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「全量摂取」という魔物

全量摂取とは「食事を全部食べ切ること」です。

はじめに全量摂取が悪いというわけではないことを伝えておきます。

20代半ばの介護士A君。
食事が残っていると「食べてくださいねー」と言うことが多い。
A君に限らず他のスタッフ(介護、看護)も全部食べることを目標とした声の掛け方をする。
僕が「食べれないなら仕方ないね。まだ時間はあるからゆっくり食べててくださいね」と伝えて少しすると「はい、食べてくださいねー」と食事介助をすることがある。

僕個人は「食べれない時は残してOK」のスタンスです。

「目標は全量摂取!」と壁に貼り紙をしているわけでもなければ正式な書類(議事録)に記載されてもいないのになぜ全量摂取が当たり前になっているのか。

看護師の意見が強いから。

「看護師 > 介護士」の構造は今も変わりはありません。
それに疑問を感じていたので看護師=介護士になるようにこれまでの施設で関係性を作ってきた。

老健は特養に比べて看護師の配置人数が多いのでどうしても看護師の意見が強くなってしまう。

意見が強い看護師が良くないんだ!では解決しない。
介護士も何かを差し出さなければ看護師に交渉はできない。

全量摂取に話を戻す。

全部食べないと栄養が摂れないから身体が弱っていく

自分で食べれなくなっていく
(食事介助するのは介護士)

衰弱していく

医療機関に受診する
(看護師が付き添う)

・医療機関で治療を選択する
・施設で食べれる量だけ食べる(看取り)

矢印(↓)の最後の方は看護師が担うことが多い。
攻めるポイントはどこだ。

食事を食べている元気なうちは問題ない。食事量が減って弱っていくと家族(身元引受人)との関わりが増えてくる。最期となるとデリケートな関わり方が必要になる。
誰もが避けたい仕事だ。

攻めるポイントはここだ。デリケートな部分を介護士が担うのだ。

食事が減る

家族との関わりが増える

介護士が家族とのやりとりをする

介護士といっても誰もができるわけではない。介護士リーダーがいいだろう。

【まとめ】
全量摂取をさせたくないのなら、食事量が減った先にある「看取り」について介護士がメインで担うことが大事である。

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