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「窓際のトットちゃん」 黒柳徹子著 講談社青い鳥文庫

ん〜、面白い。

 それにしても、トモエ学園の小林宗作校長先生は、素晴らしい先生だなぁ。子供が何をしても慌てず、落ち着いて子供達がやることを見つめている。いつも優しくユーモアがあり、そして、気取らない。

プロセスを徹底的に信じるとは、こういうことだろうと思いました。

黒柳徹子さんは、今だったら、「ふむ、この子には明らかに発達の問題があります」ということになっているかもしれません。でも、ジャッジするだけじゃ何も解決しないのです。小林校長先生のようにおおらかに受け入れてくれる人が一人でもいたら、子供は救われるんじゃないかな。あっ、大人もね。

 しかし、トモエ学園ってユニークな学校だったんですね。自由が丘のピーコックのあたりにあったのだそうだけど。電車の教室なんて興奮するだろうね。泉岳寺まで12kmを小学生に歩かせるっていうのも、すごいなぁ。ちんどん屋も運動会も学芸会も肝試しもハンゴウスイハンも茶話会も、すべて子どもにとっては新鮮でワクワクする体験なのでしょうね。

トモエ学園が存在したのは昭和12年から20年までの8年間。東京大空襲で、校舎が焼かれ廃校になります。

 この本が出たのが、1981年。600万部売れたらしいです。それなのに、なんで、今でも、「発達の問題がありますね」なんて言って(必要以上に)ラベリングする人(含む専門家)が多いのかなぁ。




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