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爆速シルバーカー/Ep1『噂の自己成熟』

この物語はフィクションです。
そしてただ思いついたことを適当に物語にしているので全く深くないです。
一応ホラーだと思って書いてます。


 『靴紐が解けた』
そんな気がして下を見ると、本当に靴紐が解けていた。しかも両足とも。
「そんなことある?奇跡じゃん」
思わず声に出してしまった。そんな俺の声は前を歩く2人の友達には届かず、2人は談笑しながら人波の中に入っていってしまった。
「まずい置いてかれた」
俺は急いで靴紐を結ぶために屈み、もう二度と靴紐が解けないよう、まるで亀甲縛りのように靴紐をギッチギチに結んだ。(その後、その靴の本来の姿を見ることができた者は現れなかったと言う。)
『さあ2人に追いつこう』
そう思い立ち上がった時だった。その噂が聞こえたのは。

『爆速シルバーカーって知ってる?』

今思えば、あの時無理に亀甲縛りのをせずに、直ぐに蝶々結びをして2人を探しに行けば良かったのかもしれない。まさかその噂を聞いたことが俺の人生を359°ひっくり返すことになるとは、この時の俺は知るよしも無かった。(ほぼ一周してるやんって言うツッコミは無しだ)

「爆速シルバーカー?」
2人の女子高生が話を進める。
「そう!なんか夜中の0時から2時にかけて出現するらしくて、紫色のシルバーカーを押したお婆ちゃんが自転車くらいのスピードで走ってるんだって!」
『言うほど爆速か?......ま、まあ結構速いか』
俺は興味が湧いて少し聞き入ってしまった。
「えーなにそれ。どーせそこら辺のつまらない男共か、シルバーカー専門店の回しもんが考えた噂話でしょ。(携帯ポチポチ)」
「違うよ!だってこの辺にシルバーカー専門店なんてないもん!」
『そこじゃねえだろ。てかどの辺にもシルバーカー専門店はねぇよ。』
思わずそうツッコミそうになったがなんとか留めた。
「それになんか爆速シルバーカーって語呂もいいし、なんかカワイくない??!!」
真面目に聞き入ってしまった俺がバカだった。
所詮女子高生達のくだらない話。俺には全く関係がない。むしろ女子高生達の話の中に無許可で入ってしまっている俺は性犯罪者と言っても過言ではない。いや過言だ。
『早く帰って、録画しておいた「ヒルナンデスケド」みよっと。』
俺を置き去りにした2人を群衆の先に見つけた俺は、何事もなかったかのように2人の元へ向かった。


その後ろ姿を“2人の女子高生”は見ていた。

川の流れを妨げる大きな岩のように、人の流れの中に佇んでいる。

“それ”は、真っ黒な眼が歪むほど満面の笑みでただこう言い続けている。


「たすけて」




続く!

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