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一般質問を振り返る#06 ~①ごみ処理中継施設建設の経緯について②白浜清掃センターの廃止計画について~

令和5年9月定例会

 
 市内のごみ処理は令和9年(2027年)から富山地区にできる中継施設に集められ、そこから富津市に建設される広域廃棄物処理場へ搬出されることになっています。この計画に合わせ、白浜・千倉の両清掃センターを廃止や移転する計画があることを把握しました。どちらも旧町時代からある施設です。老朽化した施設をこれを機に集約しようというのは、合併市として当然であり必然ともいえます。これは理解できますが、それは実態に照らしてどうかという視点も大切であり、今回はその観点で質問しました。
ちなみに、
トップの画像は、AIに生成してもらった「過疎地にある元焼却施設のごみ処理センター」画像です。


1. 清掃センター再編計画とその背景

 まず、言葉の説明を。
・中継施設とは、富山地区に新たに建設される施設です。市内のごみを富津市の処理場に持って行くために一旦まとめる施設です。
・自己搬入施設とは、千倉地区に新たに建設される施設で、外房地区(白浜、千倉、丸山、和田)のごみについて、市民が自分で持ち込むための施設です。尚、収集車がごみステーションで回収したものは、上記の中継施設に向かう予定です。(でした。→また後日、新たな記事でご説明します)

 質問に入ります。

問 まず、中継施設の新設に伴うごみ収集について、現状の計画はどうか。次に、白浜清掃センターの廃止について、その内容はどんなものか。

市長:
 まず、中継施設の新設に伴う収集・運搬体制について、中継施設が稼働する令和9年度以降、外房地区の収集・運搬体制に変更はない。ごみの運搬先はすべて中継施設になる。次に、白浜清掃センターの廃止については、外房地区自己搬入施設を千倉地区に整備した際には、千倉・白浜清掃センターは基本的に廃止する方向で検討している。

会議録より

 問 再編計画は長年検討されてきたごみ処理広域化計画に基づくものと承知しているが、市民に計画が示される機会が少ないと感じている。今回、中継施設が富山地区に整備されるに至った経緯を改めて伺う。

建設環境部長:
 富津市の広域ごみ処理施設へ効率的に運搬するため、大型車両への積替えが必要となった。ごみの排出量、各種コスト、市内の収集運搬を合わせて検討した結果、富山地区に整備することとした。

会議録より

 問 安房地域広域での計画が変更(館山市が協議会から離脱したため)になり、君津地域広域事業に参加することとなったため、当地域のごみが北に向かうことになったという理解でよいか。

建設環境部長:
その通りです。安房広域での建設計画が進められていた場合は別の場所が候補となった可能性もある。

会議録より

2. 自己搬入施設と市民サービスの維持

問 市は本件について、事業者や許可業者と意見交換会を開いたと聞いている。そこでは廃止理由についてどのように説明したのか。また、自己搬入施設としての既存清掃センターの活用継続は検討したのか。

建設環境部長:
 意見交換会では、経費削減のために中継施設に集約すると説明した。千倉清掃センターは地元区との協定により継続が難しく、白浜清掃センターは位置的な問題から適地ではないと回答した。尚、自己搬入施設の候補地としても検討していない。

会議録より

問 千倉清掃センターの、地元区との協定内容とはどんなものか。

建設環境部長:
平成7年7月に地元住民の生活環境保全に関する協定が締結された。当初の埋立期間は平成25年3月までで施設を廃止することとなっていたが、その後の見直しで、ごみ処理施設は令和11年3月まで、最終処分場は施設の廃止確認申請が千葉県に受理される日までとされているところ。

会議録より

問 白浜・千倉両清掃センターの維持運営コストはどのくらいか。

建設環境部長:
白浜清掃センターは令和4年度が約3,300万円、令和3年度が約3,100万円。千倉清掃センターは令和4年度が約8,200万円、令和3年度が約8,000万円。

会議録より

問 この計画では、清掃センターの実質的な引越しとなる千倉地区と違い、白浜地区は市民サービスが低下することは明白だ。これについて市はどのように考えているか。

建設環境部長:
 基本的なごみ収集サービスは維持されるため、市民サービスの低下はないと考えている。

会議録より

ここまでいかがですか。千倉地区には持込み施設が新設される。一方、白浜地区は清掃センター廃止で何もなくなる。むしろ、市は白浜地区住民がステーションにごみを出すかのように気軽に清掃センターに持ち込んでくることをいかがなものかと考えていた様子すらある。しかし、市は白浜の住民が清掃センターを便利に、そして大切に使ってきたことを認識できてないのではないか。迷惑施設だから移転しろなどと言ったこともない。どうも地元の感覚と相違があるように感じました。以下、質問も終盤です。(この質問がまた後日の質問に繋がるポイントとなりますが、それはまた改めて別の記事で)



