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美術展レポ「世界をとりとめる」

横浜市民ギャラリーで開催されている「新・今日の作家展2022 世界をとりとめる」を見に行きました。

横浜市民ギャラリー入口

「世界をとりとめる」というタイトルの付いている企画展です。戦争、パンデミック、気候変動、それらの世界的危機を阻止したいという意味かな?と私は思ったんですが、パンフレットには哲学的な言葉が並んでいて、私の先走った想像はテレビニュースに染まっているのだなと思いました。

出品者は3人ですが、もう10年くらい前になるのか、神保町のギャラリー福果(今はない画廊)で個展を見てからファンになりそれ以来DM案内を送っていただけるようになったのと、私の地元横浜で個展を開かれることが多かった小林達也さんの作品を見て感じたことを書こうと思います。今回会場で小林さんに会えたのでお話しを伺うこともできました。

会場入口の小林さんの文章
小林達也さんの作品群

遠景なら写真を撮っていいということだったので引きの写真です。

小林さんはカゼインテンペラという絵の具を主に使っています。濁りのない発色、マットな質感です。豊かな色彩で近年は筆致がだんだん大胆になってきていると思います。

どの作品も共通する色彩感覚ですが一枚一枚違う表情をしています。タイトルも一つずつ違います。

会場に小林さんがいらしたのでお話しを伺いました。描くときは同時進行で複数の作品に手を入れていきますか?と聞いたら、絵それぞれに進行する流れがあるので、同時進行で描くと一つの絵のその流れを別の絵に反映できるから同時進行で描いているということを聞けました。

また刷毛を使って描くだけでなく、腕で描いたり大きな布を使ってみたりしているとのことでした。

ほかにもいろいろ伺ったのですが小林さんの言葉が魅力的なので、私の力では再現できません。

小林達也さんの作品、大きい

私には「世界をとりとめる」という言葉と小林さんの表現が3人の中で一番マッチしていると思いました。小林さんの作品の画題でもおかしくないと思いました。色彩はただそこにあるだけですがとても力強かったです。

とても良い企画展でした。来年もあるならまた来たいと思いました。

秋晴れの西日

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