前ぼくが作ったカルボナーラは、コンドームクリーム入りカルボナーラとなるわけです。

みなさん、ぼくとランチにコンドームクリーム入りカルボナーラでもどうですか。

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