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クイーンSは夏場得意の厩舎、札幌得意の騎手で (よそトレ#214)

今週来週は札幌、新潟の2場開催。関西を本拠としている筆者にとってなじみの薄いコースで、予想もしづらい。が、苦手意識を持つとこの先の上達に障りがでるので、しっかりトレーニングしていこう。
というわけで、札幌の牝馬G3クイーンSが今週の攻略目標である。(新潟の千直の予想はまだ荷が重い。)

札幌芝1800は時計がかかる?

さて、クイーンSの特徴は、札幌競馬場で行われることに加え、真夏に行われる古馬牝馬戦であることが挙げられる。
まず、札幌競馬場であるが、時計がかかる洋芝であること、1800mはコーナー4回の小回りコースだがカーブが緩く直線が短い。なので、時計がかかり、直線一気というタイプの馬に向いていない、と言われる。
たしかに芝1800mの平均的なタイムは1'48"台だが、ことクイーンSに関しては1'45"台の決着は珍しくない。(過去10年では2020、2017、2014年が該当。)
クイーンSは札幌開催の前半に行われるのでそれほど芝が荒れていないせいかもしれない。時計勝負の可能性もあることは意識しておくべきであろう。

2勝クラス以上の1着および上位入線馬のタイム比較

出走馬を見ると混戦模様か

今年の出走馬は14頭で、例年と異なり5歳馬が多い。このレースは4歳馬が強いが(連対率は4歳馬25%に対し5歳馬12.2%)、今年はスライリー1頭しかいない。また、3歳馬と6歳馬が過去10年では2頭ずつ勝っている。夏場のレースということもあり、ローテーションに組み込みづらいレースなのかもしれない。
昨年の1~4着馬、6着馬が出走しているが、過去の戦績を見るかぎりリピーターが強いレースということはなさそうである。

3歳馬の52kgは有利そうだ

今年の出走馬では前走函館という馬が4頭いる。うち、ファーストフォリオは十分な間隔があるが、ホウオウピースフル、フェアリーポルカ、フィオリキアリは間隔が開いていない。それがプラスとなるかマイナスとなるか。ほかの馬は十分な休養をとってこのレースに臨んでいるようである。

逃げ馬が馬券に絡むことは少ない

まず、脚質の検討である。
札幌の芝1800というと、逃げ先行馬有利というイメージがあるが、クイーンSに限っては、それほどでもない。逃げ馬が馬券に絡んだのは過去10年でアエロリットが勝った1回のみである。2,3着に逃げ粘ることもなかった。
先行馬は連対率複勝率でいいが、それでも2着3着に入った馬の半数以上は中団から後ろである。

意外と中団から後ろの馬が2着3着に来ている

今回は前走ヴィクトリアMで逃げて4着に残ったローザノワールが人気になりそうだが、3着以内に入る可能性は意外と低いのではないか。それより、その後ろにつくと予想されるウォーターナビレラやラヴユーライブのほうが分が良さそうである。

鞍上は乗り替わりが多い

それに今回は初騎乗という騎手が多い。勝負どころの見極めは案外むずかしいかもしれない。札幌芝1800でのレース経験が豊富な騎手のほうが安心である。(田中勝春騎手はベテランなのでもちろん札幌での騎乗経験も豊富だが、近年は札幌で騎乗する機会は多くなかった。)

同コース実績は過去5年のもの

夏場に強い須貝厩舎

このレースで筆者が予想のポイントとして着目したのは厩舎の成績である。
真夏の牝馬限定G3で札幌開催、というレースなので各陣営にいろいろな思惑があるのでないか。ここを使ってから北海道で休養とか、秋に向けての始動をさほど暑くない札幌でとか、洋芝が得意そうなのでここを目標にとか。
もちろん個々の馬に合わせて使うレースを決めるのが基本だろうが、厩舎なりの夏の戦い方があるのではないか。
そこで、7,8月の戦績を厩舎別に調べてみた。

過去5年、牝馬、古馬2勝クラス以上、芝のレースを対象として集計

総合的には、須貝厩舎が出走数が多く複勝率も高いので、夏のレースへの適応度が高いと思われる。堀厩舎や武幸四郎厩舎も同様である。和田正厩舎や清水久厩舎は出走数は多くないが出ているレースでは結果を出していると言える。一方、国枝厩舎は意外というか夏のレースは力を入れていない印象である。

まとめ

以上の考察をまとめると;

  • ウォーターナビレラ【本命】…3歳馬で4歳馬と初対決のため順位付けはむずかしいが、このレースできっちり結果を出して秋につなげるのではないか。先行抜け出しと予想。

  • ホウオウピースフル【対抗】…4週前に函館で巴賞1着。その前は9試合連対がなかったが悪い内容ではなかった。札幌で新馬勝ちしており、ここは要注意。鞍上は初騎乗だが札幌での実績は十分で、鞍上強化と考えられる。

  • テルツェット【単穴】…昨年の1着馬。まだ5歳なので力が衰えることは心配しなくていいだろう。勝ち負けがはっきりしており、ハマれば1着、ハマらねば着外か。この馬も鞍上は初騎乗だが、札幌での実績は十分。

  • スライリー【2~3着候補】…2勝しかしていないが秋華賞5着、近走は悪くないが着に届かない内容。4歳馬なのでまだ伸びしろはあるだろう。鞍上が変わって一変もあり得ると考える。

  • ルビーカサブランカ【2~3着候補】…今回要注意の須貝厩舎は2頭出しで、その1頭。もう1頭のファーストフォリオは短距離型で函館で走った勢いで出走、のように見えるので、こちらが本命だろう。

  • ラヴユーライブ【2~3着候補】…札幌で1勝クラス2勝クラスをともに逃げ切り勝ち。ハナを切らずとも勝ち負けになっているので、今回は先行するのでないか。鞍上は今年好調、札幌での成績はまずまず、矢作厩舎での騎乗実績も悪くないので、ここは狙ってくるのではないか。




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