大腸内視鏡検査行ってきた!

大腸内視鏡検査2023夏
先日、人生初の内視鏡検査を受けた。大腸ガン健診で引っかかったのだ。便潜血検査という、ウンコの表面をさーっと引っ掻いて容器に入れるアレだ。診断結果には要精密検査と書かれていた。ただネットには、実際にガンが見つかる人は1%だと書いてあった。今まで様々なくじ引きで大概の引きは悪い方なので、100人に1人だから引くことは無いだろうと、深刻にはならなかった。

休みを取って、比較的近い場所にある地域医療センターに行った。ここは最近建物が新しくなったせいでとても綺麗で、他の病院に比べてまだ人も少ない。

受付で精密検査が必要な旨を伝えると、問診があると言われ、その時間まで待った。いつだって病院は待ち時間との戦いだというのは経験則で知っていたので、抜かりなく文庫本を持ってきていた。というか、いつも本を持ち歩いている。長い待ち時間も苦にならない。むしろ、静かで楽しい時間だ。

と思ったら、急に騒がしくなった。東南アジア系と思わしき男性と日本人の男性の二人。どうやら東南アジア系男性のお腹の調子が悪いらしい。看護師さんが待合室に来て、事前に問診を始めた。「いつぐらいからお腹がいたいのかな?」すると、一緒に居た日本人男性が東南アジア男性に、「いつから?よる?」と日本語で訊いていた。
ん?このワンクッションいるのか?と思って聞いていたが、その後も「お腹の痛みはずっとかな?それとも痛くなったりなくなったりかな?」に対して、「ずっといたい?いたくない?」と訊いていたので可笑しくなった。
暫くその問答は続いたが、一応伝わったいたので大したものだ。多分その東南アジア研修生の日本語力の方が高かったのだろう。

1時間半ほど待って、診察室に呼ばれた。割と若そうな男の先生だった。今まで病気した事や入院した事があるか?とか、アレルギーはあるかとかいう質問の後、触診をすることになった。まあ大腸だからどこかのタイミングでお尻を見せないといけないんだろうなとは思っていたが、案外早いタイミングでやってきたので「お尻キレイだったかしら?」などと不安になったが、今さらだ。どうせお尻だろ!

ベッドに横向きで寝そべり、膝を抱える形でズボンとパンツを半分ずり下げる。「滑り易くする薬剤を塗ります」と先生に言われ、お尻の穴の周辺が冷やっとする。覚悟はできている。おもむろに指が挿入。ぐりんと回転して何かを探している。「おっ!」僕の声だ。ほぼ無意識で声が出た。「はい、では薬剤を拭きますね」先生、いろいろすみませんと心で呟いた。何を調べたのだろうか…

内視鏡の検診日は、案外早く予定が取れて翌々日になった。検診日の前日21時以降は水かお茶しか摂取出来ませんとか、当日は昼からカメラを入れるけど、それまでに大腸の中身を空っぽにしなければいけないので、朝から下剤を飲みますとか説明を受けた。3食抜くのは大したことでは無い。もう1日年休を取るのか。年休を取りやすい職場で良かった。

内視鏡検査の朝は早い。8時50分には受付を済ませた。
検査は僕ともう1人60代くらいのおじさんが受けるようだ。看護師さんに連れられて、下剤を飲む部屋へと通された。下剤は200mlずつ定期的に飲む。その間、水も飲む。合計すると、下剤1600ml、水800ml。最初の2回は15分間隔で、あとは10分間隔だ。あと、歩き回る。ある程度の運動も必要らしく、病院の通路を歩いてくださいとのことだ。
歩いて数歩の場所には専用のトイレがある。実に合理的な設計をしていると感心した。

下剤の味は不味かった。塩餡の甘味を弱くして、塩味を強くした感じ。(塩じゃん!)そして、案外効いてこない。勝手なイメージだと、飲んだ直後からギュルギュルとくるのかなと思っていたのだが、ほぼ無反応のまま3ターン目くらいを迎える。おじさんとの会話は「来ました?」「いや、まだまだだね」釣り人も似たような会話をしていたなとふと思う。