問 もちろんごみの収集は維持していただかなくてはいけない。しかし、富山の中継施設に搬入するルールになった場合、遠方地域の運搬コストは上がることはあっても下がることはないはず。許可業者の事業ごみの運搬代、つまり商店とか宿泊施設、工場が出すごみの運搬代は値上がりする可能性がある。コスト構造の変化の要因が清掃センターの機能廃止であるとしたら、市の政策によって発生した費用とも言える。市として効率化は実現できたけれど、市民や事業者がそのあおりを受けて負担が増えたということになるのを理解しろと言っても無理があるのではないか。もしそうなった場合、許可業者が設定する事業ごみ運搬費用のうちこれまでとの差分、これを市が負担する必要があるんではないかなと思う。公平性の観点からも妥当ではないか。

建設環境部長:
 今回の施設再編計画については、南房総市全体の一般廃棄物処理を安定的、効率的に継続的に進めるための施策として、まずは広域ごみ処理事業に参画し、処理施設の建設、中継施設、自己搬入施設の整備を検討した結果となっておりますので、御理解を頂きたいと考えている。

会議録より

 ご覧の通り、残念ながらゼロ回答でありました。実はこのとき、もしかしたら「一般家庭ごみ」を念頭にこの計画を進めているのではないかと感じました。簡単にいえば、商売しているところのごみの動きや施設廃止による業者への影響度合いが把握しきれてないのではないか。この点、自分の中で気になる点として残りました。(この点が次の次の定例会での質問に繋がり、結果として計画変更になったと考えています。また改めて投稿します)

 とはいえ、聞きたい点は他にもあり質問は続けました。


3. 今後の計画と市長の総括

問 廃止となった場合、各清掃センターの跡地についてはどのように考えているか。

建設環境部長:
 清掃センター廃止後の利活用は未定。千倉の最終処分場は現状を維持する予定となっている。

会議録より

問 市長に伺う。私も白浜で生まれ育って、今なお生活をしている。正直、白浜清掃センター廃止と聞けば理屈を抜きにして残念だと思う。鉄道もないし大きい道路もない。それでもグリーンラインが開通したときは嬉しかった。でもまた1つ、白浜が不便になるなあと思う。(議場にいる)皆さんの同情を買おうとかではなくて、この半島の形、市の形がどうしたって南端部に厳しいことになる。だから、白浜地区の住民感情を思うと市の施設である清掃センターは残してほしいと感じる、実際使い勝手も良い。そこで、最南端だから難しいとか厳しいとかではなく、最南端にこそという言葉でなにか施策が出てくることを期待したい。ということで、市長から最後に「白浜をないがしろにしているわけではない」と一言頂いて質問を終わりたいと思うのでどうか。

市長:
 小川議員の言葉を借りれば、けっして白浜をないがしろにはしていない。全体的な観点で申し上げれば、合併したからどうこうというよりは、人口減少が今後も続く中、南房総市が、鴨川市が、館山市がという視点ではなく、もう少し大局的に、様々な機能がいわゆる中心地のほうに集約化されていくのは、この人口減少が進んでいく中では一つの方向性だろうと思っている。
 ただ、それとは別の視点で、それぞれの地域の方の思いというものを汲み上げながら、夢を持ちながら暮らし続けていける環境つくりに地元の方々と一緒になって取り組んでいきたいと考えている。
 白浜地区に関しても、南端である白浜地区が観光拠点としての地域づくり、それによる地域全体へのシャワー効果といった考えも持ち続けたい。引き続き各地域の振興に真剣に考えていきたいと思っている。

会議録より

 小川 良いお答えを頂いたと思う。以上で質問を終わります。


注:シャワー効果とは
噴水効果、散水効果と合わせて波及三原則とも呼ばれる、経済用語です。人やカネの流れを生むことで、地域全体への経済的な好影響を起こす効果をいいます。


以上のような形で今回の質問を終えました。以下の通り議会だよりを通じて地域の皆さんも知るところになり、白浜地区では区長会でもちょっとした騒ぎになり、説明会を求める動きになりました。これの結果はまた改めて投稿します。

皆さんはどう思いますか。


議会だより





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