Stone in Focus
石の上にも3年という言葉があります。
どんなに辛くても辛抱していれば、やがて、何らかの変化があって、好転の芽が出てくると言うこと。
芽が出るまでは辛抱しろ、我慢しろという意味で一般的には使われていると思います。
意味は違うかもしれませんが、宮古島は石灰岩だけで構成された島々だと言います。石灰岩とはつまり珊瑚礁の死骸のことで珊瑚が堆積して隆起(浮き上がってできた)して形成されたのが宮古島です。最近の研究によると少なくとも40万年前には水没しては隆起してを何回か繰り返していたと発表もされています。浮き出た岩の表面に緑が溢れ、お花畑がなりいつしか人間が住むようになったのです。我々は今大きな珊瑚礁の上に住んでいるのです。
石の上にも40万年です。
語呂の調子は良くありませんが、歴史を刻んでいます。
世界を見渡せばメキシコのユカタン半島も石灰岩で覆われた島のひとつで、何かのドキュメンタリーでは石灰水でトルティーヤをこしらえていました。ユカタン半島では家庭ごとにトルティーヤの味があるそうです。
話を戻します。
そのため周辺の島々とは異なり山もなければ川もない平べったい島です。隣島の大神島の展望台からはっきりと宮古島の超がつく平坦さが見て分かりました。太平山という異名もあるほどです。そんな宮古島は今では地下ダムができ蛇口をひねれば水が出て暮らしが豊かになりましたが かつては水が貴重な時代があったと言います。溜まった雨水を井戸から汲み上げてきて生活していた時代の苦労話は忘れてはいけません。
今年の市民文化祭でひときわ異彩を放った作品が発表されていました。盆栽コーナーには丁寧に手入れされた苔とがじゅまるが石の上に鎮座していました。まさに珊瑚の上に住んでいる宮古島の姿をした作品でした。これに要した時間は年月にすると一体どれくらいこしらえてきたのでしょうか。3年でしょうか。その作品を囲むように周りのギャラリーには鋭いサングラスにニッカポッカをはいた工事現場のおっちゃんたちが笑顔で盆栽を見入っていました。
これぞ市民文化祭!には宮古島を表現したとても素晴らしい作品の数々が並んでいました。
皆さんも市民文化祭にぜひ出かけてみてください。
一生聴いているAphextwinのStone in focus
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