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不惑を過ぎたので、やる気(トグル)スイッチをON側でへし折ることにした

やる気スイッチクラッシャー(いい意味で)を探して

私は40を過ぎた量産型おじさんである。東京でのテレビ番組の製作から社会人生活を初めたが、長野で観光ツアーやイベントの仕事をしたり、ちょっとしたドラマにできそうな人生の紆余曲折があって、今は九州の金融機関で地域振興の仕事をしている。

そんな私は、これからプログラミングやプロトタイピングを学ぼうとしている…のだが。何かを学習する上で、知識を身につけて「自分が何をやりたいか」、「何のために使いたいのか」と言うポイントを整理しておくのは、学習の持続性と到達深度に関わってくる大事なポイントになってくると思う。

つまり「自分の中の偏愛」の延長線上に目標を置けているかだ。はたして何にフォーカスした時に、自分のやる気スイッチはONに倒れたまま、へし折れるのかという、俺のやる気スイッチクラッシャー(いい意味で)を事前に把握しておきたいのだ。

やる気スイッチクラッシャーを探せ Part.1
「偏愛マップ」


というわけで、まず偏愛マップというものに取り組んでみようと思う。これは、自分の「好きなもの」をひたすら書き殴れということらしい。「今」と「昔」の2パターンを作り、そのマップを眺める中で自分のパッションの源泉が見えてくるらしい。

というわけでやってみた。はい、どーん。これが今バージョン。

偏愛マップ「現在」

好きな「もの」というテーマなので、ちょっと趣味や商品によってしまう。コレクション性のあるものというか、物欲ドライブなものというか。ここにやる気スイッチクラッシャーのヒントがあるのかも知れないが、まだまだ、複数枚ベールがかかっている気がする。

甘いものと中央線的な変なものが好きなのはわかる。でも、最近は物欲薄い。欲望全般が薄い。デザイアがアメリカン。これでやる気スイッチを殴り壊せる気がしない。

不安を感じつつも、偏愛マップ「昔」編もやってみよう。はい、どーん。

偏愛マップ「過去」

だめだ、もっと出てこない。性格的に過去にあまり興味がないのもあると思う。高校時代、美大に進みたかったのよねという記憶はある。とても親に言う勇気がなかったが。あと、携帯ゲーム機など、持ち運べる小さいものが好きだった。ポケットザウルスとか。折り畳めるルーペとか。少年探偵団も好きだった。少年探偵団7つ道具とか好きだったから、今でも小型のルーメン高めのLEDライトとか買ってしまうのはこの時の刷り込みなんだろう。車も小さくて偉そうでないものが好きだな。

うーん、偏愛マップ書いては見たものの芯食ってない印象。好きな「もの」だから物欲ドライブになって、やる気スイッチクラッシャーにリーチできないのではなかろうか。というわけで好きなことに心が動く瞬間を記した「エモみマップ」を考えてみた。

やる気スイッチクラッシャーを探せ part.2
「エモみマップ」


自分が人生においてエモさを感じる瞬間

1企画制作  「企画なら24時間でもいくらでも考え続けられる」

映像制作会社時代、番組の企画などを考えることが多くあった。そんな時は、昔新宿にあったジュンク堂に行き、広大なフロアの本の背表紙を1冊ずつすべて目を通していった。本屋の背表紙を読み、今を生きる人達が夢中になっていることを想像していくのが趣味だった。「この先の人生寝ている時間以外ずっと企画を考えていろ」と突然神様が現れ言われても「承知しました。」と普通に答えれると思う。それぐらい作業として好きだ。要素を組み合わせていくパズルのように。

2おもてなし  「親しい人たちをもてなす場を作り、その人たちが楽しんでいる状況を見ること」

例えば小学生時代に、マリオカート、桃鉄、ストリートファイターなどで遊ぶことがあったが、どんなゲームでも1番になるのが嫌いで、弱い魅せ技などを使って場を盛り上げて、わざと負けて2位ぐらいに収まるのが一番好きだった。

