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ミュージカルは一枚画のクリエイティブだ、と思った。

ご縁があって、ミュージカルの舞台を観に行った。

音楽座ミュージカル「7dolls」。

舞台はときどき見に行くけれど、ミュージカルは、ほぼ初めて。

きっとストーリーのなかで「歌う」ことがメインとなるのだろうな、とイメージしながら、席に座る。

幕が開く。

え、なんか次々登場する俳優さんみんな、めっちゃいい声・・・。って、すぐに引き込まれていったのだけど、このシーンのあたりで、ふと気づいた。(主演の森彩香さんのtwitterから)

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あ、ミュージカルって、「一枚画」なんだ、と。

俳優さんが歌う。ストーリーを伝えていく。その「場」をつくるために、「一枚画」がバチッと決まる。そこから歌が始まる。

だから観客も、安心して身を委ねられる。

いちばんの「サビ」を効かせるための、美術の作りこみ。俳優さんの立ち位置。間の取り方。

広告をつくってきた自分からすると、これはどちらかというと、ムービーというより、グラフィックの作り方に近いのではと思ったりした。

新聞広告やポスターなどのグラフィック広告は、強い一枚画という”舞台”がつくられ、そこに端的で効果的な「キャッチフレーズ」が合わさって、”とどく”表現が生まれる。

ミュージカルにも、「一枚画」という共通点があるんじゃないかな、と。素人の意見なので、ぜんぜん的はずれかもなのですが。

ただ、舞台と客席との「空気」みたいなものが、歌い出す前に一瞬、スッと止まる感じがする。

そこに生まれる空間が、声と音で満たされていく。まさに「劇的」という言葉通りだなと。

ふつう、映像のワンシーンをキャプチャしても、ここまで「画になる」ことは少ないのではないだろうか。映像は必然的に、時間軸というものが含まれる表現だから。

でもミュージカルは、もちろん時間軸のある芸術でありながら、「一枚画」を味わう楽しさに満ちていると感じた。

いつか思い出すだろうな、この画は。というシーンがいくつもあった。

心が動くことを「感動」と書くが、じつは、長く深く残るものは、一瞬のもの、つまり「一枚画」なのかもしれない。

なにかのきっかけで、ふと思い出す1シーン。ぜんぜん関係ない会話の中で浮かんでくる、いつか聞いたセリフ。そういう記憶が、人の豊かさみたいなものを作っていくのだと思う。

ちなみに個人的にいちばん残っている言葉は、

「関係ないものなんて、この世にはないんだけど」

序盤のほうにフッと投げかけられたフレーズだけど、その後のストーリーに通底しているような一言だった。言葉はやさしいけど、その意味をほんとに理解できてるかどうかは、正直自信がない。いい言葉ってそういうものなんでしょうね。

終演後には東海大高輪台高校(吹奏楽の全国大会、金賞とのこと!)のブラスバンドコンサートも。

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