「記憶と思い出の違いは?」

おはようござます。
在宅ワークになり、仕事でスーツを着なくなったこの頃、
あまりにも私服のバリエーションが少ないことに気付いたヨシです。
毎日同じような服着ています。スティーブ・ジョブズと呼んで下さい。
(#コロナショックは様々な気付きを僕らに与えてくれます)

さて、仕事柄昔からサービスに関わる本を読むのが大好きなので
「リッツカールトンの教え」
だったり
「ディズニーランドの魔法」
だったり
「伝説のサービス」
って系統の本は大体読んでます。

その中に決まって出てくるのが
「記憶に残るサービス」や「思い出に残るサービス」
って言葉です。

言葉や所作を生業とするプロのサービスマンにとって
単語のチョイスってのはすごく大事で
「なぜその単語を選んだのか」はミリ単位で理由を説明できなければならないと思っています。

果たして「記憶に残るサービス」がいいのか「思い出に残るサービス」がいいのか。
つまるところ、
「記憶と思い出って何が違うの?」
ってことを3年前に真剣に考察したことがあります。

森博嗣の小説「すべてがFになる」の中で、
犀川先生が萌絵ちゃんに同じ問いを投げかけていて、
萌絵ちゃんは
「思い出は良いことばかり、記憶は嫌なことばかりだわ」
と答えますが、犀川先生はそんなことない、と。
萌絵ちゃんが、じゃあ何です?と問い返すと、先生はこう答えました。
「思い出は全部記憶しているけどね、記憶は全部は思い出せないんだ」
(#森博嗣ファン以外全員置いてけぼりの段落)

僕はこの答えは秀逸だと思っていて、
ではなぜ思い出は全部記憶していて、記憶は全部は思い出せないのか。

記憶というのはデータであり、人間と違いコンピュータはそれを覚えるのが得意です。
でも人間は引き出せる記憶と引き出しきれない記憶がある。
では、人間とコンピュータの大きな違いは何でしょう?

そう、「感情」があるかないか、ですよね。
(#うちのアレクサちゃんはたまに拗ねるのできっと感情があります)

つまり、ここから紐解くと
感情が付随している記憶が思い出なのではないでしょうか、という結論になりました。
凄く楽しかった記憶。とても悲しかった記憶。めちゃくちゃ腹がたった記憶。
これ、全部思い出と呼べますよね?
中学校で学んだ数学の公式。歴史の年号。化学式。
ここには感情が絡んでいないので記憶であり、全ては思い出せない。

話を数式にまとめると

「記憶 × 感情=思い出」

であり、感情が係数になるので、感情の数値が大きければ大きいほど、記憶に残る思い出となる、
といった感じでしょうか。

3年前は「記憶+感情=思い出」だと思ったのですが、感情を係数と捉えたほうがしっくり来るので、
いまはこのように掛け算で解釈しています。

みなさんはこの2つの違い、どう思うでしょうか?

それでは、また!

※本日の参考文献
すべてがFになる THE PERFECT INSIDER S&Mシリーズ (講談社文庫) 森博嗣 https://www.amazon.co.jp/dp/B009GXMFHI/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_nNuLEbZB6H3Z6

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