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つ、ついにモリッシーを観た!(動画つきレポート)

2023年11月28日
ついに!モリッシー来日公演を観てきました。

下記ツイート(けっこう反響があって嬉しかった)にもあるように、自分は2004年のフジロックのドタキャン、2016の横浜公演のドタキャンを食らったので、生で観たのは初めてでした。

モリッシーを好きになったのはソロアルバムViva Hateが出た1988年だったので、なんと30年以上待ったことになります。

調べると実は今回5回目の来日で、初来日が1992年、その10年後2002年のサマソニ、さらに10年後の2012年にも9回の来日公演を行なっています。

自分が若すぎた1992年はともかく、2002年か2012年のどちらかを観ていればこんなに待つことはなかったのに、当時何をしてたんだ、と過去の自分を問い詰めたくなりますね、まったく・・

ともあれ、本人のガン闘病の話があったりパンデミックがあったりと、いつ観れなくなってもおかしくないこの御時世で遂に目撃することができたのは、自分にとってはメデタイ以外のなにものでもない、感涙の一大イベントとなりました。

平日開催ということもあり空いているかと思いきや、会場は想像以上に人が溢れていて日本のファンベースの大きさに結構おどろきました。自分より上の世代が圧倒的に多くて、いつになってもロック好きでいいんだ、と少し感激してしまいました。

さて、開演時刻の19時になるとビデオ上映タイムに突入、なんとそれが30分も続いて焦らしに焦らされました。このまま出てこないのではないかという声まで聞こえてきました。ビデオは覚えている範囲だと、ストゥージーズのSearch and Destroy、エディ・コクラン(?)、ブリジット・バルドー出演のセルジュ・ゲーンズブール曲、なぜかジグジグ・スパトニックも流れました。ニューヨーク・ドールズ好きは知ってましたが、その流れで好きなんでしょうか・・笑 またマニアックなところでは確かTouch Myselfという曲が一曲だけはやって消えていったDivinalsという一発屋バンドの誰も知らないであろう曲も流れた気がします。(誤認だったらすみません)
そんな中、一番感動的だったのは先日亡くなったシネイド・オコナーです。

シネイドについては亡くなった当時に心境を記事にしたのですが、この中でも触れているように、モリッシーはオフィシャルサイトにて軽々しく追悼する同業者を鋭く批判をしています。自分にとっては相変わらず全信頼をおける存在です。シネイド亡き今、物事の本質を捉えて発信できるアーティストはモリッシーくらいしか思いつきません・・いつまでも長生きしてくれますように。

19:30を過ぎた頃、ステージ前から歓声が上がり、ようやくバンドがステージに上がってきました。一曲目はWe Hate It When Our Friends Become Successfull 。事前にツアーのセトリを見てシンガロング練習してたのにこの曲を見逃しててアチャ〜となりました。泣

その後はSuedehead 、Alma Matters、Our Frankと大好きな曲が続き、思い切りシンガロングしました。周りにあまり歌ってる人がいなくてちょっと寂しかったです・・日本のフェスやコンサートでの大人しさの中に身を置くと絶対英語圏に身を置きたくなるんですが、外国のフェスとかコンサートって、客がステージ見てなくて大声で雑談で盛り上がってたりして、それはそれでイライラするんですよね・・笑

その後、The Smithsで一番有名な曲かもしれないHow Soon Is Now、また長いブランクの後の2004年の復活作You Are the Quarry収録のアンセムソングIrish Blood English Heartで昇天です。

Irish Blood English Heartの曲の歌詞はとても興味深い内容になっており、アイルランド生まれイングランド育ちのモリッシーにとっての政治的な信条を吐露する珍しい曲になっています。

1600年代にアイルランドに侵攻して住民を虐殺したオリバー・クロムウェルと、当時クロムウェルの議会派と対立してたはずなのに、なぜか今はクロムウェルを支持しているらしい王族を批判する内容になっています。その辺りのセンチメントは、私のような外国人には正直、正確には把握できないのですが、右寄りな発言も多くて話題になるモリッシーが、必ずしも右でもないことを証明するような、複雑な歌詞になっています。オフィシャルのTシャツに、I am not far right nor far left, I am Far Forward ! (自分は極右でも極左でもない、極・進歩主義だ!)みたいなロゴがあったので、多分これが本人の主張なんでしょうね。

またこの曲の後半ではモリッシーがバックドロップに大写しになったオスカー・ワイルドの肖像に対して「オスカー!オスカー!」と連呼する感動的な場面があったのですが、モリッシーファンなのにいまだにオスカー・ワイルドをマジメに読んでない自分にはそこまでの思い入れの含蓄が分からず、多いに反省しています、ハイ・・

曲間のMCでは東京観光でタワレコやディスクユニオンに行った話や愛猫のSorrowの話など、ファンとのコミュニケーションも結構多く、Xにも機嫌がよかったとの書き込みがありました。

後半、キーボーディストのロマンティックなドビュッシー「月光」の変奏曲?からEveryday is Like Sundayに流れ込みます。この曲は、退屈なホームタウンにアルマゲドンや核爆弾が落ちないかな、という強烈な心情を歌った曲で、88年発表のソロデビューアルバムで一気に自分の心を持って行かれた一曲です。この曲を聞けてほんとに感無量でした。文字通りMy Heart is Full。

その後Jack the Ripperで本編終了、アンコールはThe Smithsの、これまた超有名曲Sweet and Tender Hooliganで締め。バンドが去った後の会場にはアンビエントノイズが鳴り響き、なんともアートな幕引きとなりました。

また最後にシャツを脱ぎ捨ててジムで鍛えたと思わしき肉体美を披露したのですが、これがまた年齢を感じさせないムキムキぶり。自分もモリッシーの肉体美を目指し、めげずに筋トレ頑張ろうと思いました。笑


Xからの拾い画像

最後になりますが、Xにポストしたように、60を過ぎても非常に力強く衰えを感じさせない声が感動的でした。

個人的にモリッシーで一番好きな曲はNovember Spawned a Monsterなのですが、いつか聞いてみたいです。

そのときまで、絶対にお互い生き抜きたいですね。
モリッシーがガンに負けませんように!


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