精神病院物語-ほしをみるひと 第二十九話
昨日は死ぬかと思うくらいに症状が激しく、最早ここまでかと思ったが、寸でのところで一命をとりとめた。
僕を助けてくれたのはあの来宮さんだった。僕は以前、彼女のことを片思いしていた。だけど昨日の一件から意識が変わって、尊敬できる先輩のような存在になりつつあった。
あのとき、来宮さんは狂気すら感じる真剣さで、僕に人のあり方を語ってくれた。来宮さんがこれまで病気で苦しんできた思いも交えて、僕に伝わる言葉をぶつけてくれた。
僕はおかしくなっていたし、来宮さんもおかしいことで苦し