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愛の価値について。なるしまゆり先生が好きだという話

思えば

人は通じ合えないからこそ

愛には価値があるのかもしれません

(ぼくと美しき弁護士の冒険 2巻/講談社/なるしまゆり)

ぼくと美しき弁護士

なるしまゆり先生の漫画が好きだ。もう中学生の頃から好きだ。15年以上は好きということだ。

中学生の頃も、大人になってからも囚われているというのは不思議だ。

 

なるしまゆり先生は、ファンタジックで現実味のない物語を綴る漫画家だけど、妙に「はっ」となる言葉をシレッと投げかけることがある。

私の知らない「愛」なるものの側面を、マンガの中の道程にころっと転ばせる。

 

今回、選んだ言葉は「ぼくと美しき弁護士の冒険」という遺産相続ミステリーの2巻の最後に登場する主人公の母親の手紙から。

その手紙では、謎めいた主人公の父親について綴っている。この一文ではなく、3ページに渡る表現が珠玉なのだが、長くなるので割愛。めちゃくちゃ読んでほしい。


「通じ合えない」ことは基本的にはネガティブな印象をうける。世の中の愛は「ふたりでひとつ」に価値を見出すことが多いからだろう。

この手紙で主人公の母親は、恋人である主人公の父親のことをたったひとつの言葉で評している。わかるのはそれだけだと。それで十分なのだと。

なるしまゆり先生は、漫画のなかでさまざまな愛の形を描いている。

今回もその印象的なひとつ。

通じ合えなくても愛は成立する。軽やかで愛に満ちていて、そして妙に寂しい。

「愛の価値とは」考えたくなる一言だ。

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2005年に8巻が発売されて以来、続きが出ていなかったなるしまゆり先生の「原獣文書」の9巻が発売された。

なんと16年ぶりの新刊です。わーお。

テンションあがるけど、久しぶりすぎてよくわからん。次巻の10巻が最終巻らしいけど、それはいつになるの…?私か先生が生きているうちに出るんかい?と思ってテンション上がりきらない。

とにかく明日、買いに行く。

ということで、昔のブログで下書きにしていたものから引っ張り出した。やっぱり好きです。


よしざね





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