蘇れ！スタインバーガーXM-2TA！！

2024年8月1日 00:00

意外に思われるかもしれないけど、俺がバンドを初めて組んだのは高校を卒業して社会人になってからなんだよね。俺の生まれ育ったド田舎ではバンドを結成すること自体が難しかったからね。
８０年代後半、都会ではバンドブームが到来していたけど、当時の田舎は情報が遅くてね。まだまだヤンキーが跋扈ばっこしていたし、バンドを組めるほどバンド人口がいなかったという事情もあったからさ。
※そもそも楽器店は知立に一軒しかなかったし、練習スタジオもそこにしかなかった。

バンドを結成出来ても学際が終われば自然消滅してる様な姿を何度も見ていたから俺は地元でバンドを組む気は最初からなかったんだよ。ま、羨ましくはあったけどね。

だから高校卒業前に家を飛び出し名古屋で一人暮らしを始めたんだ。※高校は卒業した。
以来、俺は働きながらメンバーを探し、実家住みで無職の連中やヒモ同然の連中を横目に見ながらも、黙々と働きながらバンド活動をしていたよ。

真面目に働いていたし、贅沢はしなかったので金は持っていたけど、その全てを機材費やスタジオ代、機材車などの活動費に充てていたから遊ぶ金は持っていなかった。
金のないメンバーに無利子で貸したりもしてたしね。

でも、機材には金に糸目を付けなかったからベースを何本か買い換えていたんだけど、やはりもう一段上に行きたくて「高いベースを買おう！」と思ったんだよ。
でも「他の人たちと被りたくない」という思いも強くてね。
そんな時にベースマガジンで見つけたのが「STEINBERGERスタインバーガー XM-2TA」なのだ。

「こんなの誰も使ってない！欲しい！」と手始めに近所の楽器屋さんに行って様子を見ようかな…「って、あるじゃん！」

売ってたんだよ「STEINBERGER XM-2TA」が！
値段は24万円…
その場で現金で買いました。
ちなみに俺は借金が大嫌いなので昔も今も現金の即金だ。
車もバイクも楽器も全部いつもニコニコ即全額現金（もしくはカード一括）払いなのだ。

それからSTEINBERGER XM-2TAは大活躍。
DIE-ZW3E（ディザイと読む）の1stライブもデモテープも1stアルバムもビクターのオムニバスアルバムも全国ツアーも全部STEINBERGER XM-2TAでやったもんね。

DIE-ZW3E脱退後、上京してSOPHIAになっても当然使ってた。1stミニアルバムも初ライブも初ワンマンも学園祭のジュンスカの前座も、初PVでもSTEINBERGER XM-2TAを弾いたよ。

Kissing blue memoriesのPVに一瞬だけ映るSTEINBERGER XM-2TA

その後、俺がミュージックマン・スティングレイに出会ってメインベースの役目を終えたんだ。
そのままデビュー直前まではサブ・ベースとしてステージ脇に置いてあったんだけど、それも百瀬さんとの出会いによりその役目も終えたのよ。

俺のベースを何本も作っていただきました
工房にもお邪魔させていただきました
ありがとうございました https://t.co/6OCjlyyGND
— 黒柳能生〈公式〉 (@kuroyanagi440) July 5, 2024

それからは数々のベースを所有しステージで弾いてきたんだけど、その全てを友達にあげちゃったり売りに出したり壊れたから処分したりしたんだよね。

それで最後に残ったのがVellmorベルモアのサンダーバードだったんだけど…、あったんだよ。
もう一本あったんだよ。
そう、STEINBERGER XM-2TAがあったんだよ！
物置の奥に！！しかもケースもなく裸で！
約30年間、幾度の引っ越しを経て物置の奥に追いやられ、ボロボロの状態になってもココに残っていたんだよ！