あるいは、大学の時などは、赤外線の光線銃やボードゲームなど変なものを集めてきて、毎回友達が来た時用の新しい遊べるものを用意して待ち構えているような人間だった。なので、大人になってツアーやイベントの企画をするのも好きだった。

3 超傾聴「人の話をわりといくらでも聞いていられるし、楽しい」

もともとの性格もあるし、ドキュメンタリー映画を学んだでいたこともあり、人の話を聞くのが好きだ。

はじめてあう約束をした人に、夕方から真夜中までノンストップで6時間話をされたことがある。食事もお茶もトイレ休憩もなしだ。「もう、こんな時間に!?すみません!!」とあやまられた。「お、おう」

またある時、友人Aさんと、その友人Bさんの3人ででかけた。初対面だったBさんは、とても良く話をしてくれて4時間ぐらいぶっ通しで話し込んでいた。後で、友人に「あの人があんなに話してるの始めてみたよ!!」と笑われたことがある。

まあ、話を聞くのは嫌いではないのです。

やる気スイッチクラッシャーを探せ part.3
「現状のまとめ」

そんなこんなで、「エモみマップ?」から考えると、「自分で何か企画を考え、それによって、まわりの人たちが楽しくハッピーに過ごしているのを陰から見ている」のが好きなのだろうと感じる。

現職の業務でも、そうした傾向を感じる。

企画した「さきめし」プロジェクトは、私の住む街からはじまり、コロナ禍における前払いアプリを使った飲食店支援取り組みのスタンダードに。全国で広く使用されるようになり、グッドデザイン賞ベスト100など多くの賞を受賞した。

同様に、「佐世保まちの学食」は、コロナ渦で、困窮する地域の大学生たちを地元の企業からの寄付で、無償でご飯を食べてもらう取り組み。こちらは、しんくみブランド大賞フィランソロピー大賞企業賞を受賞した。現在も継続中で、利用者である学生たちのやりたいことを全力で地域の大人たちが応援するプロジェクトとして、徐々に進化していっている。

こうした地域の人達をつなぎ、その人達をより自由にし、エンパワーメントする取り組みに、こころからやりがいを感じている。趣味なのか仕事なのか境界線がわからないぐらいに。

今回プロトタイピングを学ぶことで、そうしたノウハウを学び地域に落とし込めるようになりたいと思っている。

ではそれを企画として実装するとなると具体的にどの様な物になるのだろうか。粒度はともかく、まずは、3つの偏愛として整理し、一度落とし込んでみようと思う。

やる気スイッチクラッシャーとなりうる偏愛を改めて考える

まず、1つは「教育」だ。現在、地元高校の探求の授業のサポートなどで、臨時的に講義などをすることがあるが、来年度から教育系大手NPOカタリバの地域パートナーとして「マイプロジェクト(探求の授業の甲子園のようなもの)」の地方大会を運営していくことになる。そのため、より学生との接点が増えていくことが想定される。

なにより、学生たちが、すこしの助言やちょっと環境を整えることで驚くほどの成長を見せたりするのは、これは何よりもの至福の体験なのだ。

ある、イベントの準備で、学生たちの仕事への細やかさと愛情の深さに、一緒に見ていた市役所の友人と目をうるませたことがあるが、圧倒的にエモく、これは確実にやる気スイッチクラッシャーなのだ。綺麗事で本心で無いと言われるかも知れないが、これは絶対にそうなのだ。まじで。

また、私がこの土地に移住してきてから、事業家、公務員、会社員など、立場は違えど、学生や若者たちの成長に対し、とても熱く、そのためなら無償で動こうとする大人たちに何人もあっている。そして実際に、有志による教育支援プロジェクト(佐世保キャリア・アカデミー)なども走らせている。そういう友人たちが共にいることも心強く、そう簡単にやる気は消えないだろう。だって、もう休みも夜の時間も使って無償で動いてるんだぜ。

