見出し画像

静岡・山梨・長野の旅(1)富士宮「いでぼく」のジェラートに感動

今日から5泊6日で、静岡・山梨・長野を旅する。海外に行く決断をする前から、夏にどこか国内を旅したいと思っていた。

それで、「いつか行ってみたい」とずっと気になっていた長野県の白馬と安曇野を目的地に選んだ。その計画を以前SNSで書いたところ、静岡県富士宮市に移住した地元の友人・川本達也から、「それなら富士宮を通って行けば?」と言われた。

当初は、中央線か特急あずさで新宿から甲府、松本を経由するルートで行こうと思っていたが、東海道線で富士宮に行き、1泊してから身延線で北上して甲府に入るのも面白そうだった。それに、富士宮へ行けば友人と久しぶりに会える。現地に何があるかわからないが、とりあえず友達と会って、名物の「富士宮やきそば」さえ食べられれば満足だ。

富士宮へは、品川から新幹線で新富士駅まで行くのがいちばん早いが、それだと料金も高いので、鈍行列車で本を読みながらのんびり行くことにした。約3時間の旅。平和島から京急で横浜に出て、そこから東海道線を乗り継いでいく。平塚を過ぎると、ところどころで海が見えた。でも最も素晴らしかったのは、小田原を過ぎてからだった。とくに早川から根府川までの区間でパノラマの海が広がり、本を読む手が止まった。

熱海で沼津行きに乗り換え、沼津からは島田行きに乗り換える。はずだったのだが、ぼくはつまらない失敗をしてしまった。

あろうことか「島田行き」と間違えて、反対方向の「三島行き」に乗ってしまったのだ。ちゃんと確認しないまま、チラッと見えた「島」の字に反応してしまった。電車が動き出すと、今来た方向に戻っていく。「あれあれ?」と思い、ようやく気付いた。旅慣れていたときの感覚はもはやだいぶ抜け落ちている。先が思いやられる。でもこれこそが旅だ。こんな些細なハプニングにいちいち動揺していたら身体が持たない。「たかが2,30分到着が遅れるだけじゃないか」とすぐに気持ちを切り替え、また三島で乗り換えた。

でも乗り間違えたおかげで、ちょっとした面白いこともあった。三島駅のホームを歩いているときに、ふと見た広告にハッとした。それは沼津の美容クリニックの広告だったのだが、モデルの3人が全員知人だったのだ。よくモデルの仕事で共演する人たちだった。東京から随分離れたところで出会えて嬉しかった。

お昼に富士駅に到着した。ここから身延線に乗って20分弱で富士宮に到着するのだが、今回は友人が富士駅まで車で迎えに来てくれた。友人は都内のホテルに勤務しており、ちょうど夜勤明けで帰ってくるタイミングと、ぼくが富士駅に到着するタイミングが重なった。

彼はなんと、新幹線で通勤している。まず車で富士宮の自宅から新富士駅へ行き、そこから新幹線で品川に出る。ぼくのようなフリーランスからすると、会社から新幹線の定期代を出してもらえるなんてすごいことだ。だが、新富士から品川までは新幹線で1時間と、意外に近い。

また、「新富士で車を停めたら毎回の駐車料金がすごいことにならないか?」と聞いたら、それは会社ではなく富士宮市から助成金が出るのだという。友人によれば、都心へ新幹線で通勤する富士宮市民は少なくないそうだ。そこで富士宮市は「移住者首都圏通勤支援助成金」というのを設け、新富士駅周辺の駐車場使用料の額を年間10万円まで補助している。移住者を増やすための施策のひとつだろうと思われる。これは面白い発見だった。

彼の家で娘のみうちゃん(5歳)が合流し、一緒に観光に出かけることになった。

「静岡県富士山世界遺産センター」は、2014年にプリツカー賞を受賞した坂茂さんの設計。「逆さ富士」のデザインになっている。名前のとおり、富士山が世界文化遺産に登録されたのがきっかけで建てられた施設。今回は時間も限られているのでパスしたが、入場料300円で富士山について様々な角度から学べるそうなので、次回来たときはゆっくり見学してみたい。

この近くの「お宮横丁」で富士宮やきそばを食べた。ソース味と塩味のハーフ&ハーフ。サイズは大で700円。特徴としては、麺がモチモチなのと、魚粉(?)みたいなのがかかっていること。食べるまでは「普通のやきそばと何が違うんだろう?」と思っていたが、確かに全然違う。個人的にはソース味が好みだった。しかし友人いわく、家で奥さん(富士宮出身)が作ってくれるやきそばの方が断然おいしいとのこと。あと隣の屋台に売っていた「静岡おでん」もおいしかった。

その後、「富士山本宮 浅間大社」へ。富士山の頂上に「富士山頂上浅間大社奥宮」があるが、それはこの「富士山本宮 浅間大社」の奥宮なのだそうだ。全国の浅間神社の総本社であり、富士山信仰の中心地ということで、敷地は広く、立派な神社だった。

神社の東側には、富士山の雪解け水が湧出する「湧玉池」がある。水が澄んでいて綺麗だ。その南には、「神田川ふれあい広場」という水辺の公園がある。メチャクチャ暑かったので、川の水が冷たく気持ち良かった。友人が「裸足になって入ってみれば?」と言うので、一瞬躊躇したが、せっかくだから後悔しないよう、入ってみることにした。足は手よりも冷たく感じたが、慣れると最高だった。普段川遊びなんてできないから、一瞬だけど夏らしい時間を過ごせた。

再び車に乗り、20分ほど走らせて着いたのは「いでぼく」というお店。いでぼくの「ぼく」は「牧場」のぼくなのだろう。牛がいる。目当てはジェラートである。チョコチップとラムレーズンがおすすめということで、素直にダブルで食べたけど、まあこれがうまい。「過去一のジェラートでは?」と思うくらいおいしくてビックリした。なんだこのうまさは。家の近所にあったら毎週食べていると思う。高速道路のサービスエリアや海ほたるにも出店しているそう。見つけたらぜひ食べてみてほしい。

最後は富士宮随一の観光名所「白糸の滝」。これも事前情報なしで訪れたから、階段を降りて目の前にパノラミックな滝が現れたときの感動は大きかった。多数の小さな滝が横幅いっぱい広がり、迫力ある景観を生み出している。確かに白糸のようだ。少し歩いていくと今度は「音止の滝」があり、こちらは単発の滝だが水量がすごい。

友人のおかげで半日でも満喫できた。いちばん感動したのは「いでぼく」のジェラートである。あれはぜひ一度食べてほしい。明日も食べたいくらいだ。なんであんなにおいしいんだろう。

今日は友人宅近くの割安なビジネスホテルに泊まっている。小さいながらも温泉(名称は「富士山温泉」)があり、気持ち良かった。夕食は近くでサクっと回転寿司を食べ、ホテル横のドトールでこの原稿を書いた。その日のうちに書くというのは大変な作業だが、なるべく忘れないうちに書き留めておきたい。

明日は長野へ向かう。

いつもお読みいただきありがとうございます! よろしければ、記事のシェアやサポートをしていただけたら嬉しいです! 執筆時のコーヒー代に使わせていただきます。