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夢実現の秘訣

学生の身分で100万円を数ヶ月間で集める必要があり、不可能に思われた2010年のヨーロッパ自転車旅を実現できたのにはご縁や運の要素も多分にあったが、大前提として、「お金が集まったら旅をする」というスタンスだったら決して実現できなかっただろう。

その意味で、資金ゼロの時点から「今年の夏に2ヶ月間の旅をする」と決め込んでしまったことは大きかった。「旅をすることになっている」と何度も自分に暗示をかけた。決定事項として。

その発想は、「とにかく日本を出ることだ。英語ができない、フランス語ができないなどと言っていたら、一生外国など行けないのだ。男は、一度は体をはって冒険をやるべきだ」と言った植村直己の影響であり、また、「知恵より大事なのは覚悟や。覚悟さえすわれば、知恵は小知恵でもええ浅知恵でもええ、あとはなんとかなるやろ」と言った明石屋万吉(司馬遼太郎『俄』の主人公)の影響でもあった。

とにかく、先にやると覚悟を決めてしまう。資金やスケジュールやスキルなどの問題は、あとから辻褄を合わせていく。「できない理由」を探せば無限に出てきて、キリがない。だから「できる方法」だけを考える。どうやったら実現できるか、課題をクリアできるか。それだけを考える。このスタンスを、ずっと大切にしてきた。

そして今、ぼくは本を出版したいと思っている。

文章で誰かに影響を与えられたら嬉しいけど、そういうおこがましい考えは一旦脇に置いて、自分の欲求で、書きたいものを書く。そして、大好きな書店に自分の本が並んでいる、その光景が見たい。

「いつか出版できたらいいな」では永遠に出せないから、もう「出版することになっている」と考えることにした。

ぼくは本を出すことになっている。声に出して言う。いろんな人に話す。そして潜在意識にすり込んでいく。「本を出すことになっている」とインプットされた潜在意識は、いかなるときも夢の実現に向けて動いてくれているはずだ。日常の中でアンテナが張り巡らされる。

実現するうえでは、「成功している姿をイメージする」というのも大切なことだ。階段を積み上げるのではなく、最初から理想の完成形、成功している姿を描いてしまう。

ヨーロッパ自転車旅を計画していたとき、ぼくは資金をどうやって集めるのかを考えるよりも先に、「ヨーロッパを自転車で一周して、ベルリンのブランデンブルク門に張られたゴールテープを笑顔で切っている自分の姿」をありありと思い浮かべた。そしてそれは、現実となったのだった。

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今回でいえば、成り行き任せではなく、「どんな本が理想か」を最初から考える。もちろんズレることもあるだろうが、まず心から作りたいものをイメージすると、気持ちに推進力が生まれる。

理想でいいわけだから、妥協はいらない。自分が読みたいものだけを載せる。

旅、書くこと、生きることにまつわる、静かで上質なエッセイ集に仕上げたい。ぼくが見た景色を、感情を、紙に、文章に、閉じ込めたい。そして完成した本を書店で手に取っている自分の姿をありありとイメージする。そうやって妄想を膨らませていると、楽しくなってくる。

わがままな自分を取り戻したい。いったい誰に遠慮しているのか、今まで何かをやろうとして怒られたり批判を浴びたりしたことが、じわじわと積み重なり、それがメンタルブロックを生み出していた。

そういうのは、もうぶっ壊したい。

遠慮しておとなしく生きても、欲求に従ってわがままに生きても、どちらもたかがしれている。だったらせめて、自分が元気でいられる選択がいい。好きなことをやって楽しく生きていた方がいい。プラスのエネルギーを放出していた方がいい。

自分の信じるものを形にしたい。後悔のないように生きよう。

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