後半 エアコンよ頑張ってくれ

”八日目の蝉”たちが道端にやたらと見掛けるようになりました。急激な天候変化過ぎてもはや八日目までたどり着いているのか疑問です。

お待たせいたしました。後半です。
この3つでお送りいたします。さっさと本題です。
①太陽光線の3つの要素(紫外線、可視光線、赤外線)
②熱の入口・弱点
③オススメの対策


①太陽光線の3つの要素

まずは太陽に関する豆知識です。
皆さんは太陽をどう捉えていますか。「眩しいヤツ/明るいヤツ(仮にA)」「熱いやつ/暖かいヤツ(B)」「肌が焼けるヤツ(C)」こんなところでしょうか。少し具体的になると、「強制的に朝を告げてくるヤツ/夜になるとさっさと家に帰るヤツ」「洗濯物を乾かすヤツ」「車体で焼肉やけるようにしてくれるヤツ」「いい感じに小麦色にしてくれるヤツ」とかが出てきそうです。私の名前に『陽』があるので、物心ついたときからぼんやり”太陽”に親しみをもっていました(いや、ほんとに)。

A~Cの認識を、普段わざわざ分けて考えていることはほとんどないと思います。私もいちいち考えていません(たまーに、ふと哲学者っぽく考えてたり…)。ですがせっかくなので、一旦わけて考えてみてください。

そうすると、後にも出てきますが、『カーテンをシャッとする行為』『ガラスにフィルムを貼る行為』は室温上昇対策としては”不十分”ということがわかってきます。

では説明です(ほとんど各々WEBサイトに載っています。宜しければ検索を)。
Aは可視光線です。目で見てわかる眩しいヤツです。詳細は割愛しますが、ただ眩しいだけじゃなくて、しっかりと身体の調子を整える機能があるようです。朝起きて可視光線を浴びることで、日中のパフォーマンスに打ち勝つストレス耐性となるコルチゾールを増やします。さらに後に休息モードへの切替に役立つメラトニン生成につながります。大切っぽいです。
どうでもいいですが、可視光線ってウルトラマンみたいですね。

次に、Bの赤外線です。今回のメインはここです!これが熱エネルギーの源です。これは可視光線と違い、そう簡単にシャットアウトができないのです。日の当たるところにある物体という物体を温めるので、家でいうと”直射日光”の当たる屋根や外壁、玄関、カーポートそして窓なんかもひたすら温めてくれます(冬ならものすごい恩恵)。カーテンをシャッと閉めても、”芯から温まった”窓が、接している壁や床、カーテンへ熱を伝えていくイメージは湧くと思います。つまり光(可視光線)を防げても、熱(赤外線)は防げない理由です。

例をあげると、車のサンシェードです。あれの推奨は、フロントガラスの外につけること。車内に取り付けても若干ハンドルの高温化は防げても車内の温度上昇は防げません。外につけると格段に変わりますので、ぜひお試しください。(飛ばされないように注意。そして最悪盗まれても泣かないでいられるグレードのモノがオススメです)

前回の投稿で、「西日が当たらんのですわ」っていう切り返しトークがありましたが、ここも盲点になりがちです。朝日の昇る東(しかも実はやや北寄り)、日中の位置は南ってことを考えますと、常に太陽光はあなたの家を照らし続けているのです。そして室内にもその光が。建築基準法として、”光”の入らない家を作ることは原則できないので、「うちは全く太陽光が入らない設計になっているから、夏の暑さで苦しむことはないのですわ」ってことはないでしょう。

ちなみに身体への影響で言うと、これまた超重要です。ヒトの身体は冷えたら終了なので(個人的見解です)、それを防ぐべく身体の内部まで熱エネルギーを届けてくれる赤外線は人類が今生き延びているひとつの要素とも言えるのです。
これが行き過ぎると熱中症危険ゾーンです。

三つめはC紫外線です。日焼けや染みの天敵ですね。フローリングや家具、畳の日焼けもこれが原因です。この時期ドラッグストアでは『UVカット』って文字が目立ちます。一見単なる大敵と見なされがちですが、当然重要なヤツです。そのひとつがビタミンD3の合成。これは骨を丈夫にしてくれます。骨粗鬆症とか骨軟化症なんかを防ぐ有能なヤツです。実はこれは食事から十分に取りにくいため、太陽光に当たる時間が不十分だと欠乏しやすいと言われています(ちなみに鮭とか鯖などに多く含まれるようです)。

「曇りの日の方が紫外線強いって聞いたことある!」って思われた方、そういうケースもあるようです。(気象庁 https://www.data.jma.go.jp/gmd/env/uvhp/uv_a03.html)
一般的には、快晴時のほうが紫外線は多いようですが、くもりでも約60%の量はあるようです。したがいまして、曇りの日は『可視光線、赤外線はかなり弱まるけど、紫外線はそこそこある』ということです。太陽光を分解して捉えていくとなかなか面白いです。

超補足ですが、以上の3つを発見した人はそれぞれ別のようです。
可視光線:ニュートン(1666)
赤外線:ハーシェル(1800)
紫外線:リッターら(1777、1801)

