幸福の幽霊船


幸福の幽霊船

燎-kagari-

作曲:オガワラカズキ
作詞:吉岡果南



街灯は消えて
(退屈を不謹慎で紛らわすしかなかった)
この街は眠りにつく
(どうせ壊れたりしない)
静かに

窓辺の幻 手招き迎える
幸福の幽霊船
霧に濡れた現は 夢に溶け

さあ共にゆこう水平線まで
鎖を捨てて 誰も知らない
自由と希望の大海原へ

灰色に燻む
(未だ他人事のように何かが変わると願ってる)
泣き出しそうな空を
(昨日と同じ沈黙)
見上げる

心残りなど波に攫われて
幸福の幽霊船
呼ばれず忘れられた名は消える

さあ静寂の水平線まで
全てを捨てて辿り着いた
遥か彼方の大海原

アァ、突然の足音に沈んだみちゆきは
懐かしい銃声に似て戦慄いた

呆気ないほど簡単に全ては崩れ去り
まるでフィクション
朝焼けはもう終わりを告げる

あの日に手放した 灯台の光求めて
取り戻せぬ退屈な平和を祈ることだろう




安心安全で平和な世界を望んではいても、同じような毎日に飽き飽きしてくると不謹慎でもいいからなにか起きないかなという気持ちになってきます。
そしてそれらを作り上げている規則やルールやモラルなどを全て捨て去って解放されるならやばいことになるかもなんて分かってて攫われたいなと思うことなどもあります。が、そういった空想というのは現実逃避で都合がいいところを切り取ってるにすぎず、現代社会に穏やかに生きた人間が海原に放り出されたらどんだけ生きていくことが出来るんだろうか。すぐ死ぬんだろうな。
みたいな感じで書いた記憶。

ピーターパン的な感じで、夜に退屈だなって思って窓の外を眺めていたら生きてるのか死んでるのかわからない人たちが迎えに来る、みたいなのは浪漫であります。

途中から第三者目線に変わって小説みたいなナレーションみたいなかんじになってるのは主人公が死んだからです。

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