【読書メモ】DX戦略立案書(5)


読んだ本


DX戦略立案書
https://www.amazon.co.jp/dp/4561267468


GW前から読みはじめて読了。アウトプット。


目次:3 製品だけでなくプラットフォームを構築する


プラットフォームで成功した例は、Airbnb

成功の大部分は、当事者双方の信頼を構築できたこと


プラットフォームの定義

2つまたはそれ以上の異なるタイプの顧客の直接的な相互作用を促進することで価値を作り出す事業のこと


3つのキーポイント

・異なるタイプの顧客

 Skype、電話など純然たる通信ネットワークはプラットフォームではない

・直接的相互作用

 それぞれの立ち位置の人々が、一定の独立性を保ち、直接やり取りできること。

 顧客を自社の従業員につなげる垂直統合型コンサルティング会社はプラットフォームではない

・促進

 プラットフォーム経由でビジネスが行われ、プラットフォームによって促進されること。マクドナルドのようなフランチャイズビジネスは、消費者にプラットフォームが関わっていないため、プラットフォームではない


4つのタイプのプラットフォーム


・交換

 Airbnb等

・取引システム

 Paypal等

・広告付きメディア

 ニュースサイト等

・ハードウェア・ソフトウェア標準

 iOS、Android等


直接・間接のネットワーク効果


プラットフォームの最大の特性の1つに、それを使う顧客が増えれば増えるほど価値が高まるというものがある。この現象は一般的にネットワーク効果と呼ばれる。実際には2種類ある。

・直接的ネットワーク効果

 製品の顧客数やユーザー数の増加によって、同じタイプのユーザーに対するプラットフォームの価値や効用が高まるときに生じる

 Facebookのようなプラットフォームで起きる

・間接的ネットワーク効果

 最も一般的なネットワーク効果

 プラットフォームの片側の顧客の数が増え、その質があがれば、反対側の顧客にとっての価値も高まる


デジタルはどうプラットフォームに影響するか


プラットフォームに力を与えているのはまぎれもなく、デジタル技術である

Web、クラウド、API、SNS、モバイルデバイス等

今まで、プラットフォームは、十分な数の参加者を集める必要があり、それは大企業のものだった。資本が必要だった。それがデジタル技術のおかげで克服しやすくなった


プラットフォームの競争上の効用


プラットフォームは1人勝ちしやすい。

1人勝ちしやすいのは下記の3要素が揃った場合

①顧客が2つ以上のプラットフォームを使うことが難しい

②間接的なネットワーク効果が強い

③特徴的な差別化があまりない場合


プラットフォーム間の競争


プラットフォームは次の5つの価値領域で競っている

・ネットワークの付加価値

・プラットフォームの付加価値

・オープンなインターフェース

・相互作用のためのツール

・信頼性


ツール:プラットフォーム・ビジネス・モデルマップ


本ツールは、プラットフォームの主体と見定め、顧客間のどこで価値創造と交換が行われるかを認識するもの。プラットフォームビジネスの立ち上げ時に活用推奨。

下記はFacebookのケース

画像1


競争地図に起きつつある変化


デジタル技術になり、あらゆる企業間の関係は競争と協力が入り混じったものに変わりつつある

主に下記の3つの変化である


・コーペティション(競争と協力)

 マイケルポーターはNo1を目指す競争に批判的。市場シェアを追えば、それは価格競争を引き起こし、収益性の低下を招く。

 現実世界の競争はゼロサムゲームではない。戦略の効果をあげるには、特定領域においては直接の競合となっている他社とも、協力して同じ方向を目指さなければならないことが多々ある。

 本書のこの部分ですが、最近、iOSがユーザーのトラッキングができなくなったことで、FacebookがAppleへ抗議している。さらに米国と中国の政治的な戦いにおいて企業が影響をうけている。競争と協力の対象範囲もせまくなってきているとは思います。


・流動的な業界の垣根と非対称競合

 今までの競争領域の判別は業界だった

 ただし、下記のような非対称競合が増えている

  BMW vs Uber

  HBO vs Netflix

 そのため、リタ・マグレイスは、競争を業界ではなく、提供物と市場セグメント、および、地域から構成される事業領域で考えることを推奨している。

 常に、非対称的競合を気にする必要がある


・中抜きと仲介化

 デジタル技術は、企業とサプライチェーンパートナーとの関係にも影響を与える。

 中抜きはイメージ簡単。デジタル技術によって、企業は顧客にアクセスすることが容易になった。

 仲介は新たな仲介者が出るパターンである。例えば、Facebook。広告主と顧客にあいだに新たにFacebookが入るようになった。


ツール:競争のバリュー・トレイン


自社の競争地図を可視化する新たな手法である。例は下記。


画像2



バリュートレインにおける力の2つの原則

・原則1:ユニークな価値を提供できるものにパワーが集まる

・原則2:両端にパワーが集まる


競争における組織上の課題


・長年のパートナーとの関係性

 すでにビジネスモデルがあり、川上、川下、両方の企業と関係性が深い会社は転換が難しい。

・戦争のメンタリティ

 ゼロサムゲームの競技会と考えてはいけない

 競合に勝つことだけを考えてはいけない。常に顧客優先。

・開放性

 どの程度、自社のビジネスモデル(プラットフォーム)を開放すべきかは重要。ある程度ユーザー体験が制御されているiOSと、オープンなAndroidの違いを見ると分かりやすい。


まとめ


顧客だけでなく企業間もネットワーク化されて相互につながっていることを認識すべき。競合するもの、協調するもの、うまく組み合わせる必要がある

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