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いまこそ敬天愛人、そのとき

ここに、はじめて西郷隆盛に会った際、のちに勝海舟に坂本龍馬が残した言葉があります。

龍馬いわく、
「われ、はじめて西郷を見る。その人物、茫漠としてとらえどころなし。ちょうど大鐘のごとし。
小さく叩けば小さく鳴り。大きく叩けば大きく鳴る。」

この坂本龍馬の言葉の通り、私心のない公の人間に対しては、自らの行動によってその応対の大小が定まります。

常に世界の一部たらんとする公人に対しての自らの態度が、そもそもの自ら住むこの世界への態度なのです。

世界はいつも自分自身を写す合わせ鏡です。
人をどうこう考えたり、人をどうこうしようとする必要はありません。

ただ己がどうしたいのか、それのみが大切です。

周りを敬える心の状態を作り出す

敬う気持ちが大切なのは、その気持ち自体が大切なのはもちろんですが、人を敬える己の心の状態こそが大切です。

自分の心に余裕がないと周りのことを認識することさえ難しくなります。
ましてや周りを気にかけて敬い、尊ぶことなど不可能でしょう。

人を愛することも同様です。
人間は人から愛されたいとそう願います。

ですがその心の状態の多くは、貪欲の心であり、自分が満たされるために欲しがっている心の様子です。人間は心身ともに満たされていなければ、己の周りに対し、愛し敬う心を持つことはできません。

誰かに愛されたいという己の中から湧いてくる外向きの意識は、自分にそれが足りていないというシグナルです。だからこそまずは自分を第一に慈しみ、愛し、敬い、甘やかすことが最優先なのです。

特に現代は、幕末や明治といった時代とは違い、誰もが等しく情報にアクセスできるようになりました。多くの人々が、いともたやすく周りと比較し、自分を貶めて己の無力を嘆いています。

ただ一方では、それらの情報の中に自らを癒すためのヒントも紛れているのです。そのことを本能的に知っている私たちは、外に意識を使い日々情報の中を彷徨っているのです。

欲しがる気持ちはなんら恥じることではない、もっと大切なのは己を表現せずにいたずらに日々を重ねることである。

であればこそ、一刻も早くその状況から抜け出すためにも一層自分を大切にすることが求められているのです。

あなたは撞木(しゅもく)

心に余裕を失い、意識が外に向いてしまっている人にとって最も重要なのは、今一番自分にとって必要なことは何なのか、それを見つけて適度に行うことです。

そしてそれは一人ひとり、その瞬間瞬間で変化します。
だから常日頃の自分の状態の把握がより大切なのです。
自分に優しく、己に感謝し、自らを省みる。

あなたは今一番なにがしたいですか?
何に癒されていますか?
何が楽しいですか?

食事?紅茶?音楽?お風呂?アロマ?

なんでもいいんですよ。
ちゃんとそれらのことを自分の日常に取り入れられていますか?

ぜひ自分が大切だと思うそれらのことを今後はもっと大切にしてみてください。自分を癒すことに後ろめたさを感じないでください。

ここではあえて、自分がやりたくないことをするな!
といった強い言葉は使いません。

せめて今自分がどうしたいのか、そのことを大切にしてください。

***

あなたは世界を突き動かすための、鐘を突くための撞木(しゅもく)です。
あなたが大きく動けば、世界は大きく答えます。であれば、小さく動くのではなく、なるたけ大きく動こうではありませんか。

そしてその世界を私たちに見せてください。
きっとあなたの思い描く通りの素晴らしい世界なのでしょうね。

それが私たちの楽しみなのです。


タイトルイラスト

星乃にこさんよりお借りしています。
ありがとうございます。

著者プロフィール

私、ナスノの簡単な自己紹介となります。
惹かれたら是非ご覧ください。

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