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夢を持たなくても

僕は今のところ将来の夢はない。

というか思春期からずっと明確な夢は持ったことがない。


「夢を持って生きなさい。」

周りの大人やキラキラした先輩、自己啓発本などは直接的または間接的に夢を持つことの素晴らしさを説いてくる。

僕も例に漏れず中学生からそのような価値観に触れ、「夢を持たなければいけない。」「これはひょっとして僕の夢なのかな?」というように夢を持つことにこだわり、明確な夢を持ってないことに劣等感を感じていた。そして、夢を持ってないと有意義な人生を送れないと思っていた。

いわば、

"夢持ってないコンプレックス"

だった。

僕のような気持ちを感じたことがあることがある人、また今そういう気持ちを持っている人はたくさんいるのではないか。


そして、とうとう僕は社会に出る今まで明確な夢を持つことはできなかった。

しかし、その代わり夢持ってないコンプレックスを脱出して、夢がなくてもポジティブに未来志向で充実した日々が送れる考え方を手に入れた。

今日はそのことについて書きたい。


まずはじめに、僕は夢を持って生きることを否定したいわけではないことを断っておきたい。今でも夢を持って生きる人はかっこいいなと思うし、憧れもある。しかし、それとは違う一価値観として読んでいただきたい。


最初に、夢とはどのようなイメージか明らかにしておく。

夢とは、自分が心からそうなりたいと望む理想の姿である。


ここでポイントが2つある。

ひとつめは、「心から望む」というところである。苦難を乗り越えてでも、人に何を言われようとも、何年かかっても成し遂げたいほど強烈な想い。これが夢を叶える原動力であり、生半可なものではなく、ハードルが高いものとイメージする。

ふたつめは、「理想の姿」というところである。夢は完成形である。「プロ野球選手になりたい」という夢を持つ人は自分がプロ野球で活躍している完成した姿を思い浮かべるだろう。だから、ゴールは明確なのである。

このように夢には熱望することと完成形を描くことの2つの特徴があると思う。

僕自身、夢というとやっぱり崇高なものというイメージが強く、自分の夢に出会うのは簡単ではないと思う。

しかし、一度きりの人生なら何か軸や芯を持って歩みたいものである。ただいたずらに生かされている時間を過ごすのはとてももったいない。


そこで僕は、ではなくて存在に視点を移した。

つまり、

「なりたい自分」より「ありたい自分」だ。


僕にとっては「なりたい自分」を考えるより、「ありたい自分」を考える方が楽だった。

ポジティブでありたい。誠実でありたい。感謝ができる人間でありたい。

存在と違って遠くに明確なゴールがあるわけでは無い。

今日この瞬間ポジティブであることもできるし、逆に未来どこまでも追い求め続けることもできる。

生きる上での軸として、存在よりも到底扱いやすいものだと僕は思う。

自分はどんな人間でありたいだろう。

そう自分に問うて、答えが出た瞬間からあなたは夢がなくてもその存在目標を軸にしてここから生きていけるはずだ。


このように、夢の完成形を描くという特徴から視点を移すことで新たな人生の軸が見えて来ると思う。

次は夢の熱望するという特徴に目をやりたい。夢を叶えたいという想いは人生を生きる強烈なモチベーションになる。ここを違う考え方で補うことはできないか考えた。

たいていの人は、夢ほどの熱量とはいかなくとも「あれやりたいこれやりたい」というような欲求を少なからず持っていると思う。

この欲求は夢よりハードルと熱意において下位にあるので、比較的簡単に成し遂げられたり時によって変わったりするだろう。

しかし、僕はこのモチベーションとしての欲求を全て叶えていくことによって人生の充実感は得られるのではないかと思う。

ちょうどRPGのように進んでいけばそこに人がいて戦いがあって、乗り越えていくたびに経験値が上がり仲間や武器が増える。

その時点その時点で自分の持てる限りの力で欲求を叶え、周りの人々を笑顔にする。

その場が終わればまた前に進んでいく。

そうやって進んで進んだ果てに後ろを振り返ったとき、たくさんの苦難と幸福と財産が自分に残っているのではないか。どんな時間も密に過ごした充実感が残っているのではないか。と僕は考えている。


以上から僕は、夢を持たなくても、

自らの存在目標を人生の軸にし、

その都度沸き起こる欲求を

全て叶えていくことで

人生は有意義なものにできる


と考える。


この考え方は現在進行形で僕が実行中である。

僕の人生を通してこの考え方を立証していきたいと思う。


冒頭、ひとつだけ嘘をついた。

僕には明確な夢が実はひとつだけある。

それは自分の家庭を持つことだ。

僕のささやかな、しかし、大きな夢である。


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