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黒旗ルール違反の注意点

 黒旗ルールの恐ろしいところは、BFD(※)で失格になること以上に、そのレースが再スタート/再レースになった場合の対応次第でDNE(=取り消しのできない失格)になりかねないことだ。
 黒旗ルールは、フライングする艇やゼネラルリコールを誘発する艇を早々に排除することで、スムーズなスタートを実現させるのが目的だ。
 その目的に沿って、いったんBFDとなった艇は、ゼネリコになっても再レースになっても免罪されない。それを知らずに再スタート/再レースに参加してしまったうっかり者にはDNEという重い罰則が科せられる。
 無罪放免となるのは、レース延期(AP)とスタート前にレースが中止(N旗)される場合の2つ。この免罪パターンを、しっかりと頭の中に叩き込んでおこう。

※BFD=黒旗ルール違反による失格(Black Flag Disqualification)

黒旗ルールで、スタート1分前から侵入してはいけないトライアングル

規則30.4(黒色旗規則)

 黒色旗が掲揚された場合には、スタート信号前の1分間に、艇体がスタート・ラインの両端と最初のマークとで作られる三角形の中にあってはならない。
 艇がこの規則に違反して、特定された場合には、レースが再スタートまたは再レースとなったとしても、その艇は審問なしに失格とされなければならない。
 ただし、レースが延期またはスタート信号前に中止された場合には、失格としてはならない。
 ゼネラル・リコール信号が発せられた場合、またはレースがスタート信号後中止となった場合には、レース委員会はその艇のセール番号を、そのレースの次の予告信号前に掲示しなければならず、レースが再スタートまたは再レースとなった場合には、その艇はそのレースで帆走してはならない。帆走した場合には、その艇の失格は、シリーズ得点を計算するときに除外してはならない。

セーリング競技規則2021-2024から

BFDとなった場合の注意点

↑↑間違って帆走したらシリーズ得点において除外できない失格(DNE)になる

BFD➡再スタート/再レースの場合に確認すべきこと

 レース運営艇(一般的には本部船)に自艇のセール番号が掲示されているかどうか、必ず確認しよう。
自艇のセール番号が掲示されていなければ、次のレースに出場できる。

ゼネリコまたはスタート後にレース中止になった場合、レース委員会はBFDとなった艇のセール番号を掲示する義務がある。BFD艇は必ずこれを確認すること。もし自艇のセール番号が掲示されておらず、コースを走ってDNEを与えられた場合は62条に基づいて「救済」を要求をすること

※BFDが免罪される「レース延期」と「スタート前のレース中止」でも、自艇のセール番号は掲示されない(はずだ)から、ややこしくなったら運営艇の掲示を確認し、『自艇番号が出ていなければ次のレースに出る』という考え方もできる。


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