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健康でいるための運動はどの程度の負荷が最低条件なのか?

「運動量の最低条件を知りたい」

これらを解決するきっかけになる記事です。

本記事は、下記の文献を参考に紹介していきます。

WHOガイドライン
Alexander Mok. Physical activity trajectories and mortality: population based cohort study.BMJ. 2019; 365: l2323.

研究の目的

比較的高強度の身体活動(MVPA)に注目し、身体活動のタイミングと全死因、心血管疾患、およびがん死亡リスクとの関連を調査することを目的にしています。

対象者

92,139人のUK Biobank参加者(イギリスの研究機関)を対象としたコホート研究(時間的経過を追う縦断研究)を実施し、7年以上の追跡調査を行っています。

方法

身体活動量の測定

参加者は、利き手側の手首にデバイスを7日間装着し続け、通常の活動を続けるよう指示されました。

死亡日及び死因の特定

National Health Service Information CenterおよびNHS Central Registerの死亡データセットから得られた。解析時には、死亡日または利用可能な死亡データの日付(2021年11月12日)のいずれか早い方。

他に得たデータ

・年齢
・性別(女性/男性)
・民族性(白人/その他)
・募集地域(イングランド/ウェールズ/スコットランド)
・加速度計を装着した季節(春:3月~5月、夏:6月~8月、秋:9月~11月、冬:12月~2月)のデータは、加速度計のデータから得た。
・学歴(学位以上/その他の資格/資格なし)
・喫煙状況(したことがない/したことがある/現在)
・アルコール摂取頻度(現在していない/週3回未満/週3回以上)
・食事関連要因を含むデータ
 野菜摂取量:毎日大さじ4杯以上(中央値)
 果物摂取量:毎日3個以上(中央値)
 魚摂取量:週2回以上(中央値)
 未加工赤身肉摂取量:週2回以下(中央値)
 加工肉摂取量:週2回以下(中央値)
 を用いて健康的な食事スコアを算出した。
・睡眠時間(<7時間/日/7~8時間/日/>8時間/日)→加速度計使用
・睡眠中間点(<02:30/02:30~03:30/>03:30)→加速度計使用
・肥満度(体格指数30kg/m2以上)
・既往歴(糖尿病、慢性疾患、うつ病、心血管疾患、癌)

結果

1日のどの時間帯においても、中等度から強度の身体活動は、全死因死亡率、心血管疾患死亡率、がん死亡率のリスク低下と関連していました。

・午前中(05:00~11:00の間に1日50%以上のMVPAを行う)グループに比べ、正午~午後(11:00~17:00)およびMVPAタイミング混合グループ(午前と午後が混合)は、全死因死亡および心血管疾患死亡のリスクが低かったが、夜間(17:00~24:00)グループはそうではなかった。

まとめ

・中等度~強度の身体活動は、どの時間においても全死因死亡率、心血管死亡率、がん死亡率のリスクを低下させる。
・さらに効果的にするには、正午~午後(11:00~17:00)か、混合タイプ(午前5:00~11:00と午後の混合)の時間帯に身体活動をするとよいです。

つまり、重要なことは、
①できる範囲で中等度~強度な身体活動をすること
②できれば、11:00~17:00に活動すること

※中等度~強度な身体活動とは、下記のような運動になります。

簡単にできる強度の高い運動

簡単にできる運動は、早歩きだと思います。
いつもより早く歩くことで身体活動の強度を高めることができるのでお勧めです。仕事で歩く機会が多い方は、意識していただけると別に時間を作ることなく身体活動の強度を上げられます。

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