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【百年ニュース】1921(大正10)5月28日(土) 養蚕家の一瀬益吉が死去,享年55。一瀬は山梨県市川三郷町の養蚕家で,1898(明治31)害虫に強く収穫量も大きい,養蚕に最適なクワ苗木を発見,のち自らの桑園で繁殖させ近隣に配布。品評会でも優等獲得「一瀬桑」として全国に拡大。日本の養蚕業発展に寄与した。

養蚕家の一瀬益吉が死去,享年55。一瀬は現在の山梨県市川三郷町の養蚕家で,1898年(明治31)害虫に強く収穫量も大きい,養蚕に最適なクワ苗木を発見しました。一瀬は忍村の桑苗業者から購入した「鼠返し」という品種名の桑苗の中から、通常の鼠返しとは違う良質な苗木を3株発見し,のち自らの桑園で繁殖させ、近隣に配布しました。のち1916年(大正5)の品評会で優等を獲得し「一瀬桑」として全国に拡大していき、日本の養蚕業発展に寄与しました。

1948年(昭和23)9月14日には昭和天皇生母である貞明皇后が市川三郷町を訪れ、一瀬桑の記念植樹も行われました。明治時代の日本を支えた養蚕業ですが、近年では一段と衰退が進み、平成30年には全国でわずか293戸を残すのみとなりました。

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なお蚕は完全に家畜化された昆虫として知られています。野生動物として生息できないだけではなく、野生へ回帰する能力をも完全に失った唯一の家畜化動物です。餌がなくなっても自ら探したり逃げ出したりすることがなく、人間による管理なしでは生きることができません。生命の外部環境への適合能力のすさまじさを体現しています。


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