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明日の命は平等に保証されていない

ある方に倣って、まずは短くても日々の日記を書こうと思い立ちました。


明日の命は平等に保証されていない

11月11日(土)
高校時代の友人がこのたび転職して東京に行ってしまうというので、送別会を開いた。
元々、年に1回ほどのペースでしか集まらないメンバーである。いつものようにビールと美味しいご飯を食べて「またね」って別れた。いつもと違うのは、東京へ行く彼が寂しそうで名残惜しそうなことだけだった。

会おうと思えばすぐ会える、と思う。住む場所が離れるのは大した問題じゃない。
だって、離れていても近くにいても、この「またね」はもしかしたら永遠になるかもしれないのだ。私たちは平等に明日の命を保証されていない。そのことを再び心の中に刻んで、一年後にまた会おう。

フルーツバスケットと違国日記

11月12日(日)
同じ根っこを持っているとしか思えない、非常に気の合う先輩とお茶をした。どのくらい気が合うかというと、ランチで訪れたファミレスで店員さんから「ただいまのお時間でラストオーダーです」と言われるまで喋り倒せる自信があるくらいおしゃべりが止まらない。今日もノンストップで4時間喋り倒し、カフェの閉店時間が来て泣く泣く解散した。

マンガやアニメから純文学までカルチャーに明るい先輩なので、今まで触れてきた作品についてお互い語りだすと止まらない。印象に残った場面について説明したり、解釈のすり合わせをしていると一瞬で時間が溶ける。今日は「悲しみや幸せは人と比べるものではない」という話題からフルーツバスケットと違国日記の話になった。好きなものを共有できる人がいるのはありがたい。

冬がはじまるよ

11月13日(月)
どう考えても冬がはじまっている。今週から気温が下がるとは聞いていたけれど、今朝の気温は6℃だそうで。そんなに寒くなるとは聞いていない。
早朝に目が覚めると、布団にくるまっていてもなお感じる部屋の空気の冷たさ。決死の覚悟で布団を這い出しエアコンの暖房ボタンを押す。暖房を稼働したのは今季初めてだ。明日からは起床30分前にスイッチが入るよう、予約セットしておこう。

出勤するためにドアを開けると、外の世界は低い灰色の空と冷たい空気の匂いを携えていた。ここに完全なる冬が実装されていた。無性に槇原敬之の声が聴きたくなったので、車の中で流した。季節は確実に進んでいる。

火曜は筋肉の日

11月14 日(火)
毎朝の出勤時、車の中でNHKの朝のニュースを見るのが日課だ。そして火曜日は「みんなで筋肉体操」とのコラボコーナーがある。私はこれを毎週とても楽しみにしている。


このコーナーでは筋肉の専門家(?)谷本道哉先生がゲストのアスリートの元に赴き、筋肉を軸に対談、最後にそのゲストの種目にちなんだオリジナルの筋トレをして終わる。
筋肉を軸にした対談。アスリートの対談企画は数多くあれど、筋肉を軸にした対談というのはまあないのではないか。

これはぜひ一度観てほしいのだが、筋肉の話になるとアスリートの皆さんの表情が心なしか綻ぶ。自らの種目に関わる専門的な話ができることが嬉しいのかもしれないし、自分たちが日頃どんなトレーニングをしているかについて気負いなく話せるからかもしれない。そしてそれは案外われわれ視聴者にとっても興味深い内容になっているのだ。

対談というものは、専門家同士であればあるほど話は深く専門的になる。話し手同士が分かり合える部分は増えると盛り上がりはするが、そのぶん聞き手とは隔絶される。その点「筋肉」というのは、話し手(アスリート)と聞き手の接点としてはたいへん絶妙なバランスだなあと1人で感心した。


おじいちゃんになっても

11月15日(水)
疲れたので、夕飯を作る気がしない。
冷蔵庫に余りものはあるけれど、思い切って今日は外食にしよう。帰宅した夫にそう提案したら、二つ返事で快諾してくれた。こういう時、この人と結婚して良かったと思う。
うどんの気分だったので近所のうどん屋に行くことに決めた。うどん屋にしては想像以上のボリュームだったので、二人ともお腹いっぱいになった。腹ごなしに遠回りして家に帰ることにする。夜の散歩がとても楽しかったので、「おじいちゃんおばあちゃんになっても、こうして夜に一緒に歩こうね」と約束した。遠い日の約束は、未来の自分へのプレゼントだ。

個室三つ分のスペース

11月16日(木)
今日は午後から予定がポカっと空いていたので、溜まっている仕事をしようと意気込んでいた。
銀行で山のような振込依頼書と支出伺書を捌いていたら、急激な腹痛と吐き気に襲われた。最近生理前になると謎の体調不良に見舞われる。とくに腹痛と吐き気のコンビは仲が良いらしく、いつもセットで私を襲う。

初めて銀行のトイレを借りた。お姉さんに一言声をかけて、フロアの奥にあるトイレまでよろよろと進む。ものすごく綺麗で広いトイレだが、個室が一つしかない。たぶん頑張れば個室三つ分にはなると思うが、一つしかないのだ。そこに15分ほど一人で居座った。申し訳ない。一度体勢を整えて再びATMに並ぶも、腹痛吐き気コンビも間髪入れずに襲ってくる。再びトイレに逆戻り。銀行には約1時間滞在したが、振込と出金は全体の2割くらいしか終わらなかった。大量の未処理書類を手に、来週のリベンジを図る。

体調不良との付き合い方

11月17日(金)
今朝は体調も小康状態だったのでなんとか仕事をこなしていたのだが、夕方、昨日と同様の腹痛と吐き気がまた襲ってきた。もうその頃には仕事はあらかた片付いていたので帰るのは構わないのだが、問題は家まで30分かけて車で帰らなければならないということだ。

腹痛の波をぬって車に乗り込むが、10分ほど運転しているとまた痛みの片鱗が見えてきた。しかしそこは私。これを見越して幹線道路の二車線左側レーンをゆっくりと走っていたのだ。すかさず道路沿いのお店の駐車場に車を入れる。しばらく車中でうずくまる。少しおさまったらまた車を走らせる。これを繰り返して何とか自宅に辿り着いた。冷凍していた野菜と肉を手当たり次第に鍋に放り込んで寄せ鍋にした。少しお腹に食べ物を入れて温めたのち、布団に横になる。体調不良は辛いが、自分一人でも何とかなったという妙な達成感とともに眠りについた。

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