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ライターコンサルの初回セッションで行っていること

昨日、ライターの眞山ゆきさんにコンサルの初回セッション(90分のお電話)を行った。

最初に彼女からDMをいただいたのは、12月のことだった。

「『ライター コンサル』で検索したら中村さんがトップに出てきたのでnoteのブログなどを読ませていただきました。ライタースキルアップのためにコンサルを受講したい気持ちになっており、先生を探しております。中村さんの文章はとても読みやすく心も動かされる文章だと感じました。そして人柄も素敵だと感じたのでDMでコンサルの詳細を教えていただきたと思ったのです」

丁寧な方だな、と感じた。きっとこの方は、デフォルトで(無意識に)人を喜ばせる才能を持っている方なのだろう。素直なメッセージがとても嬉しかったから。

昨日は、いろんなことを伺った。

・どんな経緯でライターになったのか
・これまでのお仕事について
・今現在どんなお仕事をしていて、それについてどう感じているか
・本当はどういうライター像に憧れるのか
・どんなものを書いているときに心が動くのか
・今の課題は何か、どんな悩みを持っているのか etc.

眞山さんに限らず、ぼくの初回のコンサルでは、相手のバックグラウンドや行動の背景、大事にしている価値観などが見えてくるまで、とにかくひたすら話を聞く。自分の話もアドバイスも、最初のタイミングではほとんどしない。まず相手がどういう認識を持っているのかを把握しないと、伝わるものも伝わらなくなってしまうから。

また、相手が大切にしていることは、どんなことであれ否定しない(道徳的に良くないことには何か言うかもしれないけど)。

「この人はどういう背景で今の活動をしているのだろうか、この考えに至ったのだろうか」と考えると、何も否定のしようがない。「なるほど」としか思わない。ぼくにとって、これがコンサルするうえで重要なこと。相手の根本を把握しないと、自分の価値観に基づいた「正論」は意味をなさない。文章と同じで、目線の高さを揃えないと、人に寄り添うことはできない。

そして、必要に応じて自己開示もして、心理的安全性を確保したうえで、「実は・・・」「本音を言えば・・・」というような本心を打ち明けてもらう。

そのうち、「怖いけど本当はこうしたい」という相手の心の声が読み取れたら、「聞くモード」から「伴走モード」にシフトチェンジする。相手と向かい合うのではなく、相手側に立って、一緒に同じ方向を見るようなイメージ。「だったら、絶対そうした方がいいですよ。だってそれがあなたの本心でしょ?」と背中をバーンって押すつもりで強く言う。悩んだら「怖れている方」をやればいい。これは岡本太郎さんの教えでもある。

コンサルをどのように行っているかは今まであまり書かなかったのだけど、今日は少しだけ言語化してみた(もちろん実際のコンサルではここに書いた以外にもいろんなことを伝えています)。そういう気持ちになったのは、ひとつは昨日のコンサルの終盤で、お互いに涙を流していた時間があったからかもしれない。「泣くのは悪いことじゃない。心の深いところに辿り着いた証拠だ」みたいなセリフが、先日読み終わった『そして、ぼくは旅に出た。』という本に出てきて、そのことを思い出した。

「私、矛盾してますよね・・・。本当は、こうしたいと思っているのに、今こういうことをやっていて・・・」

電話越しに、眞山さんが泣いているのがわかった。それに感化されてか、ぼくの口は自然と動いていた。

「SEO記事などが中心で、しかもあまり書きたくないものもお金のために書いていて、今は辛いと感じるかもしれないですけど、本来は、文章を書くのって、楽しいことだし、尊いことなんですよね。自分がお話を聞いてみたい方に会いに行って、『良い話だったな〜』と思う素晴らしいお話を聞けて、その『自分しか聞いていない話』をほかの人にもお裾分けする気持ちで文章にする。そしてそれを読んだ読者から、『読んで良かった』と言ってもらえて。嬉しいですよね。嬉しいんですよ。だからせめて、自分自身が『読みたい』と思う記事を書かなきゃ、ダメですよ。それが自分を大切にするってことじゃないですか」

それがなんだか、自分自身に対する言葉でもあるような気がして、話ながらちょっと涙が出た。ぼくは自分を大切にできているだろうか?

昨晩、眞山さんがnoteに、それまでの悩みやコンサルの感想について書いてくれた。憑きものが取れたような、すごくポジティブなエネルギーを感じる文章で、心を動かされた。SEOの意識から解放され、何にも縛られずに感じたことを素直に書く彼女は、とても生き生きとしていた。言葉が躍動していた。

"ものすごく眠い目をこすりながらパソコンを目の前にして、私が感じていることを書き綴ってみた。

…あぁ。
とても楽しいな!!

人との出会いで人生は動き始めるんだ。"

「カチッ」と音を立てるように人が変わる瞬間にふれたのは、これで何度目だろうか。この嬉しさがあるから、ぼくはコンサルを続けられているような気がする。文章を書くことも、文章を教えることも、どちらも楽しいけれど、「人のマインドが切り替わる瞬間に立ち会うこと」は、また質の異なる、格別の体験だ。

ぼくは「人を変える」ことではなく、「人が変わる」ことをサポートしている。変わるためのエンジンは、ぼくが持っているのではなく、その人の中にもともと存在している。それを、「あ、ここにありましたよ〜」と一緒に見つけ出す行為が、ぼくのコンサルなのかもしれない。

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