そんな彼らと、飲みに行く場合、一切、仕事の愚痴や女性の話などが出てこないのだ。ただひたすら街と街の未来の話をしているのだ、ときに素面で。これは、地方に来ることで出会うようになった人たちだ。彼ら自身も私のやる気クラッシャー(いい意味で)なのだ。

次は「コミュニティー作り」だ、私が所属する金融機関が商店街に持っている空きビルの4階のフロアを今若者たちが新しいことにチャレンジするスペースとして整備していっている。前述の「まちの学食」という、学生支援の取り組みを通して出会った、大学生たちが運営メンバーとして、いろいろなことを手伝ってくれている。彼らとともに、厚みのある人が育つ空間を作ろうとしているのだ。

直近では、将来コーヒー屋として独立したい学生が来てくれたので、彼に店舗スペースとして無償で貸し出していた。結果、半年が経つ間に、自家焙煎を始め、ネットで豆を売り、インスタグラムで集客をし、ワークショップなども企画してくれるようになった。そして、それと同時に、彼の熱意を見抜いた、まちの珈琲店の社長が、彼に時給を払い豆を提供し、より、自由に活動できるようにサポートしてくれるようになったのだ。

その後その取組を縁に、今後もコーヒーに興味を持つ学生を支援する取り組みをその空きビルでできないかという話が進んでいる。

薄給だが、薄い私の財布からも10万円以上は使って、学生たちが楽しめるような物を揃えていっている。(会社の金でボードゲームやちょっと洒落た照明なんて経費として落ちないので)次世代を担う若者たちが成長していってくれるなら、自分のお金なんかあまりいらない。なので、若い頃は私もおしゃれに気を使っていたほうだが、現在履いてるズボンはだいたい破れているし、あまり、そういうことに興味がなくなったのだ。

これは、仕事ではなく、すでにライフワークだ。なので絶対にやる気が失われることはない。断言しておく。

学生とコミュニティーを作る上で、コミュニケーションツール、スペースの予約、セキュリティーなど、いろんな細やかな課題が生まれる。そうした物に、もし、プロトタイプのちからが生きるのであれば私は何より嬉しいし、やる気スイッチを前向きに折ることができるだろう。

またこの街には、バイアウトしたIT企業の社長がいるのだが、彼も子供にプログラミングとビジネスを教えたいという強い衝動を持っている。そうした仲間と共に良質な学びの場を作っていくのに、プロトタイピングの力を借りれたらと思っている。そのためには、何より私が本気で勉強をしないといけないのだが。

3番目は何だろうか。これだけは、衝動や偏愛というより個人としての興味に近いが、「集団による意思決定の方法の刷新」だ。コロナが浮き彫りにしたように、日本ですべての活動の足を引っ張っているのは明らかに「政治」だ。

地方に移ってきて思うのは、政治が暮らしに近いのだ。そして街のスケールが小さく手に届く範囲にあり、人の顔がよく見える。なので、住民が自分のまちへの愛着を持ち、積極的に地域に関わっていけば、圧倒的に小回りを利かせたプロジェクトや改革ができるはずなのだ。

課題は山のようにあるが、技術の力を借りながら、上手なコミュニケーションとルールメイキングを重ねていけば、本当に誇れるまちを未来の子どもたちに残せるのではと感じている。そして、そこに、プロトタイプができる可能性は大きいと信じている。逆に冷笑的に政治を見ている人間は、必ず不幸なまちを子どもたちに残すことになる。

私は、政治家と女子アナになりたい人間(なった人間)を信用しないが、今イメージされるような政治家でない、新しいまちの意思決定の担い手が大量に地域に必要になってくるのだと思う。

というわけで、

私の偏愛トップ3


1「教育」
2「コミュニティーづくり」
3「集団による意思決定の方法の刷新」

この3つを現時点での、偏愛トップ3と仮置して、その派生としてのプロトタイプを作っていけたらと思う。もちろん、偏愛ランキングは今後も変わる可能性はあるだろうが。

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