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「中村洋太さんは、変な人だ。」

昨日のスタバ朝活に来てくれたライターの遠藤光太さんが、先ほど「中村洋太さんは、変な人だ。」から始まる長文をXに投稿をしてくれました。

素晴らしい投稿でしたので、遠藤さんの許可を得ずに、以下に全文を掲載させていただきます(得ろよ)。

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中村洋太さんは、変な人だ。

毎日、開店時間の朝7時から近所のスタバに入り浸っている。

迷惑ではないのだろうか。

毎日いるから店員さんとは仲良くなっていて、本を貸したり、相談に乗ったりしている。だから大丈夫なのかもしれないし、あるいはそうでないのかもしれない。

そのスタバで何をしているのか。

収入を得るという意味での「仕事」はほとんどしていない(なお、スタバにいない時間にもしていない)。

最近は、熱心に読書をしている。それから、「スタバ朝活」と題し、希望者を招いて1時間ほど会話をして、その記録をまたスタバで書き、Xに長文で投稿する活動をしている。

引用元のポストは、おれが昨日スタバ朝活に参加したときに中村さんが書いてくれた文章だ。

参加者からお金を取っているわけではない。Xに投稿する文章にも報酬は発生しない。なのに、なぜかやっている。

中村さんは、貯金残高をこっそり教えてくれた。なかなか驚いた。その貯金を切り崩してまで、スタバ朝活をしている。もはや狂気。

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おれも中村さんにお金は払っていない。しかしおれもライターだから、文章で返礼しようと思ってこれを書いている。

中村さんと話したことで思い出された本を3冊紹介してみたい。

※ここで紹介する本はどれもやさしく書かれている本なので、興味のある人はぜひ。

谷川嘉浩著『人生のレールを外れる衝動のみつけかた』

今年出たばかりの本。“感受性や感性には、気になることについて好奇心で少し実験するというプロセスが不可欠です。ちょっと行動を試してみると、世界の側から予期せぬ何かが返ってくる”。

中村さんは「感受性や感性」が鋭敏だから、「実験」をせずにはいられないのだろうと思う。そして「予期せぬ何か」を待っている。

稲垣栄洋著『はずれ者が進化をつくる 生き物をめぐる個性の秘密』

また、ちくまプリマーからご紹介。この本で大きく扱われているのは、「雑草」である。

一般的に雑草は強いイメージを持たれているが、実はそうではなく、森の中では生きることができないらしい。たくさんの植物がしのぎを削っていて、その中では雑草は弱いからだ。しかし、“強いものが勝つとは限らない”のが、自然界のおもしろいところ。

“上に伸びることしか知らなければ、踏まれたときにポキンと折れてしまいます”
“伸びる方向は自由です。横に伸びたっていいのです”
“上に伸びることができなくなったとき、雑草はどんな成長をすると思いますか。
そうです。雑草は下に伸びます。根を伸ばすのです”
“その根っこが、日照りになったとき、力を発揮するのです”

中村さんは今、雑草のように根を伸ばしているところなのかもしれない。そして人間社会の、ある種の「進化」をつくっている途中なのかもしれない。

孫泰蔵著『冒険の書 AI時代のアンラーニング』

「好きなことだけしてちゃダメですか?」と帯に書かれているこの本は、若い世代に向けて書かれているが、大人が読んでも十分おもしろい。

“社会ではよく「これは仕事だ。遊びじゃないんだぞ!」という言葉が行き交っています。もっとマジメにやれ。仕事と関係のないことをするな。もっと手際よく仕事をしろ。(中略)むしろ、「こっちは遊びなんだ! 仕事より真剣に決まってるじゃないか!」だよね。”

中村さんがやっていることは、この文脈においてまさに「遊び」でもある。固定観念にとらわれず、今の自分が遊びたいことを真剣に遊んでいる。

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中村さんは理系の大学を出ているのだが、数学や物理の公式をうまく使えなかったらしい。自分で証明し、納得しないと、公式を使って問題を解くところまでたどり着かないのだ。

多くの人は、「公式だ」と言われれば、それ以上のことをとりあえずは考えないだろう。

公式に限らず、多くの人は、生活の中で多少の違和感を抱いても、スルーして日常を過ごしていく。

しかし、中村さんは絶対にスルーできない。それは生きづらさでもあるが、創作の源泉でもあり、紙一重だ。

今の中村さんは、「大人はお金のために仕事をする」という「公式」を証明しようとしている。

おれも、中村さんと似た性質があり、共鳴できるところが大きかった。

***

中村さんは今、エッセイ本を作っている。

実績から見れば、出版社/編集者から声がかかってもおかしくないと思う。だが、中村さんはひとりで作ってみないと気が済まないんだろうなとも思った。今は、組版に使うソフトのInDesignを習得しようとしているらしい。そこから……。

大人になっても、純粋な感受性・感性を維持し、引っかかりをいちいち「証明」しようとする人と出会えるのはきわめて稀な経験である。会えて良かった、と思った。

中村洋太さんは、変な人だ。

ここまで書けば伝わっていると思いたいのだが、「変な人」や「狂気」とおれが言うとき、それらをとびきりの褒め言葉として用いている。

興味のある人は、中村さんのスタバ朝活にぜひ参加してみてね!

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ちょっと恥ずかしいけれど、愛を感じました。初対面だったにも関わらず鋭い考察で、自己理解が深まるとともに、背中を押されました。

「大人になっても、純粋な感受性・感性を維持し、引っかかりをいちいち『証明』しようとする人と出会えるのはきわめて稀な経験である」という箇所を読んで思い出したのは、「日本地図って本当に正しいのだろうか? 確かめてみたい」と思って自転車で鹿児島まで旅したときのことです。

ぼくはその旅でブログを始めたのがきっかけで「書くことを仕事にしたい」と思うようになりました。何がどう繋がるかわからないからこそ、少しでも「引っかかること」や「気になること」があれば、動いて確かめてみたいです。

紹介されている3冊もおもしろそうなので、すべて読んでみます!遠藤光太さん、改めてありがとうございました!

※このスタバ朝活は、皆さまからの応援で支えられています。
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