4ターン目くらいでやっと兆候が現れる。まだ弱いが、念の為トイレへ。普通の固形だった。下剤を飲む部屋には、排泄物の状態を4段階で示した写真がある。最初は下痢の様なシャビシャビの状態から、最後はお茶ですかというくらいのクリアイエローだった。ホントにこんなになるんだろうか…

6〜7ターン目は確か水だった。下剤の不味さに辟易していたので、気分は砂漠のオアシス。この変化が刺激になったのか、歩き回っていたのが効き始めたかは謎だが、第二波が到来。写真の下痢状のヤツがシャーッと出てきた。お尻からオシッコが出てる?ってくらいの勢い。だけどお腹が痛いわけでもなく、不思議な感覚。

そんな感じを繰り返し、もうお尻の穴が痛いとなり始める頃には、排泄物もすっかりクリアイエローになった。下剤の量やら時間配分やら、計算され尽くしている。因みに隣のおじさんは出が悪いらしく、400mlほど延長戦になっていた。おじさんガンバ!もう昼だ。

準備が整うと間髪入れずに検査の説明が始まる。おじさんにお先にをして、着替えの部屋へ。前を紐で縛る検査着と、お尻の部分に穴が開いた紙パンツに着替えた。いざ内視鏡室へ。

ここでふと思ったが、胃の内視鏡は胃カメラなのに、腸の内視鏡は腸カメラと呼ばないのはなんでだろうな。緊張感が高まると度々こんな風などうでもよい思考に脳が支配されるのだが、緊張感から逃れたいのだろうか?そこまでの緊張を自覚してはいないのだが…

内視鏡検査の先生に挨拶。イケメンだ。女子なら少しやり難くなるであろうが関係ない。他にベテラン感が漂う看護師のおばさまが2人。心強い。

ベッドに横向きに寝かせられる。腰を浮かし、検査着を腰の辺りまで捲る。検査台のすぐ横には20インチくらいのモニターがあり、先生はこれを見ながら検査していく。寝ている位置からもモニターはバッチリ見える。さて、いよいよ内視鏡の挿入。その前に、例の滑るヤツを塗られた。ちべたい。

挿入直後から、鮮明な映像が映し出される。たまに肩に力が入ってしまうのを、看護師さんにたしなめられる。「リラックスしてくださいね♪」

ある程度入ったところで仰向けに体位を変える様に指示がある。最初に大腸の端っこ、盲腸のある部分まで進み、戻りながら確認していくのだそうだ。先に進むにつれて、お腹が痛いような感覚がある。耐えられないほどではない。カメラを腸内に進める為に、先端から空気が出るようになっていて、これのおかげで腹が張ってくる。その痛みと思われる。「おならが出るようなら出してください」内視鏡挿入前に看護師さんにそう言われていた。おならと言ってもカメラから出ている空気なので臭くは無い。ただ、カメラのケーブルで肛門が塞がれているので、容易には出ない。文章にすると面白いが、やってる時はまあまあ苦しい。

ようやく盲腸まで到達した。今、地震とか火事がきたら死ぬかもとふと思う。
戻りながら状態を確認していく。モニターに映る大腸は自分の中身だ。生きているうちに自分の大腸の中身を人に見られたり自身で見たり出来るって、よくよく考えたらすごい事だ。しかもこんなにハッキリ。

検査している最中にポリープなどが見つかったら切除しますという書類にサインしてあった。しかし、幸いポリープもガンも無かった。良かった。素人目でも、50年使い続けている大腸には見えないくらい、恥ずかしいくらいピンクで綺麗な腸だった。

検査を終え、内視鏡を抜いたが、腹の張りは収まらない。
「おならを出しておかないと、後からお腹が痛くなるんですよ」と言われ、看護師さんがお腹を押してくれた。
「ブーーーーーー!」笑えるほど出た。
笑いに合わせて「ブッ、ブッ、ブッ」となって笑いが止まらなかった。押してくれた看護師さんは笑っていたが、先生ももう1人の看護師さんも一ミリも笑っていなかった。見慣れた光景という事だろうか。

こうして検査は終了した。
数日後に正式な結果の報告を聞きに行かなければいけないが、その場の先生の見解では異常なしだった。

大変だったが、安心の為にも検査は大事ですね。この文章が検査が不安な人の役に立てばいいなと思います。

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