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<<ワンダフルライフ>>映画感想

<<是枝裕和監督の作品『ワンダフルライフ』>>

この映画は、死の直前に繰り広げられる走馬灯のような世界での出来事が特徴的です。人生で最も大切な思い出を一つだけ選び、その思い出の場面を劇にすることができます。そして、その劇の映像を身終えると同時に成仏し、その思い出だけをあの世に持っていくことができます。

選択の時間は3日間であり、劇の上映を含めても1週間の時間が与えられます。この期間内に選択を行うことができる人もいれば、ギリギリまで決められない人や最終的に選べなかった人、過去から選択しないという自分の人生についての責任の取り方をするなんて人など、様々な人生の姿が描かれます。僕としては責任なんか取る必要はないだろう、人生にはそんなに大した意味などないからなどと考えたりすることもあります。だからと言って、意味がないことと人生を楽しむことは別問題なので、意味など求めずに自分の好奇心にしたがって楽しむこと。身体という制約の中で楽しめることを、楽しみまくりたいと思うわけです。

映画の中で、選択する中で自分の幸せと他人の幸せの境界を探りながら、他人が幸せを感じている瞬間との接点に、自身の幸福を感じる、見出す人がことが多いと感じました。自分の幸せとは自分だけの幸せではないのでしょうね。

この映画では、自由意志が存在するという前提で物語が進んでいるように、選択権は閻魔大王ではなく、自分自身に最後まで選択権があります。

最後の選択においては、ほとんどの人が納得感を求めていました。私たちは時間の制約の中で考えることで、納得感を得ることができるのだと気づかされました。制約がなければ、私たちは決断できないのかもしれません。時間の制約のもとで、自分が選んだんだという納得するための限られた時間が大事なのでしょう。これは、他の意思決定においても当てはまることのように思います。

映画に登場する階段は、ペンローズの階段のように映りました。これは主観ですが、作品の深遠さと不思議さを際立たせていたようです。

『ワンダフルライフ』は、面白い作品でした。制作は24年前のようですね。

#ワンダフルライフ

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