好きなことではないけど、好きな場所
すごくいい本に出会った。
『生き延びるための事務』
漫画形式で進んでいく、いわゆる自己啓発本に分類される本だと思うのだけど、今まで読んできたどの自己啓発本よりも良かった。
自己啓発本というのは、
「引き寄せの法則!」とか「思考は現実化する!」とか、
すごくモチベーションは高めてくれるのだけど、
意外と抽象的で、少し時間が経つと熱が消えてしまうというものが多いが、
この本は、
具体的に今すぐ取り組めるアクションと考え方を書いてくれていて、
すごくいいと思った。
将来の夢がどう叶うか、ということを教えてくれるのではなく、
「将来、夢が叶った時の現実の自分は、どのように過ごしているか」
を描く方法を教えてくれていて、
すごく良かった。
会社の人にも強烈におすすめしたら、朝に紹介したのに、昼休みに買ってくれていた。笑
で、ここからはこの本を読んで感じたり、考えたことで、
ほとんど本とは関係ない話になるのだけど、
「やりたいことだけをやってね」「好きなこと以外はやらないでね」
という教えがこの本には出てくる。
このテーマについては、わりと常日頃から考えているのだけど、
あらためて少し考えてみたところ、
自分の今の毎日はそんなに悪くないなと思って、
それに少し驚いた。
主な収入源となっている「会社員」としての仕事は不動産屋で、
業務内容としては、部署がコロコロ変わるので(笑)、固定ではないのだけれど、
賃貸の仲介営業マンとしてお客さんの部屋を探したりとか、
宣伝のためのSNSを運用したりとか、
部屋の写真を撮りに行ったりとか、
会社で支給しているお弁当の新しい取引先を探したりとか、
色々とやっている。
ただ、根本として自分は、
音楽だったり、写真や映像というものを作るのが好きだし、
エロや政治も好きだったりする。
だけど、1年ほど前に確信したのは、
音楽だけをやりたいわけではないということで、
むしろ色んなことをやっていきたいということだった。
その中(つまり、やりたいとか好きというもの)に、
不動産の仕事というものが含まれるか?
と言われると、多分含まれない。
じゃあ、本の中で書かれている
「やりたいことだけやってね」「好きなこと以外はやらないでね」
と言われて、
お金のことは置いておいたとして、
「今の仕事をやりたくないか?」と言われると「No」だったりする。
これはどういうことだ・・・?
と考えてみると、
多分、今いる会社がとにかく好きというか、楽しいのだと思う。
結構クセの強い人も多いし、
100人規模の会社だから、トップの意向が強く反映されたりする部分も多いけれど、
パーセンテージで言うと、わりと多めに「好き」「楽しい」が比率を占めている。
だから、
「やりたいこと」とは違うかもしれないけど、
いたい場所ではあるのだろうな、と思う。
そんな気持ちになるんだなと、本当に不思議だけど、
好きなことを一通りやって、それで食えてた時期もあって、
自分の適性や可能性も見えてきた今だからこそ、
そう思えるんだろうな、と思う。
人生、やっぱり無駄なことはないな、と。
30代のうち、つまり40代になるまでに、
”死ぬほど”働いたり、生きた方がいいというある人からの言葉が、
今の自分にはすごく重要な指針になっているけれど、
それも、そう考える要因のひとつになっているかもな。
好きなことだけ、好きな場所にだけ、これからもいるようにしたいと思う。