見出し画像

力量を広げる

 目の前に長い長い階段があると、その高さに圧倒されます。「とてものぼり切ることはできそうもないな」とさえ思うのでしょう。
 だからといって、焦って、一段・二段おきに上がっていくと、途中で息が切れてしまいます。「もう、やーめた」とあきらめることになりかねません。それよりも、一段ずつ上がっていくのが一番の早道。さほど疲れず、気がついたら10段、20段、30段と上がっています。
<省略>
 仕事も同じ。目の前にあることに一生懸命取り組むうちに、最初は気づかなかったことに気づいたり、見えなかったものが見えたりするようになります。

枡野俊明「小さな悟り」p115 三笠書房

部活の経験が役立っている

中学は駅伝部、高校は陸上部で駅伝を中心に中長距離を走り
20歳から35歳までは菜の花マラソンに毎年参加しては
「何故エントリーしてしまったんだ」( ;∀;)
と思いながらも趣味で走り続け
関東に来てからも、横浜駅伝に職場の仲間と数チームつくって
毎年参加したり、ハーフマラソンなど楽しんでいました
そして、陸上部の監督で人生の恩師が他界された後から
登山をするようになりました

うさぎと亀のどっちタイプ?

効率よく結果を出せるように
遠回りせずに近道を探してできるだけ早く
そんなことを求められることは多いけれど
自分には向かないやり方なんですよね
うさぎと亀なら僕は亀
瞬発力がなくのんびりじっくりコツコツタイプです

すぐに結果を出せない代わり
長期戦で考えて行動するのが合っている
少しずつでも続けて変化を確かめながら
ペースダウンしても諦めない粘り強さがある
そういう考え方が向いていたし
恩師と仲間のおかげで身につけられた

走る経験から

一歩をどれくらいの歩幅で
一歩二歩の足の回転をどれくらいのスピードで
200メートルを何秒で
1キロを何分何秒で
ゴールまでたどり着くまで
一歩一歩交互に足を前に出す
そのために腕振りが大事
ぶれない様に大幹も大事
よく監督にかけられた言葉
「お前がキツイときは、皆キツイんだぞ」
「皆が力を抜くところを、お前は力をいれて一歩を出せ」

そうやって、一歩一歩の大事さを体と心に刻み込まれた
駅伝はタスキを繋げる大事さ
社会人になってからは走る過程や途中の楽しみ方
学んだことはたくさんあった

登山の経験から

恩師も監督時代生徒たちと一緒に走るくらい元気だった
僕らが卒業してしばらくしていくつかの高校に赴任し
登山部の顧問になって登山をしていた
恩師の自宅に遊びに行っては写真を見て話を聞いていた
その恩師の影響もあり登山を始めた

はじめは一歩一歩に力をいれて
早く山頂にたどり着きたいと思いながら
ただひたすら一歩一歩を踏み出していた
息が上がるまでは一歩を大きく
自然と体には力が入り息も上がるけど
負けまいと気合いを入れて
それで何とか登れていたけれど
大きな間違いと知った

初めから一歩を小さくゆっくり
力は入れずに気持ちもゆとりをもって

そして気づいたんです
体力勝負の気合を入れた登り方と
山行時間があまり変わらない
それどころか
途中の花や虫や鳥を楽しむゆとりがあるし
標高が高くなると木々の変化や景色を楽しむゆとりがある
大きく踏み出す一歩じゃなくても
小さな一歩の積み重ねのほうが得るものが多い
山頂だけが楽しみではない

仕事も一歩一歩が大事

仕事を覚えていく過程でも
走ることや登山の経験と似ていると思うことが多かった
力んでいるとゆとりが持てない
焦っていると周りが見えない
息切れして苦しいとき、辛いとき
効率よくとか、近道がないかとか考えているより
一つ一つの仕事を力まず焦らずに
丁寧に誠実に取り組んでいることで学ぶことは多い
振り返ってみると
小さな積み重ねが一番の近道

ゴールや山頂以外の喜びに目をむけるのも大事と知った
その時だけでは得られないものが大事と知った
息切れする登り方は、次のハードルが上がる
ゆとりある登り方は、次を楽しみに変えていく
変わり映えしない小さな一歩の繰り返しが
長く取り組みやすいし
実は楽しみ方が多い

景色が変わらず遠回りしているようでも
よく見ると見えていなかった発見があったり
気力や体力の維持や
休息や栄養補給のバランスや
自分に合った仕事の進め方やペースがわかってくる
焦ったり力んだりは怪我の元
経験の蓄積が後々役に立つ
経験を無駄にするかしないかは自分次第

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?