『響き煌めく境界線』に行った感想をゆる~く記すよ。 第二回:『蟲筆<般若心経>』編
はじめに:投稿期間が空いてすみません!
前回の投稿から、なんと約1ヶ月!!!!
第一回の投稿を読んでくださった方々、お待たせしてすみません!
そして何より……書く書くと言っておきながらさんざんお待たせしてしまった、アーティストチーム『ー間ー』の御三方にこの場でお詫びいたします。
しかし、1ヶ月ものブランクがありながら、私の中で展示会の記憶は少したりとも色褪せていません。そのくらいの衝撃、そのくらいの面白さだったということです。(言い訳)
ということで、前置きはここまで。
早速、第二回:『蟲筆<般若心経>』編の感想をゆる~く記して行こうと思います!
第二回:筆記具はまさかのゴキブリ!? 蟲の見る世界を書く『蟲筆<般若心経>』
ある日、あなたに落雷のごとくアイデアが降ってきた!
「よし、ゴキブリに般若心経書かせよう!」
……とは、なりませんよね。
けれど世の中は広く、現実はときに小説より奇なるもの。
このアイデアを閃いただけでなく、実際に具現化してしまったのが、
今回取り上げさせていただく佃優河さんという作家さんなのでした。
展示作品:『蟲筆<般若心経>』の感想
はじめに、私が展示会にて観覧させていただいた佃さんの作品『蟲筆<般若心経>』について感想を述べさせていただければと思います。
簡潔にまとめると、私はこの作品を見て混乱してしまいました。
というのも、眼の前に書かれているのは、私達が(ある種)見慣れた漢字のはず。
しかしそれなのに、なぜか拭えぬ違和感が。
作品に近づいて見てみると、その違和感の正体に気づきました。
文字を構成する「線」が、まるで生き物のように躍動しているのです。
普段私達が鉛筆などで文字を書くときに引く「線」は、最初から最後まで迷いのない、およそ「直線に近い線」になっているはずです。
しかし、この作品ではそうなっていない。
その理由は、この文字を書いているゴキブリが、自立して思考する一個の生命だからだと思いました。
ゴキブリたちは、電気信号で制御さえされていますが、電気信号を頼りに次に進む道を「考えたり」、また本当にこの道でいいのかと「迷ったり」するのは彼ら自身です。
その考えや迷いが「ゆらぎ」となって線に現れることで、このような不思議な線で記された文字ができあがるのでしょう。
このような経緯で作られる「文字」には、ただ記号としての意味だけを持たない、新しい何かがあるように感じられました。
あ、ちなみにゴキブリが考えるうんぬんは私の想像です。
おまけ:作品制作のウラ話
どうやってゴキブリに文字を書かせているの?
……これ、気になりませんか?
もちろん、ゴキブリが文字や経典を理解し、心を沈めて書に耽り……
なんてことはありません。
このヒミツは、ゴキブリに取り付けられた「電極」にあります。
説明しますと、この「電極」からゴキブリの触覚に電気信号を流し、その刺激でゴキブリに「架空の障害物」を認識させて方向を操る……
というものらしいのですが、文字で読んでもよくわかんない! と思いますので、代わりにこちらの動画を御覧ください。
佃さん自ら、このメカニズムについて解説してくださっています。
(サムネ・動画内にてゴキちゃんが映りますので、閲覧注意!!!)
……いやー、この動画を見てしまうと、佃さんが一部界隈で「マッドサイエンティスト」と呼ばれているのにも納得してしまいますね(褒め言葉)。
佃さんのこれからの作品にも期待です!!
作品制作に使ったゴキブリは〇〇匹!?
さて、ここでクイズです!
今回佃さんが『蟲筆<般若心経>』を制作するにあたって使ったゴキブリの数は何匹でしょう?
A,1匹
B,約10匹
C,約50匹
D,約100匹
答えは……C!
なんと、この作品は約50匹のゴキブリによって作られていたのです!
なお、この50という数字にはちょっとしたカラクリがあるようで……
佃さんいわく、1匹のゴキブリが描ける文字数は約5~6文字。
これを過ぎるとゴキブリが電気刺激に慣れてしまい、うまく制御できなくなるそうです。
そして、今回『蟲筆<般若心経>』にて記された漢字は、般若心経の全262文字。
262÷5=約52
ということで、用いられたゴキブリの数が大体50匹となる訳ですね。
つまりこのクイズは、
「般若心経の文字数」
「ゴキブリ1匹が書ける文字数」
を知っていれば、誰でも計算で導き出せる答えだったというわけですね!
みんなは正解できたかな?
次回予告:第3回について
次回は最終回! ということで、照明や音楽を担当された頃安祐輔さんにフィーチャーして感想を書かせていただこうと思っています。
次回はまた1ヶ月後……とかにならないようにします!!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?