ここまでで①終了です。太陽の存在を少し理解できると既に対策がなんとなく思い浮かぶのではないでしょうか。

次の②③は端的にご紹介します。


②熱の入口・弱点

熱の入口は、ズバリ窓です。夏場は70%以上ここから侵入してきます。とにかく窓まわりをどうにかしないと何も始まらないのです(メーカーだから言ってるわけじゃないですよ!と強く言いたい)。家の中の暑さで悩んでいる方は、だまされたと思って次の策を実行してみてください。

せっかくなので、補足です。窓ガラスだけで考えた場合、ガラスが一枚の場所では日射熱の取得率は約88%です。熱エネルギーが100パワーだとすると、88パワーが入っていきます(大雑把なイメージです)。一方で、複層ガラス(ペアガラス)になっているから大丈夫!とは油断禁物、単なる複層ガラスでは、79%くらいです。結構入ってきます。
今では『Low-E複層ガラス』という優れモノが登場しており、これだと約40%まで落とすことができます(種類によって多少異なります)。これは熱の出入りを小さくすることを目的とした仕様で、ここ5~6年くらいの新築だとほぼほぼ採用されているイメージですが、建売とかですと若干怪しいです。これから家を建てる方はマストだと思っていただきたい。
冬の暖かい家づくりにも欠かせない代物です。

そして、このガラスでの遮熱以上に有効なのが、窓の外での遮蔽物設置です。
例えば、仮に一枚ガラスであっても外付けブラインドのような対策をとれば、19%まで急降下です。エアコンが喜びます。それだけ窓の外での対策が重要だと言うことです。

参考までに。『自宅でまさかの熱中症!?室内の温度を上げないための対策とは?(YKK AP)』
https://www.ykkap.co.jp/feature/031/

③オススメの対策

最後に対策です。気になるのはここだと思います。これもズバリ言うと、
a.窓ガラスの交換(Low-E複層ガラスに)※原則、戸建住宅
b.窓の外に何かをつける ※原則戸建だけど
、マンションも工夫次第
c.内窓を設置する(Low-E複層ガラスで)※戸建て、マンションともに可

この3つです。当然ながら、すべてメーカー商品で対応可能です。注意点として、aはあまり積極的にオススメしていません。理由は、窓ガラスだけ交換するなら、窓ごと交換(カバー工法という手段があります)のほうを勧めるからです。これは少し話が複雑になってきますが、窓のフレームがアルミの場合は特に交換をオススメします。なぜなら冬対策も兼ねられるからです。アルミは冷たくなりますよね。結露も発生しやすいです。冬問題を考えると、ガラスだけやってもフレームがアルミなら……苦笑という認識です(もったいないですね)。

参考までに。
『窓のカバー工法 かんたんマドリモ断熱窓(YKK AP)』
https://www.ykkap.co.jp/products/reform/madoremo/pvc_alumi/

手っ取り早く考えるのであれば、bですね。
しかも、メーカー商品ではなく、ホームセンターとかに売っている『すだれ』です。1,000円出せばおつりでると思います。古の手法であり、見た目云々ありますが、効果は絶大です。私の自宅は賃貸マンションなので、外壁に取り付けることができないため、すだれをリビング側の窓の外に立て掛けています。部分的に太陽光は入ってくるのですが、エアコンの効きはかなり変わりました。夜にもや~とする空気感も出ません。何より快晴の日中窓辺で座っていても、じんわりとした暑さを感じません(もちろんエアコン付けていますが、対策なしだとエアコンあっても熱気が伝わるのは、もはや説明済みということで)。見た目も涼しげで結構気に入っています。いますぐにでも対策したい!って方は、人混みに気を付けていただきながらぜひ明日お近くのホームセンターまたはドラッグストア等へ!

これは完全の夏の熱対策に特化していますから、冬は一旦置いておきます。
置いておいても問題ないレベルの対策だと思っています。

ちなみに、本格的にスタイリッシュに遮熱したい方のために一応商品載せておきます。
『アウターシェード(YKK AP)』
https://www.ykkap.co.jp/products/ex/item/series/outershade/

最後にcの内窓は、夏も冬も温熱環境対策万能野郎です。騒音対策にもなるし、一種の防犯効果も期待できる優れモノです。各自治体が行っている補助金などと絡みやすいので、上手く取り入れられればお得にリフォームできると思います。コスパは良いのでオススメですが、とにかく明日にでも!とかであればやはりまずはbのすだれですね。

まとめます。

『赤外線を感じろ!』
『窓まわりをどうにかしろ!』
『すだれを買え!』

です。

結論のところは個人的見解ですし、住まわれている外部環境、住宅の状態などによって有効な手段や手を付けるべきところは変わってくるのですが、原理原則で言うとこんな感じです。

それほんと?こんなのどうなの?ってことがあったらぜひ教えてください。
不明なところは調べてみます。

『エアコンの能力を充分に発揮させること』からスタートしてみましょう。

#長い
#全部読んでくれた方に感謝です
#太陽光実験とか子どもの夏休みの自由研究テーマに使えると思う