昭和の思い出 〜 家電その弍

子供の頃一番衝撃を受けた家電は電子レンジだった。なぜならスイッチを入れさえすればドラえもんのごとく自動的にお料理が出て来ると勝手に思いこんでいたからだ。実はそうではないと知った時はかなりがっかりしたのを覚えている。

発売当初の電子レンジはとても高級品で、当時の例にもれず重くてやたら大きかった。電子レンジのある家イコール裕福な家、というイメージさえあったものだ。
さてそんな電子レンジがいよいよ我が家に来た日、家族で試しに何か作ろう、ということになり、生卵を入れてチンしたところ、見事にレンジの中で爆発してしまった。ゆで卵が出来るはずだったのに。これは当時のあるあるだ。

電子レンジが出来て、世のお母さん達はずいぶん気軽に外出出来るようになったのではないだろうか。ある時母が、昔は主婦が食事時に留守をする時は、残った家族はお蕎麦屋さんかお寿司屋さんから出前をとる(てんやもの、と呼びましたね)しかなかったのに、今はチンすれば普通のごはんが食べれるようになったからいいわね、と言ったことがある。確かにその通りだ。

それに料理の出来ない人でも、チンすることさえ出来れば今の日本なら基本的に食べることには困らない。苦労せず温かいごはんが食べれるって、すごく幸せなことだ。昨今単身者が増えたのも、ある程度この影響があるのかもしれない。単なる家電が私達の生活スタイルを大きく変えるって、改めてすごいことだなあと感嘆の思いである。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?