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ようすけさんの写真論

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御苗場2019の振り返り

 終了から2週間経ってしまいましたが、御苗場2019の振り返り。 ※御苗場とは→ https://www.onaeba.com/about/  御苗場は、2018年3月に僕が初めて出展した写真展でして、その出展は僕の写真活動にとって大きなターニングポイントになりました。そんな思い入れもあり、今年もぜひ参加しようと考えていました。  去年の御苗場の感想として、確かに会場にたくさん人はいるのですが、ちゃんと自分の作品を見てくれる人は少ないなあということがありました。今年はそれ

誰のために撮るのか

 それにしても、ポートレート撮影は、つくづく特殊な趣味だ。  趣味っていうのは、普通、自分の楽しみのためにやるものなのに、僕たちはまるで、誰かに喜んでもらうために写真を撮ってるつもりになったりするんだから。  趣味なのにね。  これが仕事なら良いんです。他の誰かにサービスを提供して、その対価を得るのが「仕事」だから。  例えば、魚釣りが趣味の人は、自分が楽しいからやっているわけで。  その一方で、漁師は釣った魚を誰かに売ることで生活しているわけです。それが仕事。  振り返

めぐる季節、終わる時代

 ご挨拶遅れましたが、あけましておめでとうございます。  僕のポートレート撮影も4年目に突入です。  自分の写真にとって、「季節の移り変わり」は欠かせない要素だと感じていますが、写真を撮るようになってから、季節がもう3周してしまいました。四季はただ移りゆくものではなく、繰り返すものでもありますね。  正月に実家に帰ったとき、「おまえ、まだ写真は撮ってるのか?」と父に尋ねられました。写真もひと通り撮ってしまうと、だんだん飽きてくるんじゃないかと。定年後の趣味として風景や野鳥

どうして被写体を始めたんですか?

 「被写体の女の子」と、例えば駅で待ち合わせをして、撮影予定の場所まで10分ぐらい歩く。その時間が結構好きだ。  ときには駅から15分以上かかることもあるけど、自己紹介がてらお喋りしていれば、そんなに長くは感じない(はず)。  被写体の子とはTwitterで繋がって、ポートレート撮影の約束をした。会ったばかりで、いきなりカメラのファインダー越しに向かい合うよりは、同じ方向を向いて少し歩いたほうが、打ち解けるにはいいだろう。  もちろん、ロケ地へ向かう途中で良い場所を見つけた

写真では誰にも負けたくなくない

 タイトルの意味は「写真では誰にも負けたくない」の反対です。つまり、別に負けてもいいかなって。  僕にとって写真って「これだけは人に負けたくない」という類のものではないんです。カメラ始めてから三年しか経ってないし、自分の美的センスに自信があるわけでもない。学校の美術の時間に褒められた経験もないし、「アート」なんていけ好かない、スカしたサブカル野郎のすることだと思ってたので。  「これだけは人に負けたくない」といえば、僕の場合、文章を書くことっていうのがそれに近かった。いち